有価証券報告書-第57期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 10:03
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【項目】
125項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当企業集団に関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものであります。
また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日(平成27年3月31日)現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
①経営成績
当連結会計年度における経営成績の概況については、「1 業績等の概要」に記載しております。
②財政状態
当連結会計年度末の流動資産につきましては、営業債権等が減少しましたが、現金預金が増加したこと及び未収還付法人税等が計上されたこと等により、前連結会計年度末に比べ156百万円増加し、7,458百万円となりました。また、固定資産につきましては、賃貸不動産の売却による減少がありましたが、旧型枠倉庫用地における太陽光設備の設置及び海外案件に関する投資等を実施し、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し、4,725百万円となりました。その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ165百万円増加し、12,184百万円となりました。
流動負債につきましては、未払法人税等が大きく減少しましが、仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、4,496百万円となりました。また、固定負債につきましては、リース債務の増加がありましたが、社債の償還及び長期借入金の返済による減少等により、前連結会計年度末に比べ94百万円減少し、1,069百万円となりました。その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、5,565百万円となりました。
純資産につきましては、剰余金の配当が81百万円であったものの、当期純利益が246百万円となったこと等か
ら、前連結会計年度末に比べ182百万円増加し、6,618百万円となりました。
以上から、連結ベースの自己資本比率は、前連結会計年度末の53.6%から0.8ポイント上昇し、54.3%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要」に記載しております。
(2)経営成績に重要な影響を与える要因
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3)事業戦略と見通し
当企業集団としては、上記の状況を踏まえ経営管理体制を整えつつ、業績の更なる改善と企業価値向上に努めていく所存であります。
大局的には「3 対処すべき課題」に記載のとおりでありますが、セグメント毎の事業戦略は下記のとおりであります。
(土木関連事業)
当連結会計年度は営業損失となった反省を踏まえ、工事量に応じた適切な人員配置を実施するとともに、徹底した不採算工事の排除、営業案件の受注前での調査、施工体制、採算性の検討等を厳格に行い、また受注後も完成まで緻密なモニタリング体制を構築しつつ、利益創出に努めていく方針であります。
また、東日本大震災の復旧・復興の需要及び国土強靭化に関わる案件は確実に受注に至るよう重点的な営業活動を実施することにより、確実に黒字転換を目指すこととしております。
(建築関連事業)
熾烈な価格競争にも耐えうる原価管理を継続して徹底する一方、主力としている医療分野以外の受注比率を高め、事業環境の変化にも耐えうる多様な分野への開拓を進めるとともに、各種測定や、既存施設のメンテナンス、アフターサービス、新規開発した工事資材等による新規顧客の取り込みを通じ、従来からの医療分野における当社の優位性を維持しつつ、更なる積み上げを目指すこととしております。
(型枠貸与関連事業)
公共事業の縮減を見据えて受注・売上高の減少にも耐えうる事業基盤の構築を推し進めながら、土木関連事業と当事業とを一体的に運営し、連携を強化してシナジー効果を高める方針であります。
また、陳腐化した賃貸用鋼製型枠を更新するとともに、新型の消波ブロックを投入し、予測されうる新たなトレンドにも対応が可能となるよう設備を増強するとともに、原価管理体制の集約化に努め効率性に重点をおいた事業運営を行うこととしております。
(その他の事業)
不動産販売部門は、現在の分譲用地の早期の成約をすすめることを念頭に効率的な営業活動を実施してまいります。不動産賃貸部門は、メンテナンスに要する費用を極力抑えつつ稼働率の維持に努めていく方針でありま
す。海外事業は、現状営んでいる事業の安定的な利益創出を第一とし、新規の投資は当面行わないこととしており、投下資本の回収に全力で傾注していく方針であります。
また、管理部門等においては、コンプライアンスに則りコーポレート・ガバナンスの健全性を維持し、柔軟で機動力のある経営を支援するため、各事業の事業計画の検証とその後の施策に対するサポートを実施しつつ全社的な固定費削減を引続き実施していく方針であります。また、連結子会社を含め業績管理を一元的に管理・統括し、当企業集団の既存の営業網を相互活用し、また事業活動上のノウハウを適宜導入しシナジー効果を高める等の方策を通じ、事業を安定的に拡大していく方針であります。
(4)流動性の管理方針
当企業集団では、当社が中心となり企業集団全体のキャッシュマネージメントを綿密に調査・検証し、資金運用を一元的に管理し資金効率の向上に努めております。また、金融機関には資金運用方針の適時・適切な報告を行い、機動的な資金調達を行っていく方針であります。
当面の方針としては、事業運営に必要な短期資金を主に金融機関からの借入により賄うとともに、手許流動性の確保・拡大に努め、安定的な資金運営を目指していく方針であります。
当企業集団の資金の状況については「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)経営者の問題意識と今後の方針について
当企業集団の経営陣は、収益力やキャッシュ・フローの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情
報に基づき経営資源の効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく尽力しております。
当建設関連業界では、震災関連等、一時的な需要増はあるものの、中長期的には需要の減少と競争の激化、とりわけ、工事資材の高騰や建設従事者の減少による労務単価の上昇等が避けられない見通しであり、当企業集団をとりまく経営環境は当面厳しい状況が続くものと予想されます。
そのような状況下、当企業集団は型枠貸与関連事業に依存している収益構造にありましたが、昨今の公共事業
縮減の影響を受け、当事業の今後の収益トレンドが不透明であることから、この収益構造の再構築が急務であると認識しており、上記「(3)事業戦略と見通し」及び「3 対処すべき課題」に記載したとおり、今後の方針に沿って事業運営を着実に実施することにより、各セグメントが独立して利益を計上できるよう体質強化に努めることとしております。
(6)重要な会計方針及び見積り
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当企業集団の連結財務諸表の作成において、経営成績及び財政状態に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したものでありますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社においては、特に次に掲げるものが重要な影響を及ぼす事項であると考えております。
①貸倒引当金の見積り
当企業集団が保有する債権又は投資に係る損失が見込まれる場合、その損失に充当する必要額を見積り、貸倒引当金を計上しておりますが、将来債務者及び被出資者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
②投資有価証券の減損
当企業集団の保有する有価証券については、合理的な判断基準を設定のうえ、減損処理の要否を検討しておりますが、将来保有する有価証券の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には有価証券等の評価損を計上する可能性があります。
③固定資産の減損
当企業集団では、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。現時点では減損処理の必要な固定資産については、減損損失の計上を行っておりますが、将来の事業環境の変化、業績の動向等により減損の兆候が生じた場合には、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④繰延税金資産の見積り
当企業集団では、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存することから、課税所得がその見積り額と乖離する場合には繰延税金資産及び法人税等調整額が増減する可能性があります。