有価証券報告書-第77期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/29 16:11
【資料】
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【項目】
138項目

事業等のリスク

当社は、リスク管理の推進全般を統轄する組織として総合リスクマネジメント会議(TRM、原則月1回開催)を設置し、当社グループに関するリスクを把握・評価し、対策と予防を推進しております。また、同会議の傘下に、安全衛生・環境委員会および財務報告内部統制委員会を設置し、これらの委員会は、所管する専門分野に関するリスク管理活動を監視・指導しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。また、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクを網羅することを意図したものではないことにご留意ください。
(1) 法的規制に関するリスク
当社グループは、「日本工営グループ行動指針」のもと、法令遵守の徹底と社内教育に努めておりますが、国内において独占禁止法、建設業法、下請法等の法的規制を受けているほか、海外において関係諸法令による規制を受けており、万一法令に抵触するような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営に関するリスク
当社グループは、グループ会社運営規程に則った報告・承認制度の運用のほか、経営管理ガイドラインに基づく各グループ会社の経営管理体制、リスク管理、コンプライアンス、情報管理、安全・衛生・健康管理の支援を通して、グループ各社の内部統制システムの強化を着実に実施しておりますが、各グループ会社においてコンプライアンス違反または各種リスクの顕在化といった事象が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 受注に関するリスク
コンサルタント国内事業およびコンサルタント海外事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、コンサルタント国内事業では公共投資の動向に、コンサルタント海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。
電力エンジニアリング事業におきましては、東京電力パワーグリッド(株)に対する受注の割合(依存度)が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
(4) 請負契約等における収益認識に関するリスク
当社グループは建設コンサルティング業務や電力関連機器・装置の受注製造・販売等、顧客と請負契約を締結し行っております。売上収益は履行義務の完全な充足に向けた進捗度の測定結果に基づき認識され、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合は進捗度の測定に基づいて、進捗度を合理的に測定できない場合は履行義務の結果を合理的に測定できるようになるまで発生した原価の範囲で認識しています。また、進捗度の測定は、原則として見積総原価に対する実際発生原価を基礎とし、一部の大規模案件は稼働および経費の実績(出来高)を基礎としています。特に、新たな業務領域の先行案件は、総原価の見積りの際に参照する類似案件等の情報が乏しく、外注費等の重要な仮定が含まれているため、総原価の見積りは事後的に変動する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 業務実施に関するリスク
当社グループは、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」という経営理念のもと、品質保証システムISO9001を導入し、常に品質の確保と向上に努めておりますが、当社グループが顧客に納品した成果品における品質上の問題を原因として重大な責任が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 労務に関するリスク
当社グループは、36協定内容の周知・モニタリングやハラスメントに関する相談窓口の設置等の取り組みを通して過重労働およびハラスメントの予防体制を構築・管理しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、人財の損失が生じることにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 安全衛生に関するリスク
当社グループは、TRM傘下の安全衛生・環境委員会による監視・指導のもと、安全衛生に関する各種規程や内規、マニュアルの整備・運用等を通じて全社的な安全衛生体制の構築に努めておりますが、海外での実施業務においてテロや紛争等に遭遇し、従業員の生命・身体への事故が発生した場合、人財の損失等が生じることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報管理に関するリスク
当社グループでは、情報管理規程および関連細則の周知・運用のほか、ネットワークセキュリティの確保、情報媒体の使用ルールの設定・運用等を通して、社内における情報管理体制整備および秘密情報の漏えい防止に努めておりますが、顧客情報や当社機密情報等の秘密情報が漏えいすることで、業務の停止や対策費用の増大、損害賠償、公的な処罰、社会的信用の低下等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 財務報告に関するリスク
当社グループは、TRM傘下の財務報告内部統制委員会の監視・指導のもと、市場環境・為替市場の動向の注視やポートフォリオの見直しを継続して行っておりますが、金融市場における予期せぬ経済情勢やマーケットの急激な変化等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 減損会計に関するリスク
当社グループは、企業買収等によりのれん・無形資産を計上しております。また、連結会社において建設中の水力発電設備などの有形固定資産を計上しており、これらは事業環境の変化に伴い、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれた場合、減損損失を認識する可能性があり、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 災害・事件・感染症に関するリスク
当社グループは、BCP(事業継続計画)および関連規程の整備・改定を通じて災害・事件に遭遇した場合においても事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続・早期復旧を可能とする体制を整備しておりますが、大規模震災等によって国内外のサービス需要の減少が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルスの影響は現時点では重要な影響を与えるリスクと判断しておりませんが、新型コロナウイルス感染症の影響は不確定要素が多いため、今後当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。