有価証券報告書-第89期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/23 15:53
【資料】
PDFをみる
【項目】
138項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、米国が堅調に推移するなか、欧州では景気が下げ止まり、主に中国などの新興国で成長が安定化したことなどからプラス成長となりました。国内経済は、円安による輸出環境の回復と堅調な個人消費などから着実な改善がみられました。
非鉄金属業界におきましては、ニッケル及び銅価格は下落傾向が継続しましたが、景気の先行きへの警戒感が和らいだことなどから一旦は下げ止まりました。その後、ニッケル価格はインドネシアの鉱石輸出規制による供給面への懸念などから当連結会計年度末にかけて上昇したものの、銅価格は軟調に推移しました。金価格は、米国の景気回復による投資資金の流出により、一段と下値を探る状況が継続しましたが、平成25年末以降上昇傾向がみられました。
材料事業の関連業界におきましては、車載用電池向け部材の需要が拡大し、高機能携帯端末向けや家電向けなどの部材は好調な販売環境を維持しました。
以上より、当連結会計年度の売上高につきましては、銅は減販となりましたが、円安による増収及び電気ニッケルの増販などにより、前連結会計年度に比べ220億6百万円増加の8,305億46百万円となりました。
営業利益は、円安による好転があったものの、金及びニッケル価格の下落などにより前連結会計年度に比べ203億67百万円減少の754億18百万円となりました。経常利益は、営業利益が悪化したものの、持分法による投資利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ6億82百万円減少の1,143億52百万円となりました。当期純利益は、環境対策引当金繰入額の増加などにより、前連結会計年度に比べ、63億82百万円減少の802億58百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 資源セグメント
菱刈鉱山につきましては、操業は順調に推移しました。
海外鉱山につきましては、当社グループが自ら操業を行うポゴ金鉱山(米国)では、前連結会計年度に比べて鉱石の品位が上昇したことにより、生産量が増加しました。当社が経営に参画しているモレンシー銅鉱山(米国)の銅精鉱及び電気銅の生産は順調に推移し、カンデラリア銅鉱山(チリ)の銅精鉱の生産量も増加しましたが、セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の銅精鉱及び電気銅の生産量は減少しました。
売上高は、前連結会計年度に比べ90億23百万円増加して1,138億96百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ29億58百万円増加し、690億63百万円となりました
なお、当社における金銀鉱(菱刈鉱)の産出量は、前連結会計年度に比べ6千t増加し154千t(含有金量6,852kg)となりました。
② 製錬セグメント
ニッケルは、電気ニッケル生産能力の6万5千t/年への増産起業が当連結会計年度中に完成し、生産量が増加したことから前連結会計年度を上回る販売量となりました。コーラルベイニッケル社(フィリピン)は、操業が順調に推移し、ほぼ前連結会計年度並みの生産量となりました。
銅は、東予工場の定期炉修を実施したことにより生産量が減少し、販売量も前連結会計年度を下回りました。
売上高は、前連結会計年度に比べ、59億61百万円減少の6,318億42百万円となり、セグメント利益は、115億42百万円減少の291億4百万円となりました。
なお、当社における銅の生産量は、前連結会計年度に比べ35千t減少し、401千tとなりました。金の生産量は、前連結会計年度に比べ4,891kg減少し、20,372kgとなりました。また、ニッケル(フェロニッケルを含む)の生産量は、前連結会計年度に比べ9千t増加し、72千tとなりました。
③ 材料セグメント
ボンディングワイヤー事業からの撤退により売上高は減少しました。その一方で、高機能携帯端末向け、車載用電池向け及び家電向けなどの部材の需要が好調であったことなどから、それぞれ増販による増益となったため、前連結会計年度を大幅に上回るセグメント利益を計上しました。
売上高は、前連結会計年度に比べ32億88百万円減少し、1,533億25百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ77億75百万円増加し、110億72百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度に比べて税金等調整前当期純利益が減少したことに加えて、シエラゴルダ鉱山社への貸付金の増加などから、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末から371億8百万円減少し、2,025億83百万円となりました。
シエラゴルダ鉱山社への開発資金貸付やタガニートプロジェクトによる有形固定資産の取得に関わる資金については、前連結会計年度に引続き長期借入により資金調達を実施しました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が減少したことに加え、法人税等の支払額の増加やたな卸資産の増加等により、前連結会計年度に比べ346億51百万円収入が減少し、800億14
百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、ニッケル増産のための設備投資にかかわる支出やシエラゴルダ鉱山社への貸付金の増加、投資有価証券の取得による支出の増加等により、前連結会計年度に比べ381億92百万円支出が増加し、1,269億37百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得による支出が減少したものの、長期借入れによる収入が減少したことにより、前連結会計年度に比べ214億68百万円収入が減少し、81百万円の収入となりました。
(注)「事業の状況」に記載している金額は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」を除き、消費税等を除いた金額であります。