有価証券報告書-第52期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 13:11
【資料】
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【項目】
115項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

①会計方針
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
また、会計上の見積りについては、過去の実績、現在の状況、将来の見込み等を総合的に勘案して算出された合理的な金額によっております。
このような会計方針に基づいて作成された連結財務諸表及び財務諸表は、当社グループの経営実態を正しく反映したものであると考えております。
②財務分析
(1)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における資産総額は817億92百万円となり、前連結会計年度末より74億18百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金7億6百万円の増加と有形固定資産39億44百万円及び投資その他の資産27億19百万円の増加によるものであります。
負債総額は317億3百万円となり、前連結会計年度末より33億10百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金25億円の増加と繰延税金負債10億7百万円の増加によるものであります。
純資産につきましては500億89百万円となり、前連結会計年度末より41億8百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金25億31百万円の増加とその他の包括利益累計額13億30百万円の増加によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は70億9百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益58億53百万円と減価償却費48億10百万円による増加及び法人税等の支払額26億38百万円と為替による影響13億12百万円の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は72億8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出72億75百万円による減少であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は8億17百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入及び返済による支出が純額で25億円増加したこと及び配当金の支払い19億11百万円による減少であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月
自己資本比率(%)71.970.368.061.761.2
時価ベースの自己資本比率
(%)
100.586.283.691.987.4
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
0.71.54.01.82.6
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
112.482.732.088.147.3

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、国内きのこ事業におきまして上半期は厳しかったものの、秋口よりきのこの単価も堅調に推移したことから通年ではほぼ計画通りでであったことや、子会社の台湾が好調だったこと及び平成25年8月に子会社化したアーデンが通期での寄与になったこと等により、前会計年度に比べ39億23万円増加し、609億49万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。
きのこ事業の売上高は、ブナシメジの販売が堅調に推移したことやプレミアムラインとして販売しております「霜降りひらたけ」も計画通りの販売が出来たこと等から、475億66万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。
化成品事業の売上高は、製品原価の高止まりを受け厳しい環境となりましたが、包装資材部門を中心に新規開拓の強化や既存取引先へのきめ細やかな営業活動を展開したこと等により、95億28百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
レトルト食品事業の売上高は、一部受注先の内製化による受注減もありましが、新規の受注等により、38億53百万円(前連結会計年度24億59百万円)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、電力料金の値上げ、原油高による燃料費の増加よるエネルギーコストの上昇及びきのこセンター建設等による減価償却費の増加等により製造原価が上昇いたしましたが増収効果により前会計年度に比べ5億48百万円増加し、168億90百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。
(販売管理費及び一般管理費)
販売管理費及び一般管理費は、50周年記念事業に関する費用や運送費が増加したこと等により、前会計年度に比べ8億42百万円増加し、129億28百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は前会計年度に比べ2億93百万円減少し、39億62百万円(前連結会計年度比6.9%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、円安による為替差益の発生等により、前会計年度に比べ2億71百万円増加し、57億56百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。
(当期純利益)
当期純利益は、前会計年度に比べ9億75百万円増加し、36億96百万円(前連結会計年度比35.9%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は116円00銭となりました。また、自己資本比率は61.2%となり、前会計年度に比べ0.5ポイント低下いたしました。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
(1)単価、気候変動リスク
元来、当きのこ業界は、きのこの特性からくる季節的要因により、きのこ単価、販売量とも春から夏にかけては不需要期で低迷し、秋から冬に最需要期を迎え上昇に転じる傾向にあります。このような要因により、通常上半期の業績は厳しい状況となり、需要期となる下半期は業績も堅調に推移いたします。しかしながら、最需要期である秋から冬にかけて、暖冬等による気候の変化やきのこの安定供給により市場が供給過剰気味に推移することなどから発生する価格変動等によって、需要期であるにも関わらず、消費が伸び悩み販売量の減少や単価の低迷に繋がり当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)安全性に係るリスク
食品の品質や安全性に対する消費者の意識は依然として高く、異物混入はもとより、生産及び製造過程における衛生面や使用原材料等についても消費者の関心は集められております。当社といたしましては、これら生産、製造、販売においては万全の管理体制で臨んでおりますが、衛生面や使用原材料等に予期せぬ問題が発生した場合、経営成績に多大な影響を与える可能性があります。
(3)海外事業に関するリスク
当社は現在、米国、台湾及びマレーシアにおきまして子会社を設置し、それぞれきのこセンターで生産・出荷を行っております。海外事業におきましては、現地の政治、経済情勢や法律、税制の問題、また公衆衛生、テロ等紛争など予期せぬ事態により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤経営者の問題認識と今後の方針
きのこ事業におきましては、消費者の食の安全、安心に対する意識の高まりはもとより、健康への寄与に対する注目も高まってきております。生産国、産地、使用原材料等についてだけでなく、成分や効能とその認知につきましても注意を払うところとなりました。このような状況において、当社も予期せぬ食品衛生上の問題等が発生し、経営成績に影響を受ける可能性があります。当社といたしましては、このような事態にならぬよう万全の管理体制のもと、研究、生産、販売を行なう所存であります。
現在、当社のきのこの製品は、ブナシメジをはじめ、エリンギ、マイタケ、ブナピーの4製品でありますが、全国的に試験販売を行っております新製品の霜降りひらたけ、一部地域において試験販売を行っております新製品ホンシメジ及び量産化に向けて栽培技術の開発中でありますシイタケの本格的な販売開始など、今後の新製品開発及び市場投入のピッチを速めることや、健康志向に合わせてこれらの持つ生理活性機能についての研究を強化することも欠かせないと考えております。また、多様化する消費者の商品選択志向や企業間競争の激化に対応するために、消費者のニーズを的確に捉えた臨機応変な販売戦略を展開していく所存であります。
一方、海外での展開につきましては、米国・台湾・マレーシアに子会社を設置し、きのこの生産、販売を行っております。生産面におきましては、販売状況を勘案しながら徐々に稼働率を上げ、また販売面におきましては、販売力をより一層強化し、海外市場の拡大を進めていくことが不可欠であると考えております。台湾及びマレーシアの子会社におきましては、東南アジア及び中国を中心とした市場の開拓を進め、また米国につきましては、非アジア系顧客の新規開拓に注力し、さらなる販売の拡大に努めてまいります。
加工食品事業につきましては、自社きのこを活用した新商品の開発、冷凍・乾燥アイテムの開発に注力し、健康食品、レトルト食品の販売を中心に、通販事業を合わせて営業力を強化しながら業務を拡大してまいります。
化成品事業につきましては、自社製品分野の拡大に取り組み販売活動を強化していくと共に、医療、介護分野など新たな分野に進出してまいります。
その他、予期せぬ自然災害など、今後の工場進出エリアにつきましては今まで以上に十分に検討すること、またBCP(事業継続計画)の整備を行っていくこととしております。