有価証券報告書-第117期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:45
【資料】
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【項目】
153項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心に底堅さがみられたものの、一部の新興国については経済成長が鈍化したことから、全体としては弱い回復が続いた。
我が国経済においては、政府・日銀による積極的な経済政策の下、個人消費を中心とした内需の拡大が牽引し、企業収益や生産活動に改善の動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調となった。
国内建設市場については、公共投資は東日本大震災からの復興工事を中心に堅調に推移し、民間設備投資も一部では持ち直す動きがみられ、建設投資全体では前連結会計年度を上回る水準となったが、需給逼迫に伴う労務費の上昇等により、厳しい経営環境が続いた。
こうした中、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、次のとおりとなった。
建設事業受注高は、当社及び国内関係会社における増加により、前連結会計年度比18.0%増の1兆5,735億円(前連結会計年度は1兆3,332億円)となった。なお、当社の受注高は、開発事業等を含めて同20.0%増の1兆2,646億円(前連結会計年度は1兆536億円)となった。
売上高は、前連結会計年度と同水準で推移し、前連結会計年度比2.4%増の1兆5,211億円(前連結会計年度は1兆4,850億円)となった。
利益面では、当社の建築工事の総利益が減少した一方で、当社の土木工事及び国内・海外の連結子会社の総利益が増加したこと等により、営業利益は前連結会計年度比24.6%増の230億円(前連結会計年度は184億円)となり、経常利益は前連結会計年度比9.6%増の270億円(前連結会計年度は246億円)となった。
当期純利益は、特別利益の減少と税金費用の増加により、前連結会計年度比11.4%減の207億円(前連結会計年度は234億円)となった。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示している。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)
① 土木事業
(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
完成工事高は、国内・海外ともに増加し、前連結会計年度比10.9%増の2,988億円(前連結会計年度は2,694億円)となった。
営業損益は、完成工事総利益率が大幅に改善したことにより、350億円(前連結会計年度は81億円の損失)となった。
② 建築事業
(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
完成工事高は、前連結会計年度と概ね同水準で推移し、前連結会計年度比7.5%減の6,900億円(前連結会計年度は7,459億円)となった。
営業損益は、一部の工事における採算が悪化したことにより、316億円の損失(前連結会計年度は99億円の利益)となった。
③ 開発事業等
(当社における都市開発、地域開発など不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
売上高は、前連結会計年度と同水準で推移し、前連結会計年度比4.9%増の571億円(前連結会計年度は545億円)となった。
営業損益は、開発事業等総利益率が改善したことにより、16億円(前連結会計年度は4億円の損失)となった。
④ 国内関係会社
(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸
事業等)
売上高は、前連結会計年度と概ね同水準で推移し、前連結会計年度比5.7%増の3,381億円(前連結会計年度は3,200億円)となった。
営業利益は、建設系の子会社を中心に売上総利益が増加したことにより、前連結会計年度比33.4%増の115億円(前連結会計年度は86億円)となった。
⑤ 海外関係会社
(当社の海外関係会社が行っている事業であり、米国、欧州、アジアなどの海外地域における建設事業、開発事業等)
売上高は、前連結会計年度に建設事業受注高が伸びたことを主因に完成工事高が増加したことから、前連結会計年度比18.1%増の2,638億円(前連結会計年度は2,233億円)となった。
営業利益は、前連結会計年度の売上総利益率が高水準であった反動により、前連結会計年度比10.7%減の65億円(前連結会計年度は73億円)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、329億円の収入超過(前連結会計年度は584億円の収入超過)となった。これは、税金等調整前当期純利益428億円に減価償却費182億円等の調整を加味した収入に加えて、未成工事受入金及び開発事業等受入金の増加285億円の収入があった一方で、売上債権の増加628億円の支出があったこと等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、366億円の収入超過(前連結会計年度は367億円の収入超過)となった。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入475億円及び投資有価証券の売却等による収入244億円があった一方で、有形固定資産の取得による支出167億円及び貸付けによる支出118億円があったこと等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金、長期借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の資金調達と返済の収支が106億円の支出超過となったことに加えて、配当金の支払額51億円の支出等により、171億円の支出超過(前連結会計年度は586億円の支出超過)となった。
これらにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から582億円増加の2,594億円(前連結会計年度末は2,011億円)となった。