臨時報告書(内国特定有価証券)

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2023/09/14 15:00
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提出理由

エスコンジャパンリート投資法人(以下「本投資法人」といいます。)の運用に関する基本方針が以下のとおり変更されることとなりましたので、金融商品取引法第24条の5第4項並びに特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第1項及び同条第2項第3号の規定に基づき本臨時報告書を提出するものであります。

ファンドの運用に関する基本方針又は運用体制等の重要な変更

(1)変更の理由
本投資法人は、継続的な人口集中が予想される四大都市圏(注1)に位置する地域コミュニティに根差した暮らし密着型商業施設(注2)及びその底地(注3)に重点投資を行うポートフォリオを構築し、収益の長期安定性と成長性を追求してきました。
また、本投資法人は、そこに暮らす人たちの幸せを思い描きつつ、暮らしそのものを開発することを目指すライフ・デベロッパーである株式会社日本エスコン(以下「日本エスコン」といいます。)とそのビジョン・コンセプトを共有し、日本エスコンが総合デベロッパーとして培った不動産開発・運営の経験を活かし、運用資産の着実な成長を目指すことによって、投資主価値の最大化を図ってきました。
本投資法人は、今後、人口減少と大都市圏への人口集中が進む中、生活利便性の高い大都市及び大都市へのアクセスが容易な周辺地域に住まうことへのニーズは安定的であると考えており、そのような地域に住まう人々の豊かな暮らしを支えるためには、これまで投資を行ってきた商業施設及び底地に加え、新たに住宅と地域コミュニティが抱える少子高齢化問題、環境・エネルギー問題、労働・教育問題、自然災害がもたらす問題等の暮らしの中に存在する多種多様な社会問題の解決により、持続可能な社会の実現に資する資産が必要であると考えています。
本投資法人は、これらの資産を「暮らし密着型資産」(商業施設(注4)、住宅(注5)、持続可能な社会の実現に資する資産をいい、底地を含みます。以下同じです。)と定義した上で、さらに投資地域を拡大し、主に五大都市圏(注6)に所在する暮らし密着型資産への投資を通して、運用資産の着実な成長と投資主価値の最大化を図ることを基本理念とし、これに伴い規約に必要な変更を加えることを2023年10月27日に開催予定の本投資法人の第7回投資主総会(以下「本投資主総会」といいます。)に付議する件に関して、本日付で役員会にて決議しました。
これに伴い、本資産運用会社は、本投資主総会において規約の一部変更に係る議案が承認されることを停止条件として、本投資法人の投資方針を定めた運用ガイドラインを改定することを、本日付で決定しました。
(注1)「四大都市圏」とは、「首都圏」、「近畿圏」、「中京圏」及び「福岡圏」をいいます。なお、「首都圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県及び群馬県を、「近畿圏」とは、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県及び滋賀県を、「中京圏」とは、愛知県、静岡県、三重県及び岐阜県を、「福岡圏」とは、福岡県をそれぞれいいます。以下同じです。
(注2)「暮らし密着型商業施設」とは、日常生活に必要な商品・サービスを提供する、駅直結、住宅密集地又は幹線道路に面する等の、日常生活圏に立地する不動産をいいます。以下同じです。
(注3)「底地」とは、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地をいいます。以下同じです。
(注4)「商業施設」とは、不動産を構成する建物の各用途の床面積のうち、商業テナント(物販・飲食・サービス業、アミューズメント施設等)向けの用途の床面積が最大である不動産をいいます。以下同じです。
(注5)「住宅」とは、不動産を構成する建物の各用途の床面積のうち住居用の床面積が最大である不動産(ただし、持続可能な社会の実現に資する資産を除きます。)をいいます。以下同じです。
(注6)「五大都市圏」とは、「北海道圏」、「首都圏」、「中部圏」、「近畿圏」及び「九州圏」をいいます。なお、「北海道圏」とは、北海道を、「首都圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県及び群馬県を、「中部圏」とは、愛知県、静岡県、三重県、長野県及び岐阜県を、「近畿圏」とは、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県及び滋賀県を、「九州圏」とは、福岡県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、大分県、佐賀県及び長崎県をそれぞれいいます。以下同じです。
(2)変更の内容についての概要
2023年4月27日付で提出された有価証券報告書の「第一部 ファンド情報/第1 ファンドの状況/2 投資方針/(1)投資方針」の一部が、本投資主総会において規約の一部変更に係る議案が承認されることを停止条件として、2023年10月27日付で以下のように変更されます。
なお、特に断らない限り、2023年4月27日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
の部分は変更箇所を示します。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
2 投資方針
(1) 投資方針
① 基本方針
(ア)本投資法人の基本理念
本投資法人は、人口減少と大都市圏への人口集中が進む中、生活利便性の高い大都市及び大都市へのアクセスが容易な周辺地域に住まうことへのニーズは今後も安定的であると考えています。そのような地域に住まう人々の豊かな暮らしを支えるためには、商業施設(注1)や住宅(注2)といった資産に加え、地域コミュニティが抱える少子高齢化問題、環境・エネルギー問題、労働・教育問題、自然災害がもたらす問題等の暮らしの中に存在する多種多様な社会問題の解決により、持続可能な社会の実現に資する資産が必要であると考えています。したがって、本投資法人は、これらの資産を「暮らし密着型資産」と定義した上で、主に五大都市圏(注3)に所在する暮らし密着型資産への投資を通して、運用資産の着実な成長と投資主価値の最大化を図ることを基本理念とします。
