有価証券報告書-第73期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:52
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1)業績
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善もあり緩やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が国内経済を下振れさせるリスクとなるなど、依然として予断を許さない状況が続いています。個人消費においては持ち直しの動きがみられるものの、消費者の節約志向に加え、生活の質の向上を重視する選別消費の傾向が強まっています。
このような状況のもと、当社グループは、中期4ヵ年経営計画「Challenge toward 2017(2014-2017)」の後半2年のテーマに「成長への挑戦」を掲げ、持続的成長の実現と中長期の企業価値向上に向けて、完全養殖マグロ事業の拡大、グローバル領域における収益拡大、及び新たな価値を提供する新商品の発売など、「成長路線の遂行」に取り組んでまいりました。
その結果、売上高は873,295百万円(前期比1.3%減)、営業利益は26,308百万円(前期比55.0%増)、経常利益は27,874百万円(前期比62.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,446百万円(前期比277.0%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当期より、一部の子会社につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
漁業・養殖事業
漁業・養殖事業は、国内外の水産資源の持続可能かつトレーサビリティの確保できる供給源として、効率的な操業により収益の確保に努めました。
当期は、養殖事業では出荷減となったものの、漁業において漁獲好調により利益率が向上した結果、漁業・養殖事業の売上高は36,171百万円(前期比4.1%減)、営業利益は2,074百万円(前期比27.0%増)となりました。
商事事業
商事事業は、国内外にわたる調達・販売ネットワークを持つ「水産商事」「畜産商事」、市場流通の基幹を担う「荷受」、及び量販店、コンビニエンスストア、生協、外食などの業態に特化した「業務用食品(商事)」から構成され、国内外の市場動向を注視しながらお客様のニーズに対応した的確な買付販売と水産加工事業の強化により、収益の確保に努めました。
「水産商事」は、主要魚種の多くが高値圏にあるなか、冷凍魚・エビなどを中心に原料・加工品の販売が好調に推移したことに加え、円高による調達コストの減少もあり、増収増益となりました。
「荷受」は、鮮魚・冷凍魚ともに単価高が続くなか、天候不順による集荷面の苦戦も相俟って販売が落ち込んだため減収となり、コスト削減に努めましたが減収分を補うことができず減益となりました。
「畜産商事」は、輸入豚肉、輸入牛肉の取扱増の一方で飼料原料、加工品、鶏肉の取扱減により減収となったものの、輸入冷凍豚肉、鶏肉、加工品の利益率向上により増益となりました。
「業務用食品(商事)」は、主要魚種の多くが高値圏の厳しい状況にあるなか、食品スーパー、外食、コンビニエンスストア等の取り組み強化により、増収増益となりました。
以上の結果、商事事業の売上高は452,157百万円(前期比0.3%減)、営業利益は7,586百万円(前期比75.1%増)となりました。
海外事業
海外事業は、中国・タイにおける水産物・加工食品の販売に加え、オセアニアでの基盤を強化している「海外」、すりみ等の生産を中心とした北米商材の日本・北米・欧州での販売を展開する「北米」から構成され、水産物と加工食品の世界的な需要拡大に対応し、グローバル市場における収益の確保に努めました。
「海外」は、タイ現地法人での北米・日本向け冷凍食品輸出が減少したものの、製造コストの削減に加え、欧米向けペットフード及び豪州産メロの販売が堅調に推移し、ニュージーランド事業も順調であったため減収増益となりました。
「北米」は、米国産助子及びズワイカニの生産減、助宗フィレ及びすりみ単価の下落により減収となったものの、北米鮭鱒事業の収益改善、鮭鱒の販売増により、利益はほぼ前期並みとなりました。
以上の結果、海外事業の売上高は146,230百万円(前期比7.2%減)、営業利益は7,998百万円(前期比4.5%増)となりました。
加工事業
加工事業は、家庭用冷凍食品の製造・販売を行う「家庭用冷凍食品」、缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う「家庭用加工食品」、業務用商材の製造・販売を行う「業務用食品(加工)」、及び化成品の製造・販売を行う「化成」から構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
「家庭用冷凍食品」は、麺・米飯類などの主食系商品や冷凍野菜、アクリブランド品の販売増に加え、生産性の向上により、増収増益となりました。
「家庭用加工食品」は、缶詰の販売価格の適正化、フィッシュソーセージ及びデザート等の生産性向上に加え、物流費の改善等により、売上高は前期並みながら増益となりました。
「業務用食品(加工)」は、コンビニエンスストア、介護食の販売が堅調に推移したことに加え、不採算商品の改廃やコスト削減により、増収増益となりました。
「化成」は、インバウンド消費や機能性表示食品制度を追い風としたDHA・EPAの販売好調に加え、化粧品・健康食品の輸出の増加により、増収増益となりました。
以上の結果、加工事業の売上高は210,656百万円(前期比1.6%増)、営業利益は5,163百万円(前期比4,745百万円増)となりました。
物流事業
物流事業は、輸配送コストが高止まりするなか、安定的な車輌調達と取扱貨物の集荷拡大に努めました。
当期は、システム関連費用や新センター稼働に伴う減価償却費の増加があったものの、輸配送事業の伸長及び燃料費調整単価下落による動力費の減少により、売上高は15,511百万円(前期比0.7%減)、営業利益は1,837百万円(前期比3.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の結果得られた資金を、主として設備投資に使用した結果、当連結会計年度末には13,327百万円と前連結会計年度末に比べ1,318百万円増加いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は25,969百万円となり、前期に比べ4,647百万円減少いたしました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、主に設備投資によるもので、11,097百万円となり、前期に比べ9,206百万円減少いたしました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、主に借入金の返済によるもので、13,618百万円となり、前期に比べ1,491百万円増加いたしました。