有価証券報告書-第81期(令和3年6月1日-令和4年5月31日)

【提出】
2022/08/25 13:37
【資料】
PDFをみる
【項目】
149項目

研究開発活動

主力商品である野菜と花の品種開発は研究本部、農園芸資材の開発はソリューション統括部が担当し、全世界の市場に向けた品種の育成、農園芸資材の開発を行っております。研究・開発拠点として、日本国内では静岡県掛川市をはじめ5か所に、海外では北米、南米、欧州、アジア圏など、14か所に農場を配しております。
研究開発者はグループ全体で約537人、当連結会計年度における研究開発費は8,132百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。
当社の理念である「心と体の栄養」を世界の人々に届けることを目標に、サカタオリジナルの価値ある商品開発を進めてまいります。
当連結会計年度の主な研究内容及び成果は、次のとおりであります。
(1)国内卸売事業及び海外卸売事業
①野菜
当連結会計年度は、コマツナ「C1-059」が一般社団法人日本種苗協会主催の第72回全日本野菜品種審査会において1等特別賞を受賞するとともに、輸出・国際局長賞を受賞いたしました。さらに、当グループの子会社である株式会社ブロリードのブロッコリー「ルミナス」が、同審査会において1等特別賞を受賞するとともに、農林水産大臣賞を受賞し、高い研究開発力が評価されました。
新品種におきましては、秋冬ホウレンソウに求められる濃い葉色、低温伸長性、収量性のいずれにも優れた能力を発揮する「ピンドン」、各種病害に耐病性を持つ台木メロン「デュアルアタック」、早生性、栽培適応性に優れた紫色のカリフラワー「オーナメントパープル」など、生産者の要望に沿い、消費者にも喜ばれるオリジナル性の高い品種を発表いたしました。
海外市場では、2022年2月、メキシコに研究拠点「クリアカン イノベーションセンター」(Culiacan Innovation Center、略称:CIC、メキシコ・シナロア州クリアカン市)を開設しました。果菜類の大産地であるクリアカン市において、メキシコおよび中米市場向けの野菜の品種開発およびマーケティングを強化いたします。
②花
当連結会計年度は、ペチュニア「バカラiQ ブルー」が一般社団法人日本種苗協会主催の第67回全日本花卉品種審査会において1等特別賞を受賞するとともに、農林水産大臣賞を受賞いたしました。また、トルコギキョウ「SM9-706M」が同審査会において1等特別賞を受賞するとともに、輸出・国際局長賞を受賞いたしました。
海外においてもベゴニアの新品種「バイキング エクスプローラー ローズ オン グリーン」が、世界2大花き品評会のひとつである、米国の「オール アメリカ セレクションズ」(AAS) でゴールドメダルを獲得いたしました。AASにおけるゴールドメダルは、昨年のジニア「プロフュージョン レッドイエローバイカラー」に続き、2年連続での受賞となり、国内外における高い研究開発力が評価されました。
新品種におきましては、トルコギキョウでは大輪セミフリル八重咲きで晩生の白色「リオ ホワイト」を含め計7品種、ポンポン咲きのアスター「あずみ」シリーズ2品種の切り花品種をそれぞれ発表いたしました。
また、人気の「サンパチェンス」シリーズやカリブラコアとペチュニアの属間雑種「ビューティカル」シリーズ、雨に強く開花性に優れた「よく咲くペチュニア バカラiQ」シリーズ、ラナンキュラス「ワンダーランドiQ」シリーズの花壇苗品種をそれぞれ発表いたしました。
当社のオリジナリティあふれる品種開発は国内外で高く評価され続けております。
③ソリューション
当連結会計年度は、環境制御系スマート農業ビジネスへの取り組みや農園芸現場における様々な課題解決を目指した事業展開を積極的に進め、特に環境制御システム「アルスプラウト」は、生産現場の省力化を目指す多くのユーザーで活用・導入が進みました。
また、「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律(みどりの食料システム法)」や「プラスチックに係わる資源循環の促進等に関する法律」が2022年より施行され、これまで以上に環境との調和や持続的発展が可能な商品、サービスの展開が当社事業活動の計画においても重要なテーマとなっております。
こうした市場変化の中、約50年の販売を誇る播種育苗資材のロングラン商品「ジフィーセブン」、姉妹品となる100%ココピート原料の「ジフィーセブン C」に環境負荷の少ない生分解性ネットを採用し、リニューアル販売を開始いたしました。プラスチック使用量の削減、廃棄物の低減による省力化が見込まれ、現在イチゴを始めとした果菜類を中心に、順調に生産現場への導入が進んでおります。
今後も環境配慮型商品、特に近年注目を浴びているバイオスティミュラント資材や有機栽培へ対応した商品開発に加え、情報技術の積極的活用により、多くのユーザーに安心して使用いただける商品の提供を進めてまいります。
(2)小売事業
当事業に該当する研究開発は行っておりません。
(3)その他事業
当事業に該当する研究開発は行っておりません。