なお、本資産運用会社の親会社である日本エスコンは、中部電力の連結子会社であり、日本エスコンと中部電力は、グループの不動産事業の強化に向け、資本業務提携を行っています。また、本投資法人及び本資産運用会社は、日本エスコンとの間でスポンサーサポート契約を、中部電力及び中電不動産との間でそれぞれサポート契約を締結しています。
(注1)「商業施設」とは、不動産を構成する建物の各用途の床面積のうち、商業テナント(物販・飲食・サービス業、アミューズメント施設等)向けの用途の床面積が最大である不動産をいいます。以下同じです。
(注2)「住宅」とは、不動産を構成する建物の各用途の床面積のうち住居用の床面積が最大である不動産(ただし、持続可能な社会の実現に資する資産を除きます。)をいいます。以下同じです。
(注3)「五大都市圏」とは、「北海道圏」、「首都圏」、「中部圏」、「近畿圏」及び「九州圏」をいいます。なお、「北海道圏」とは、北海道を、「首都圏」とは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県及び群馬県を、「中部圏」とは、愛知県、静岡県、三重県、長野県及び岐阜県を、「近畿圏」とは、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県及び滋賀県を、「九州圏」とは、福岡県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、大分県、佐賀県及び長崎県をそれぞれいいます。以下同じです。
(中略)
(ウ)暮らし密着型資産への投資
本投資法人は、暮らし密着型資産(商業施設、住宅、持続可能な社会の実現に資する資産をいいます。以下同じです。)に重点投資を行うことで、本投資法人の投資主価値の最大化を図っていきます。
a.商業施設の特徴
本投資法人は、暮らし密着型資産の中でも人々の豊かな暮らしを支える商業施設について、以下の点に着目して投資を行うことにより、資産規模の拡大を図るとともに、豊かな地域コミュニティの形成に貢献します。
(ⅰ)利便性
駅からの距離が近い等の交通利便性に優れ、住宅密集地又は幹線道路に面する等の視認性に優れ、多用途での利用が可能な魅力ある立地で、その地域に住まう人々の生活の中において高い利便性(注1)を有すること。
(ⅱ)競争力
その地域に住まう人々のニーズに応える商品・サービス(注2)の提供又はテナント(注3)構成により高いエリア占有率と強い競争力を有し、周辺には競合店舗若しくは競合施設が存在しないか僅少であること。
(ⅲ)Eコマース耐性
インターネットよりも実店舗での購入割合が高い、暮らしを豊かにする生活必需品(注4)を中心に扱い、強いEコマース耐性(注5)を有すること。
(ⅳ)地域コミュニティ形成への貢献
商圏の大小にかかわらず、対象物件の地域コミュニティ形成に資すること(注6)又は資することが見込まれること。
(注1)「高い利便性」とは、地域住民が生活圏に応じて選択する交通手段(徒歩、自転車、自動車、鉄道等)により、対象地に容易に到達できる交通の便利さをいいます。
(注2)「その地域に住まう人々のニーズに応える商品・サービス」とは、食品、衣料品、家電製品、家具、医薬品、医療サービス、金融サービス、理美容サービス、外食サービス、フィットネス、ヘルスケアサービス等の地域住民の生活に欠かすことができない商品・サービスをいいます。
(注3)底地(注7)の場合、テナントとは底地上の建物のエンドテナントではなく、借地権者(本投資法人から見た賃貸先の相手方)を対象とします。以下同じです。
(注4)「暮らしを豊かにする生活必需品」とは、実店舗での購入割合が高い食品、医薬品、携帯電話、大型家電、大型家具といった生活に欠かすことのできない商品をいいます。
(注5)生活必需品については、インターネットを通じた電子商取引(Eコマース)よりも実店舗における対面での購入割合が高いことから、Eコマースに販路を奪われにくいと考えることができ、このような特徴を「Eコマース耐性」といいます。
(注6)「地域コミュニティ形成に資すること」とは、地域住民が参加するイベントの開催、地域サークルの活動場所の提供といった、施設運営を通じた、地域住民の相互交流の拠点となり得ることをいいます。
(注7)「底地」とは、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地をいいます。以下同じです。
b.住宅の特徴
本投資法人は、暮らし密着型資産のうち、商業施設以外にも、人々の豊かな暮らしを支える住宅に以下の点に着目して投資を行うことにより、ポートフォリオの安定性の確保を図るとともに、地域コミュニティの形成に貢献します。
(ⅰ)安定した居住需要が期待できる立地特性
資産の立地特性(交通の利便性、公共サービス・商業施設の有無等)が、テナントの特徴(家族構成、職業、年齢等)から想定されるニーズと合致しており、長期的又は安定的な居住の需要が見込まれること。
(ⅱ)快適な暮らしを提供する建物特性
資産が持つ建物特性(構造、耐震性、内装設備等)の維持向上の取組みにより、テナントが快適な暮らしを営むことが可能であると判断できること。
(ⅲ)保有資産との相乗効果
住宅資産が持つ特性と、本投資法人が保有する商業施設等の資産が持つ特性が相乗効果を生み、地域コミュニティの活性化や人々の豊かな暮らしの形成に貢献することが期待できること。
c.持続可能な社会の実現に資する資産への投資
本投資法人は、人々の豊かな暮らしを支えるために、地域コミュニティが抱える様々な社会問題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献することが重要であると考え、以下の点に着目して投資を行います。
(ⅰ)社会問題解決力
社会問題解決に資すること又は資することが見込まれること。
(ⅱ)地域コミュニティとの共生・連携
地域コミュニティに必要とされる資産であり、地域コミュニティと協力し合いながら社会問題の解決に取り組むことが可能であると判断できること。
