有価証券報告書-第52期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 13:11
【資料】
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和策等により緩やかな回復基調となりました。しかしながら、円安による原材料価格の上昇、世界各地における政情不安や景気の減速、消費税引き上げに伴う影響の長期化から、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社グループはきのこ事業を中心として、健康食材の王様「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。しかしながら、本年2月3日には一部ブナシメジに対する異物混入の可能性から自主回収を実施いたしました。お客様、株主の皆様並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今後、このような事態が発生することのないよう、管理体制の一層の強化に努めてまいります。また、本年4月26日には弊社苫小牧第一きのこセンターにおきまして設備工事中に火災が発生し、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
生産部門におきましては、安全第一をモットーに日々の清掃と衛生管理を徹底し、安定栽培と品質の向上に努めてまいりました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化と、付加価値の高い新製品の開発に取り組んでまいりました。昨年12月にはシイタケ栽培技術研究施設の建設に着手しており、今後、シイタケの量産化と安定出荷に向けた研究開発活動を加速してまいる所存です。
販売部門におきましては、主力製品であるブナシメジ、エリンギ、マイタケ、ブナピーの4製品の価値の構築と、現在、試験販売を行っております「霜降りひらたけ」をはじめとしたプレミアムラインの確立に努めてまいりました。
化成品事業におきましては、売上高は計画を下回ることとなりました。またレトルト食品事業におきましては、売上高は僅かながら計画を上回ることとなりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高609億49百万円(前期比6.9%増)、営業利益39億62百万円(同6.9%減)、経常利益57億56百万円(同5.0%増)、当期純利益は36億96百万円(同35.9%増)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりであります。
「きのこ事業」
きのこ事業におきましては、生産の拡大と品質の向上、販売の強化を中心に業績の拡大に努めてまいりました。生産部門につきましては、平成25年9月よりマイタケ生産を開始いたしました上田第二きのこセンターが通年の出荷となり、マイタケの生産量は増加いたしました。また、平成26年9月から福岡八女第二きのこセンター(平成27年4月より八女第二きのこセンターに名称変更)がブナシメジの出荷を開始しましたが、平成26年9月より新潟第二きのこセンターがブナシメジから「霜降りひらたけ」に生産を変更したため、ブナシメジの生産量は減少いたしました。海外事業におきましては、米国のHOKTO KINOKO COMPANYと台湾の台灣北斗生技股份有限公司が稼働率を高めたことや、マレーシアのHOKTO MALAYSIA SDN.BHD.が平成27年2月よりブナシメジの生産を開始したことから、生産量は増加いたしました。その結果、当連結会計年度の生産量はブナピーを含めブナシメジ42,475t(同3.4%減)、エリンギ19,436t(同0.7%減)、マイタケ13,467t(同8.9%増)となりました。
販売部門におきましては、「菌活」を合言葉に、菌類の摂取を推進することにより健康づくりに寄与できるよう働きかけを行ってまいりました。消費者の消費税増税後の生活防衛意識の高まりなど厳しい需要環境にありましたが、販売量は堅調に推移いたしました。また海外事業につきましては、米国と台湾の増産やマレーシアの子会社の稼働により生産量が増え、販売活動も堅調に推移してきております。
以上の結果、きのこ事業全体の売上高は475億66百万円(同4.6%増)となりました。
「化成品事業」
化成品事業におきましては、製品原価の高止まりから厳しい販売環境にあり、包装資材部門を中心に新規開拓の強化や既存取引先へのきめ細やかな営業活動を展開したものの、売上高は計画を下回ることとなりました。
以上の結果、化成品事業の売上高は95億28百万円(同4.7%増)となりました。
「レトルト食品事業」
レトルト食品事業につきましては、OEMを中心としたレトルト食品の製造を行っております。前期は期中の株式取得により第3四半期からの寄与でありましたが、当期より通年の寄与となりました。一部受注先の内製化による受注減などもあり厳しい状況もありましたが、新規の受注などにより売上高は僅かながら計画を上回る状況で推移いたしました。
以上の結果、レトルト食品事業の売上高は38億53百万円(前年同期24億59百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は41億47百万円となり、前連結会計年度末より6億60百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により増加した資金は70億9百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益58億53百万円と減価償却費48億10百万円による増加及び法人税等の支払額26億38百万円と為替による影響13億12百万円の減少によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により減少した資金72億8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出72億75百万円による減少であります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により増加した資金は8億17百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入及び返済による支出が純額で25億円増加したこと及び配当金の支払い19億11百万円による減少であります。