訂正有価証券報告書-第91期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/05/08 11:31
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、デフレ脱却に向けた金融緩和や経済対策効果、円安の進行により輸出関連企業を中心に企業収益や設備投資に持ち直しの傾向が見られ、堅調な個人消費と相俟って、緩やかな回復基調にあったと言えます。
水産・食品業界におきましては、多少値段が高くとも高品質な商品の売上が伸びるなど、従来の低価格志向とは異なる動きも出てきましたが、円安の影響による原材料コストの上昇もあり、厳しい状況を脱し切れておりません。
このような状況のもと当社グループでは、中期経営計画『パワーアップキョクヨー2015』の2年目として、「キョクヨーグループの優位性を強化、拡充し、安心・安全で競争力のある商品の提供により、グループ企業価値の最大化を実現する」ことを基本目標に据えて取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの売上高は2,023億87百万円(前期比13.7%増)、営業利益は29億15百万円(前期比25.4%増)、経常利益は29億85百万円(前期比32.0%増)、当期純利益は29億68百万円(前期比133.8%増)となりました。
セグメント別の事業概況は次のとおりです。
①水産商事セグメント
水産商事セグメントでは、年間を通じて堅調に推移した水産物市況を背景に、赤魚、ほっけ、さばなどの切身品、定塩さけ製品、伸ばしえびや生食用さけ・えび製品など、より加工度を増した利益率の高い製品の拡販に努めました。その結果、売上、利益ともに前期を大きく上回りました。
この部門の売上高は1,004億38百万円(前期比23.6%増)、営業利益は30億46百万円(前期比91.0%増)となりました。
②冷凍食品セグメント
冷凍食品セグメントでは、寿司種を中心とした生食用商品の販売が順調に進みました。また『だんどり上手』シリーズとして他社との差別化を図った骨なし切り身商品は、アイテムを拡充し医療食や事業所給食向けに、また、かに風味かまぼこは量販店の水産・惣菜コーナーや外食産業向けに拡販を図りました。更に新たなブランド『シーマルシェ』を発表するとともに、家庭用冷凍食品へも参入し、市販分野への販路拡大を進めました。加えて、宮城県塩釜市に当社グループ基幹工場の建設計画も進めております。その結果、この部門の売上は前期を上回りましたが、円安や原料高、海外工場における労務費をはじめとする生産コストの上昇などにより、利益は下回りました。
この部門の売上高は560億71百万円(前期比10.9%増)、営業利益は1億27百万円(前期比59.5%減)となりました。
③常温食品セグメント
常温食品セグメントでは、さんまやさばなどの水産缶詰の他に、輸入缶詰や畜肉缶詰、海産珍味類などを量販店や大手コンビニルートへ拡販するとともに新規商材の開発に努めました。その結果、売上は前期を上回ったものの、円安や原材料価格上昇による製品のコストアップに対して、販売価格への転嫁が進まず、利益は下回りました。
この部門の売上高は172億47百万円(前期比11.3%増)、営業利益は46百万円(前期比68.2%減)となりました。
④物流サービスセグメント
物流サービスセグメントにおける冷蔵倉庫事業では、積極的に設備投資を行い、事業の効率化と営業力強化に努めました。冷蔵運搬船事業は、大幅にスリム化された船隊編成のもと年間契約を中心に配船するなど効率のよい運航に努めました。また本年3月に当社グループの経営効率の更なる向上を図るべく、連結子会社であった極洋海運株式会社を吸収合併しました。この結果、この部門の売上は前期を下回ったものの、利益は上回りました。
この部門の売上高は30億31百万円(前期比11.8%減)、営業利益は26百万円(前期は営業損失3億24百万円)となりました。
⑤鰹・鮪セグメント
鰹・鮪セグメントにおける加工及び販売事業は、国内外からの原料調達ルートを活用した加工品の販路拡大と在庫水準の適正化を図りました。養殖事業は、「本鮪の極」の市場でのブランド力が定着し、順調に販売が進んでおりますが、天然種苗の確保については規制が強化されつつあり、完全養殖体制の早期実現に向けた孵化魚の育成に努めております。海外まき網事業は、魚価は安定的に推移したものの、近海操業の不漁やドック修繕に伴う稼働日数の減少により漁獲量は前年を下回りました。その結果、この部門の売上・利益ともに前期を下回りました。
この部門の売上高は255億25百万円(前期比6.3%減)、営業利益は5億82百万円(前期比35.3%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額
現金及び現金同等物の期首残高
現金及び現金同等物の期末残高
7,384
△469
△6,614
70
370
3,438
3,809
1,910
△1,900
△512
80
△422
3,809
3,387
△5,474
△1,431
6,102
10
△792
370
△422

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加などにより、19億10百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産及び投資有価証券の取得などにより、19億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権付社債の発行などによる収入に対し、有利子負債の削減に努めたことで、5億12百万円の支出となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高より4億22百万円減少し、33億87百万円となりました。