(ⅲ)オペレーター(注1)の能力(オペレーターの存在する資産の場合)
オペレーターの信頼性、運営能力、資金力、実績等を考慮し、安定的な収益の確保が見込まれること。
(注1)「オペレーター」とは、本投資法人の保有する持続可能な社会の実現に資する資産(ヘルスケア施設(注2)を含みます。)の賃借人(転借人である場合を含みます。)であり、かつ、当該持続可能な社会の実現に資する資産における事業の運営等を行う者をいいます。以下同じです。
(注2)「ヘルスケア施設」とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条に規定するサービス付き高齢者向け住宅、又は老人福祉法第29条に規定する有料老人ホーム若しくは同法第5条の2第6項に基づく認知症高齢者グループホームをいいます。以下同じです。
② 本投資法人の成長戦略
本投資法人は、上記①基本方針の下、「ア.ポートフォリオの安定性と成長性を追求した外部成長」、「イ.賃貸収益の成長性を追求した内部成長」という2つの基本戦略に基づき投資を行います。
(ア)ポートフォリオの安定性と成長性を追求した外部成長
本投資法人は、暮らし密着型資産の取得に際しては、「a.本資産運用会社独自の物件情報収集ルート」に加え、スポンサーである「b.日本エスコングループ(注1)」及び「c.中部電力グループ(注2)とのパイプライン」を活用した物件取得を行うことにより、豊富なパイプラインに裏打ちされた資産規模の着実な成長を図ります。
市場状況やポートフォリオ全体に与える影響等を鑑みて資産の入替を検討することにより、ポートフォリオ全体の質の向上を図ります。
(注1)株式会社日本エスコン、その子会社及び関連会社を併せて、「日本エスコングループ」といいます。以下同じです。
(注2)中部電力株式会社、その子会社及び関連会社を併せて(ただし、日本エスコングループの会社は除きます。)、「中部電力グループ」といいます。以下同じです。
a.本資産運用会社独自の物件情報収集ルート
本資産運用会社は、本資産運用会社の役職員が不動産業界にて培ってきた経験及びネットワークを活かして、独自の物件情報収集ルートの構築に努めています。本投資法人は、日本エスコングループ及び中部電力グループとのパイプラインのみならず、第三者からの物件取得を積極的に行うことにより、本投資法人及び本資産運用会社のプレゼンスの向上を図り、着実な外部成長を目指します。
b.日本エスコングループとのパイプライン
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社日本エスコン(以下「日本エスコン」といいます。)との間でスポンサーサポート契約を締結しています。本投資法人は、当該スポンサーサポート契約に基づき、日本エスコングループが開発・保有・運用の受託をしている一部の物件について、情報提供を受ける権利や優先交渉権等の付与のほか、ウェアハウジング機能の提供や本投資法人との物件共有又は準共有、再開発サポート等の提供といったサポートを受けることができます。日本エスコンは、人々の暮らしを開発する“ライフ・デベロッパー(注1)”であり、“人が自然に集まり、住まう人が誇りを持てる「街」と「地域コミュニティ」を創生していく”というビジョン・コンセプト(注2)を本投資法人と共有しています。本投資法人は、暮らし密着型資産へ投資を行うにあたり、五大都市圏を中心に全国で不動産の企画・開発・販売等の豊富な実績を有する日本エスコングループの支援を活用し、資産規模の拡大を目指します。
(注1)「ライフ・デベロッパー」とは、ハードの開発だけではなく、そこに暮らす人たちの幸せを思い描き、暮らしそのものを開発するデベロッパーを指す用語であり、スポンサーである日本エスコンが目指す企業ブランディングコンセプト(企業ブランドを示す企業概念)です。
(注2)「ビジョン・コンセプト」とは、ビジョンすなわち「将来像」と、コンセプトすなわち「概念」の文字を英文にならって結合させた用語であり、将来の目指すべき姿とその基本的な考え方を意味する用語として本書において用いています。
c.中部電力グループとのパイプライン
本投資法人及び本資産運用会社は、中部電力株式会社(以下「中部電力」といいます。)及び中電不動産株式会社(以下「中電不動産」といいます。)との間でそれぞれサポート契約を締結しており、中部電力グループが開発・保有・運用を受託する不動産の情報提供を受ける権利等の付与やウェアハウジング機能の提供(注)といったサポートを受けることができます。本投資法人は、中部圏を中心に多様な不動産を開発している中部電力グループからの支援を活用し、資産規模の拡大を目指します。
(注)ウェアハウジング機能の提供主体は、中電不動産とされています。
(イ)賃貸収益の成長性を追求した内部成長
本投資法人は、以下の取組み等を通して、保有資産の着実な内部成長を図ります。
a.賃貸収益向上の取組み
本投資法人は、賃貸市場や施設全体のテナント構成等を考慮した早期かつ最適なテナント誘致や催事の開催等による集客力及び賃貸収入の向上、賃貸管理に係る各種維持管理費用等の定期的な見直し、テナント及びお客様の満足度向上の取組みの実施等、保有資産ごとに適切な運営管理を実施することにより、ポートフォリオ全体の賃貸収益の維持向上を目指します。
b.資産価値向上の取組み
本投資法人は、資産を中長期的に保有するにあたり、保有資産の経年劣化や、地域・立地特性及び顧客需要の変化による資産価値の減少は避けられない課題と考えています。日常的な清掃や設備メンテナンスに加え、長期修繕計画に基づく修繕・更新工事の実施、スポンサーと協働した保有資産の建替えやリニューアル、保有資産のブランディング等により物件競争力を向上させ、資産価値の向上を目指します。
c.本資産運用会社の人材活用
本資産運用会社は、上記a.及びb.を実現するために、資産の運用に関して高い専門性と豊富な経験、人的ネットワークを有する人材を、日本エスコングループの内外から招聘しており、これらの人材が中核となって本投資法人の資産運用業務にあたる組織体制を構築しています。また、社内外の人材の知見・ノウハウ等も最大限活用することにより、最適かつ効果的な資産の運用に努めます。
d.日本エスコングループ及び中部電力グループのサポートの活用
