有価証券報告書-第74期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 10:37
【資料】
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、年度前半は円安や資源価格の下落を背景に企業収益が好転し、雇用や所得環境も改善して緩やかな景気回復基調を持続していたが、年度後半に入ると、中国ショックが東南アジア全体の経済に波及、中国とともに世界経済を牽引していた米国経済にも翳りが見られるなかで、年明けからは円高・株安に転じるなど、景気の先行き不透明感が増した。
国内建設市場においては、政府建設投資は減少に転じたが、民間非住宅投資が増加基調を維持したことに加え、民間住宅投資も消費増税後の反動減から増加に転じ、平成27年度の建設投資総額は50兆円を維持した見込みである。今後も都心部での大型再開発や、東京五輪に向けた建設投資が期待されているが、輸出産業やエネルギー産業など、業界によっては設備投資を見直す動きがあるなど、予断を許さない難しい受注環境が続いている。
このような状況のなか、当社グループは、前中期経営計画で掲げた「磐石な収益基盤」を構築するために、「量より質」の基本方針を徹底、国内ではソリューション営業や、工業化・省力化を推進する一方、海外では原価管理の強化やローカル社員の育成に努め、収益力の強化を図ってきた。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなった。
売上高は、建設事業1,139億1百万円(前年同期比8.3%減)に不動産事業他10億87百万円(前年同期比0.0%減)を合わせ、1,149億89百万円(前年同期比8.2%減)となった。
損益面においては、建設事業の完成工事利益率が改善した結果、営業利益は54億81百万円(前年同期比62.7%増)、経常利益は57億95百万円(前年同期比52.5%増)となった。また、法人税等合計11億91百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は39億86百万円(前年同期比46.7%増)となった。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメント間の内部売上高等を含めて記載している。)
建設事業
日本
当社グループの建設事業の日本における受注高は、783億74百万円(前年同期比1.2%増)となった。
売上高は、733億86百万円(前年同期比8.8%減)となり、売上高は減少したものの、工事採算の改善などにより、営業利益は30億76百万円(前年同期比89.8%増)となった。
東南アジア
当社グループの建設事業の東南アジアにおける受注高は、356億92百万円(前年同期比33.7%減)となった。
売上高は、405億53百万円(前年同期比7.2%減)となり、売上高は減少したものの、工事採算の改善などにより、営業利益は19億63百万円(前年同期比43.6%増)となった。
不動産事業
日本
賃貸事業を中心とする不動産事業の日本における売上高は、10億13百万円(前年同期比3.9%減)となり、営業利益は4億55百万円(前年同期比15.1%増)となった。
北米
賃貸事業を営む不動産事業の北米については、営業損失は6百万円(前年同期 営業損失2百万円)となった。
なお、北米において不動産賃貸事業を営んでいた、ナカノインターナショナルCORP.は平成28年3月に清算結了している。
その他の事業
その他の事業については、売上高は73百万円(前年同期比122.5%増)となり、営業損失は7百万円(前年同期 営業損失14百万円)となった。
なお、提出会社は、平成27年8月より太陽光発電事業を開始している。これにより当社グループの報告セグメントに含まれない事業セグメントである「その他の事業」は、太陽光発電事業及び国内連結子会社の営む保険代理業となっている。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益52億43百万円を計上し、仕入債務の減少及び法人税等の支払などがあったが、売上債権の減少及び未成工事支出金、未成工事受入金の増加並びに未払又は未収消費税等の増減などにより、96億7百万円のプラス(前年同期は7億80百万円のマイナス)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出があったが、定期預金の払戻による収入などにより、8億44百万円のプラス(前年同期は8億54百万円のマイナス)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少及び長期借入金の返済による支出などにより、22億44百万円のマイナス(前年同期は21億34百万円のマイナス)となった。
この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ63億33百万円増加し、293億29百万円となった。