有価証券報告書-第91期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 16:08
【資料】
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【項目】
138項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
機能材料セグメントは、主要顧客の生産調整等による需要の低迷やITOの主要原料であるインジウムの価格が下落したこと等により91億円の減収となりました。金属セグメントは、非鉄金属相場が下落基調で推移したこと等から103億円の減収となりました。自動車機器セグメントは、北米市場が堅調に推移したこと等から99億円の増収となりました。関連セグメントは、エンジニアリングにおける完成工事高が減少したこと等から112億円の減収となりました。以上の結果、前連結会計年度に比べ227億円(4.8%)減少の4,505億円となりました。
② 販売費及び一般管理費
金利市場の動向を受け、退職給付債務の算定に用いる割引率を変更したことに伴い、数理計算上の差異を費用処理したこと等により、前連結会計年度に比べ51億円増加の508億円となりました。
③ 営業利益
電解銅箔における収益性の改善や円安効果による好転要因があったものの、非鉄金属相場の下落に伴うたな卸資産の在庫影響による要因(以下「在庫要因」)や退職給付費用の増加等により、前連結会計年度に比べ206億円(65.0%)減少の111億円となりました。
④ 営業外損益
為替差損の減少4億円がありましたが、チリのカセロネス銅鉱山の減損損失を含む持分法による投資損失の増加118億円等により、前連結会計年度に比べ116億円悪化し224億円の損失となりました。
⑤ 経常損益
営業利益の減少206億円に加えて、営業外損益の悪化116億円により、前連結会計年度に比べ323億円悪化の112億円の損失となりました。
⑥ 特別損益
特別利益において、持分変動利益が減少したこと等に加え、特別損失での環境対策費用の増加や訴訟損失引当金繰入額の計上等により、前連結会計年度に比べ47億円悪化の12億円の損失となりました。
⑦ 税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額)
法人税、住民税及び事業税の減少がありましたが、法人税等調整額の影響により、税金費用の総額は前連結会計年度に比べ12億円増加の76億円となりました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純損益
経常利益の減少323億円、特別損益の悪化47億円、税金費用の増加12億円、非支配株主に帰属する当期純利益の減少2億円により、前連結会計年度に比べ381億円悪化の209億円の損失となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
資産合計は、受取手形及び売掛金が143億円、たな卸資産が114億円、投資有価証券が245億円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ538億円減少の4,848億円となりました。
負債合計は、設備投資にかかる債務や仕入債務他が47億円、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高が186億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ263億円減少の3,052億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純損失209億円による減少に、配当による減少34億円、為替換算調整勘定の減少52億円、繰延ヘッジ損益35億円の増加等があり、前連結会計年度末に比べ275億円減少の1,795億円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.6ポイント低下の35.0%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況とキャッシュ・フロー指標のトレンド
① キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費250億円、持分法による投資損失223億円、売上債権の減少110億円、たな卸資産の減少102億円等の増加要因に対し、税金等調整前当期純損失125億円、仕入債務の減少38億円、法人税等の支払額81億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ131億円収入増加の503億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出282億円等により、前連結会計年度並みの263億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの減少170億円および配当金の支払34億円等から、前連結会計年度に比べ91億円支出増加の219億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額、新規連結に伴う増加額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ7億円増加の166億円となりました。
なお、短期流動性確保の手段として、短期社債(電子CP)発行枠400億円を確保しているほか、250億円を限度とした長期コミットメント・ライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
また、キャッシュ・マネージメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
② キャッシュ・フロー指標のトレンド
回次第87期第88期第89期第90期第91期
決算年月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
自己資本比率(%)31.933.531.936.635.0
時価ベースの自己資本比率(%)32.231.427.029.121.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)5.54.75.75.63.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ11.916.416.318.527.9

(注) 自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題認識と今後の方針について
「3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。