本投資法人は、日本エスコン及び本資産運用会社との間で、スポンサーサポート契約を締結しており、日本エスコンから運用のアドバイザリー業務のサポート、マーケット情報の提供、人材の確保に関する協力等のサポートを受けています。また、本投資法人及び本資産運用会社は、中部電力及び中電不動産との間で、プロパティ・マネジメント機能及びビルマネジメント機能の提供、環境配慮技術及びエネルギーコスト低減に関するノウハウの提供等を受けるサポート契約をそれぞれ締結しています。本投資法人は、日本エスコングループ及び中部電力グループが有する多様な用途の不動産運営の経験を活かして、最適なポートフォリオの運用を図ります。
③ 投資方針
本投資法人は、次のとおり、大都市圏への人口集中が進む中、生活利便性の高い大都市及び大都市へのアクセスが容易な周辺地域である、北海道圏、首都圏、中部圏、近畿圏及び九州圏の五大都市圏に所在する暮らし密着型資産に重点を置きつつ、地域住民の生活に根差した暮らし密着型資産を投資対象とするポートフォリオを構築する方針です。なお、いずれも取得価格ベースとします。
● 物件タイプ
暮らし密着資産として商業施設(底地を含みます。)に60%以上、住宅(底地を含みます。)20%以下、持続可能な社会の実現に資する資産(底地を含みます。)20%以下を目途に投資を行います。
● 投資対象エリア
本投資法人は、今後も継続的な人口集中が予想される五大都市圏を中心に投資を行いますが、災害リスク等を考慮し特定の地域への集中投資を回避することで、収益の安定性向上及び市場の変化に対して柔軟に対応可能なポートフォリオの構築を目指すこととし、地域別の投資比率は定めないものとします。
(ア)用途別比率(取得価格ベース)
地域の生活を豊かにする暮らし密着型商業施設を中心とする商業施設への投資比率(取得価格ベース)の目途は以下のとおりです。なお、着実な成長と中長期的な安定収益の確保に資する収益性が高い不動産関連資産(規約第30条第1項に定める意味を有します。以下同じです。)を取得する場合には、その過程において一時的に以下の比率から乖離する場合があります。
投資対象(注)比率
商業施設60%以上
住宅20%以下
持続可能な社会の実現に資する資産20%以下

(注)いずれも底地を含みます。
(イ)規模
本投資法人が投資する土地建物及び底地の1投資物件当たりの最低投資規模及び最高投資規模の基準は、それぞれ下表のとおりとします。
区分取得価格
最低投資規模土地建物:1投資物件当たり5億円以上
底地:1投資物件当たり3億円以上
最高投資規模当該取得物件取得後の取得価格総額に対する当該物件の取得価格の比率について、30%を上限とします。

ただし、上表記載の最低投資規模にかかわらず、以下に該当する場合には個別に当該投資物件の取得を行うことができるものとします。
a.複数の投資物件を一括で取得する際に、最低投資規模を下回る価格の投資物件が一部含まれる場合
b.投資基準に合致する投資物件の取得条件交渉を行った結果、鑑定評価額は最低投資規模を上回るものの、取得価格が最低投資規模を下回る場合
c.最低投資規模を下回るが、近隣の投資基準に合致する投資物件と一体として商業集積を形成する施設の場合
d.本投資法人の保有資産と社会経済的に一体として利用可能な隣接地等の投資物件を追加的に取得する場合
(ウ)運用期間
本投資法人は、原則として、中長期保有を目的として物件を取得し、短期売買目的の物件の取得は行いません。ここで、短期とは1年未満の期間を、中期とは1年以上5年以下の期間を、長期とは5年を超える期間をいいます。保有資産の売却を検討する場合は、市場状況を勘案し、ポートフォリオ全体に与える影響等を考慮の上、総合的に判断します。
ただし、一定の場合には、当該資産の短期売却を検討及び実施することがあります(後記「⑩売却方針」参照。)。
(エ)個別投資基準
本投資法人は、以下の通り、暮らし密着型資産について、共通及び個別投資基準及び投資対象に基づき投資を行います。
投資基準(共通)
立地用途、地域及び規模ごとの特性に応じた地域分析や個別分析を行い、これらを総合的に勘案して投資判断を行います。底地を取得する場合には、これらを勘案するほか、エンドテナントの具体的な出店意向に適した立地か否かを特に重視します。
構造(注1)主要部分(注2)が鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造又はこれらの構造に類する物件とします。ただし、主要部分に木造が含まれる場合であっても、木造部分の耐火性その他の事情を考慮して主要部分が鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造又はこれらの構造に類する物件と比較して投資のリスクが高いものではないと判断される場合には、例外的に取得できるものとします。
耐震性(注1)原則として、新耐震基準(注3)に基づく物件を投資対象とします。個別のPML値(注4)は15%未満とします。なお、取得時において、1物件当たりのPML値が15%以上の物件がある場合には、原則としてその物件について個別に地震保険を付保することを検討した上で投資するものとします。
遵法性(注1)都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含み、以下「都市計画法」といいます。)、建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含み、以下「建築基準法」といいます。)及びこれに関連する諸法令を遵守している物件又は取得までに遵守することが確定している物件を原則とします。ただし、既存不適格物件(注5)については投資を行うことができるものとします。
環境・地質
(注1)
専門業者が作成したエンジニアリングレポート、地歴調査報告書等において、有害物質等が内在する可能性が低い又は内在しているが当該有害物質に関連する全ての法令に基づき、適法に保管又は処理等がなされている等により、当該有害物質等が内在していることが運用上の障害となる可能性が低いと判断された物件とします。
稼働率(注1)原則として、安定稼働している物件とし、具体的には本投資法人の取得判断の時点において稼働率が80%以上の物件とします。ただし、稼働率が80%を下回る場合においても、本投資法人の取得以後、80%に達する可能性が十分に高いと判断される場合には、例外的に取得できるものとします。
テナント
(注1)(注6)
テナントの属性、信用力、業種、使用目的、賃貸借契約の条件、入替の可能性等を総合的に勘案した上で、投資します。
具体的には、上記の勘案要素に関する以下の項目を中心に検討を行います。
・反社会的勢力との関連の有無
・業歴及び社会的信用度(同一業種で3年以上の業歴があることを目安とします。なお、3年以上の業歴がない場合、事業計画に関するヒアリングを行い、適切と判断される場合にのみ投資できるものとします。)
・上場の有無
・企業規模(資本金、売上規模、従業員数)
・財務状況、資金繰りの現況等
・直近決算の内容
・業種
・賃貸借の目的と利用条件との整合性等
・入居保証金の額等
・特定のエンドテナントからの賃料集中度
1つの資産における特定のエンドテナントからの賃料収入が、本投資法人のポートフォリオ全体の賃料収入に占める比率は、25%を上限とします。
権利関係
(注1)
借地権が設定された土地(底地)を取得する場合には、原則として、①事業用定期借地権設定契約又は一般定期借地権設定契約が締結されており、②借地権者の属性や賃料負担能力が十分であると判断できるとともに、③借地期間満了後の収益確保が見込まれると判断した物件を投資対象とします。
土地及び建物を取得する場合には、原則として、敷地を含め一棟の建物全体に係る独立した所有権が取得できる物件を投資対象とします。
ただし、以下の形態の物件についても次の事項を検証した上、適切と判断する場合には、投資対象とすることができます。
<共有物件>・運営管理(賃貸・改良行為等を含みます。以下同じです。)の自由度を確保するため、取得する共有持分割合が50%以上であることを原則とします。その際、他の共有者の属性や信用力、物件の特性等を総合的に考慮し、個別に投資判断を行います。
・処分の自由度を確保するため、共有者間協定等による共有者間の優先買取権や譲渡制限等の有無、内容等を確認します。
・収益の安定性を確保するため、他の共有者の属性や信用力を十分確認の上、仕組み上の手当て(共有物不分割特約の締結、登記の具備や敷地の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限りません。)を講じます。
<区分所有建物及びその敷地>・運営管理の自由度を確保するため、区分所有議決権が50%以上であることを原則とします。その際、他の区分所有者の属性や信用力、物件の特性等を総合的に考慮し、個別に投資判断を行います。
・処分の自由度を確保するため、管理規約等による区分所有者間の優先買取権や譲渡制限等の有無、内容等を確認します。
・収益の安定性を確保するため、管理組合の運営状況(積立金、負債比率、付保状況等)を確認し、必要に応じて独自の手当て(本投資法人内の積立額増額、管理組合とは別途の共用部付保や敷地権の登記の具備を含みますが、これらに限りません。)を講じます。
<借地権付建物>・原則として、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)に基づく借地権を対象とします。
・底地権者の属性を慎重に検討し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替え時の承諾料又は売却の際の承諾料等が収益性に与える影響を考慮の上、投資判断を行います。
<境界確定が未了の物件>・隣接地との境界確認が未了の物件については、隣接地の所有者との協議状況その他の従前の経緯、当該土地及び隣接地の所有者等を含む土地の利用状況、将来の紛争可能性、その他境界確認が未了であることに起因して当該建物に対する遵法性の観点等から考え得る検証を行い、これらの影響等について総合的に勘案し、運営への影響、リスクの程度を検証した上で適切と認める場合には、投資対象とします。
<用益権が設定されている物件及び越境物が存在する物件>・第三者による地上権又は地役権等の用益権が設定されている不動産については、その内容や相手方を確認し、投資対象資産の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。
・隣接地からの越境物が存在する物件、又は隣接地への越境物が存在する物件については、越境物の内容や所有者の属性、経緯、覚書締結の有無等を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。

(注1)底地を取得する場合には、当該土地上の建物については、上記各基準を適用しないものとします。
(注2)「主要部分」とは、投資対象の延床面積合計において80%以上の延床面積を占めている部分をいいます。
(注3)「新耐震基準」とは、建築基準法施行令の一部を改正する政令(昭和55年政令第196号)による改正(1981年施行)後の建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)に基づく構造基準をいいます。
(注4)「PML値」とは、地震による予想最大損失率をいいます。PMLには個々の建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものがあります。PMLについての統一的な定義はありませんが、上記においては、「PML」とは想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に、想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものをいいます。なお、PML値と地震PML値は同義です。
(注5)「既存不適格物件」とは、建築基準法第3条第2項の規定により、建築物の一部又は全部につき建築基準法令の一部又は全部の規定の適用を受けない建築物をいいます。
(注6)底地物件取得の場合、原則として、借地権者(本投資法人から見た賃貸先の相手方)が転貸している場合には、借地権者の属性、信用力、賃貸借条件等及びエンドテナントの業種、使用目的、入替の可能性等を勘案します。
個別の投資基準
a.商業施設
本投資法人は、商業施設の中でも日常生活に必要な商品・サービスを提供する、駅からの距離が近い等の交通利便性に優れ、住宅密集地又は幹線道路に面する等の特徴を持った、日常生活圏に立地している主に下表の3つのタイプに分類される商業施設に重点投資を行います。
タイプ定義
単一専門店型スーパーマーケット、ホームセンター、衣料品店、家電量販店、飲食店等の単一の各種専門店で構成される商業施設
ネイバーフッド型(NSC型)食品スーパーやドラッグストア等を核テナントとし、複数の各種専門店を有する、日常生活用品の取り扱いを中心とした商圏の狭い商業施設
ゼネラルマーチャンダイズストア型(GMS型)食料品や日用品のみならず、衣料品や家電、家具等、日常生活で使う様々な商品を総合的に扱う、商圏の広い商業施設

b.住宅
本投資法人は、立地、建物・設備スペック、収益性等を勘案し、経済環境や資産価値の変化にも柔軟に対応しつつ、今後も安定的な賃貸需要及び賃料水準が見込まれる五大都市圏を中心とした生活利便性の高い物件を取得する方針です。本投資法人は、主に下表の3つのタイプの住宅に投資を行います。
タイプ主たるテナント対象
1戸当たりの専有面積
シングル主として単身世帯
30㎡未満
コンパクト主として2人程度の世帯
30㎡以上60㎡未満
ファミリー主として3人以上の世帯
60㎡以上

c.持続可能な社会の実現に資する資産
本投資法人は、地域コミュニティが抱える少子高齢化問題、環境・エネルギー問題、労働・教育問題、自然災害がもたらす問題等といった多種多様な社会問題を解決し、持続可能な社会を実現するために、それぞれの問題解決に資する資産に投資を行います。
また、投資対象となる資産の種類が多様であることに鑑み、具体的な立地及び投資規模の制限は設けませんが、投資対象不動産ごとに、個別の立地特性による地域性、収益性等を総合的に考慮した上で、投資を行います。
なお、病院(医療法第1条の5第1項に規定する病院をいいます。)は持続可能な社会の実現に資する資産を含む暮らし密着型資産に含まないものとし、本投資法人は、病院への投資は行わないものとします。また、ヘルスケア施設を対象とした投資及び資産運用を行うに際して、あらかじめ、国土交通省の定める「高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン」に従い必要な体制の整備及び手続を検討中です。
④ 財務方針
(ア)資金調達方針
本投資法人は、中長期的な安定的収益の確保及び資産価値の着実な向上のため、安定的かつ健全な財務運営を行うことを基本方針とし、具体的には、エクイティ・ファイナンス、デット・ファイナンス、LTV及びキャッシュ・マネジメントについて、以下を基本的な財務の方針としています。今後においては、資金調達手段の分散のため、コミットメントラインの設定や投資法人債の発行についても市場環境を見極めた上で検討します。
エクイティ・ファイナンス新投資口の発行は、運用資産の規模の成長と収益性の向上を目的として、LTV(注)、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等を勘案し、金融環境を踏まえた上で実施を決定します。
デット・ファイナンス資金の借入れ及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。)の発行に際しては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランス及び取得する不動産の特性等に配慮した資金調達を行います。具体的には調達方法(借入金・投資法人債)、長期比率、固定比率、返済期限の分散、担保提供の要否等を検討します。
LTV保守的な水準を維持することを基本とし、原則として50%を上限とします。
キャッシュ・マネジメント保有するポートフォリオにおける資金需要を常にモニタリングし、的確に把握して、効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行うものとします。

(注)「LTV」とは、本投資法人の総資産額のうち借入金額及び投資法人債発行残高の合計額の占める割合をいい、以下の計算式により算出されます。LTV=(借入金額+投資法人債発行残高)÷総資産額
(イ)利益を超えた金銭の分配
本投資法人は、キャッシュ・マネジメントの一環として、経済環境、不動産市場等の動向、保有資産の状況及び財務の状況等により適切と判断する場合、分配金額に一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)の諸規則に定める額を上限として本投資法人が決定する額を加算した額を、分配可能金額を超えて分配することができます。原則として利益超過分配は行わない方針ですが、突発的な事象により著しく分配可能金額が減少する場合において利益を超えた金銭の分配を行う際には、資本的支出等を勘案し手元資金の水準に配慮した上で実施の可否を判断します。
⑤ デューディリジェンス基準
本投資法人は、不動産関連資産への投資に当たっては、利害関係のない第三者である外部専門家に対し、不動産鑑定評価書、建物診断報告書、地震リスク報告書、土壌汚染調査報告書、環境調査報告書、構造計算に関する調査報告書、マーケットレポート、オペレーターの事業性評価等を必要に応じて委託し、投資対象となる不動産関連資産の投資適格性を判断するために、下表の項目を中心に経済的調査、物理的調査及び法的調査(以下併せて「デューディリジェンス」といいます。)を行った上で投資可否を総合的に判断します。デューディリジェンスにおける調査項目は、原則として下表に記載する事項とします。ただし、個々の記載事項は投資対象となる不動産関連資産によってその重要性が異なることから、下表に記載する全ての項目について調査を行うとは限りません。また、記載事項以外の項目について調査を行うこともあります。
(ア)調査(デューディリジェンス)の実施
調査項目内容
経済的調査テナント(オペレーターも含みます。)調査・テナントの信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等)
・テナントの賃料支払状況、テナントと現所有者との紛争の有無及び可能性等
・テナントの賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承の有無
・過去の稼働率、賃料推移
・各建物における各既存テナントの占有割合、分布割合
・オペレーターの場合、事業運営能力や経営安定性等の事業性評価
マーケット調査・商圏の状況(商圏人口、世帯数及び商業指標等)
・周辺の市場賃料、稼働率の調査
・周辺の競合物件の状況
・周辺の開発計画の動向
・テナントの需要動向
・テナント誘致の可能性
・物件の処分(売却)の可能性
収益性調査・賃貸借契約形態と賃料の安定性
・現行賃料と市場賃料の乖離状況と将来の見通し
・テナント異動の可能性と代替テナント確保の容易性
・テナント入退居見込、賃料減額の見込等の有無
・プロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)/マスターリース会社による中長期的なリーシング方針
・公租公課の変動可能性(軽減措置期間の終了等)
・プロパティ・マネジメント業務委託契約の形態と管理水準、報酬の適正性
・建物管理業務委託契約の形態と管理体制、管理水準、報酬の適正性
・水道光熱費等の水準とテナントからの戻入状況
・修繕履歴と修繕計画、現行の劣化状況を踏まえた予想修繕費、設備等の更新費等の負担及びその妥当性
・修繕積立の状況と積立金額の妥当性(区分所有等)
物理的調査立地調査・街路の状況、主要幹線道路へのアクセス状況
・鉄道等の公共交通機関の利便性
・周辺の土地利用状況、水害及び火災等の災害履歴
・周辺の利便施設、官公諸施設等の配置及び近接性
・地域の知名度及び評判、規模等の状況
・商圏の安定性及びその成長性、競合の状況、周辺での開発状況、転用の可能性(商業施設の場合)
建物調査・意匠、主要構造、築年数、設計者・確認検査機関・施工業者等
・内外装の部材の状況
・賃貸可能面積、天井高、空調方式、床荷重、セキュリティ設備、電気容量、照明照度、区画割対応、防災設備、給排水設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況
・設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類調査
・外構、屋上、外装、設備等についての現地調査
・エンジニアリングレポートにおける長期修繕計画の検証
・建築基準法・都市計画法等関連法令の遵守状況等
・耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能を有しているか)
・地震PML値(予想最大損失率)の検証
・管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング
・管理細則等の有無及びその内容、管理会社の質と信用力
環境調査・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況
・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等

調査項目内容
法的調査権利関係・建物及び土地について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握と権利関係に付随する各種契約等の内容の検討
・隣接地権者等との紛争の有無
・信託契約の内容
法令上の制限・遵法性、既存不適格の有無
・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無
契約関係・賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の調査
・テナントとの紛争の有無
境界調査・境界確定の状況、越境物の有無とその状況
・実測面積の確定状況
・境界紛争の有無

(イ)底地物件取得における調査(デューディリジェンス)の実施
本投資法人は、底地物件を取得するに際しても、上記「(ア)調査(デューディリジェンス)の実施」に掲載された表中の土地の記載項目を中心にその借地権者に関し、経済的調査、物理的調査及び法的調査を行います。具体的には、以下の事項について精査を行い、当該底地を取得するかを総合的に判断します(注)。
・借地権者の信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等)
・借地権者の賃料支払状況、テナントと現所有者との紛争の有無及び可能性等
・借地権者の賃借目的、契約形態、契約内容及びその承継の有無
・過去の稼働率、賃料推移
・各建物における各既存エンドテナントの占有割合、分布割合
(注)底地物件取得におけるデューディリジェンスの実施は、原則として、エンドテナントではなく、借地権者(本投資法人から見た賃貸先の相手方)を対象とします。
(ウ)ヘルスケア施設取得における調査(デューディリジェンス)の実施
本投資法人は、ヘルスケア施設を取得するに際しては、上記「(ア)調査(デューディリジェンス)の実施」に掲載された表中の記載項目を中心にそのテナント(オペレーター)に関し、経済的調査、物理的調査及び法的調査を行うほか、ヘルスケア施設の特性を考慮した、テナント(オペレーター)の事業性調査その他の個別分析を行った上で、当該ヘルスケア施設を取得するかを総合的に判断します。
⑥ フォワード・コミットメント等に関する方針
本投資法人は、フォワード・コミットメント等(注)の実行に際しては、過大なフォワード・コミットメント等が本投資法人の財務に与える影響の大きさに鑑み、あらかじめ慎重に検討し対応するものとします。
フォワード・コミットメント等を行う際には、違約金の上限、物件取得額の上限、物件引渡しまでの期間の上限及び決済資金の調達方法に関する所定の基準を遵守するものとします。また、フォワード・コミットメント等を行った場合には、速やかにその事実及び設定理由、解除条件並びに履行できない場合の本投資法人の財務に与える影響等の概要を開示するものとします。
(注)「フォワード・コミットメント等」とは、先日付での売買契約であって、契約締結日から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしている契約その他これに類する契約をいいます。
⑦ 運営管理方針
(ア)運用計画の策定・検証
本投資法人は、営業期間ごとに各資産の運用計画を策定し、計画的な資産運用を行います。期中の運用計画と実績に著しい乖離が見られる等、運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正運用計画を策定します。また、物件の取得又は売却、市場環境の変化等、各資産やポートフォリオの状況に大きな変化が生じる場合についても、適宜、運用計画の修正や見直しを行います。
(イ)運営方針
本投資法人は、中長期にわたり安定的な収益を維持し成長させるために、土地建物の運営の際には、下記a.からd.の施策を行うものとし、底地の運営の際には、下記a.及びb.の施策を行うものとします。
a.賃料収入の維持・向上
本投資法人は、既存テナントとの関係構築施策(定期的訪問、顧客満足度調査等)を積極的に図るために、PM会社との定期的な情報交換を通して、テナントの動向及びニーズ(施設のハード面・ソフト面での顧客不満要因、潜在ニーズ等)を把握し、適切かつ迅速な対応策を実施することで、テナントの満足度向上と信頼関係の構築・強化を図ります。これにより、賃料収入の維持・向上、解約の防止を図り、安定的な収入の確保を目指します。なお、PM会社に対し、テナントへの定期的訪問に際して、信用状況の確認のため、施設の利用状況、売上の状況等につきヒアリングを行うことを求め、信用状況の確保に努めます。
また、新規テナントリーシングにおいては、日本エスコングループのネットワークを最大限活用するとともに、新規テナントリーシングを担当するPM会社及び主要仲介会社等と定期的な情報交換を図ることで、市場動向の掌握に基づくリーシング活動を行い、賃料収受期間と賃貸収入の最大化に努めます。
b.管理費用の合理化・効率化
本投資法人は、テナント満足度や物件競争力を維持・向上しつつ、管理費用の合理化・効率化を図るため、個別資産の運用計画を策定します。運営管理を行うに当たっても、日本エスコングループのノウハウを最大限活用して効率的な管理を行います。
c.修繕工事、更新工事の効果的活用
本投資法人は、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図るとともに、テナントからの要望やテナント満足度の向上又は新規テナント誘致のために必要と認められる修繕工事及び更新工事の年度計画を、費用対効果を意識して個別資産ごとに作成し、適宜実施することで、中長期的な収益安定を図ります。
また、修繕工事及び更新工事の年度計画立案に当たっては、ポートフォリオ全体の収益に与える影響を考慮の上、適切な工事発注等を行うことでコスト管理を図るとともに、建物残存耐用年数や将来における建物利用状況の予測、さらに周辺環境等の将来予測等を行うことで個別物件ごとに最適な付加価値の創出を目指します。
さらに、財務面に与える影響等も考慮し、個別資産ごとの修繕積立金や減価償却費の活用、及びポートフォリオ全体におけるキャッシュ・マネジメントを勘案し適切な修繕工事及び更新工事、その他資本的支出に資する工事の実施に努めます。
d.ヘルスケア施設のモニタリング等
本投資法人は、ヘルスケア施設に関しては、オペレーターからの対象施設や企業情報についての情報開示、保有施設への訪問による運営状況の実査やヒアリング、マネジメント層との面談等により保有施設の運営管理状況、経営状況等について適切なモニタリングを継続して実践します。
⑧ プロパティ・マネジメント業務に関する方針
本投資法人は、内部成長の実現と安定収益の確保のためには、資産の賃貸管理・会計管理・施設管理を統括するPM会社が重要な役割を担うと考えています。本投資法人は、本資産運用会社の定める外部委託・評価基準に基づいて、資産ごとに適切なPM会社にプロパティ・マネジメント業務を委託し、PM会社の委託・評価等を行います。
(ア)プロパティ・マネジメント業務の発注方針
個別資産のキャッシュフローの中長期的な極大化を目指すべく、以下の方針を当該個別資産のPM会社と共有し、テナントの満足度の向上を図りつつ経費の削減を目指します。
・テナントとの信頼関係構築に基づく入居者ニーズの十分な把握
・市場動向の把握に基づくテナント営業
・費用対効果を考慮した効率的管理運営
(イ)PM会社の委託・評価基準
PM会社に対する業務委託に際しては、下記の項目に掲げる内容を考慮し、適切な委託先を選定します。なお、業務委託を受けるPM会社が「利害関係者取引規程」に定める利害関係者に該当する場合は、下記の要件に加えて「利害関係者取引規程」に定める基準及び手続が充足された場合にのみ、当該者に対する業務委託を行うものとします。ただし、本投資法人が物件を取得する際に、売主等から既存のPM会社へ委託することを当該物件の売買条件とされた場合には、この限りではないものとします。
・業歴
・財務体質
・組織体制
・当該物件(類似物件を含む)に関する経験度合い
・当該物件に関するレポーティング能力
・報酬及び手数料水準
・社会的属性
(ウ)プロパティ・マネジメント業務委託契約の更新評価基準
プロパティ・マネジメント業務委託契約の更新に当たっては、上記の委託評価基準に加え、下記項目の内容を考慮し、総合的に判断します。
・委託期間中にプロパティ・マネジメント業務委託契約の重大な違反がないこと
・委託期間中に重要な事項についての報告、金銭に関する精算業務に不適切な事実がないこと
・業務が適切に遂行される体制・能力があると認められること
なお、契約更新時に限らず、委託者は、業務受託者たるPM会社の業務の品質を定期的にチェックします。
⑨ 付保方針
(ア)損害保険
本投資法人は、災害や事故等による建物等の損害又は第三者への損害賠償を担保するため、保有不動産及び保有不動産信託受益権に係る信託財産である不動産について、資産特性に応じて適正な火災保険及び賠償責任保険を付保するものとします。
(イ)地震保険
本投資法人は、地震保険の付保については、地震発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に与える影響を勘案して判断します。個別物件のPMLが15%を超える物件については、災害による損失影響と地震保険料負担を総合的に比較考慮の上、地震保険の付保を検討します。
⑩ 売却方針
本投資法人は、不動産及び不動産信託受益権を長期にわたり保有して安定的な収益を確保することを原則とし、短期的にこれらを売却しないものとします。ただし、個別資産の評価を実施し、資産の所在エリアの賃貸市場や売買市場の動向、資産の中長期収支見込み、建物劣化等による費用の増大、資産価値の中長期的見通し、投資法人全体の損益やポートフォリオ全体への影響等、総合的な観点から、当該資産の売却がポートフォリオの収益の安定に資すると判断される場合には、かかる不動産及び不動産信託受益権の短期的な売却を検討するものとします。
(3)変更の年月日
2023年10月27日(予定)