有価証券報告書-第86期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 10:16
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 基本理念
当社グループは、創業理念であります「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、事業活動を通じ誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念としております。
この基本理念の実現に向け、事業活動を通じお客様をはじめとする、あらゆるステークホルダーから信頼され、選ばれ、そして感謝される企業となることを基本方針としており、そのために、刻々と変化する社会やお客様のニーズに柔軟に対応するための技術力、知力、感性を磨き、組織力を以って事業を継続、発展させ、机上の議論より実践を重んじ、現場・現物・現人主義を以って、的確かつ迅速にことにあたり、社会のルールを遵守し、社会と共に持続的発展を目指し、公正で堅実な経営に徹しております。
(2) 見通し
次期の見通しにつきましては、今後の新型コロナウイルスの感染動向が景気を左右する最大の要因と見られますが、コロナワクチン接種の進展により新型コロナウイルスの感染拡大は収束に向かっていくものと想定しております。しかしながら足元の主に新型コロナウイルスの変異株を原因とする感染拡大による国内外経済への影響や、米中貿易摩擦の更なる激化等による悪影響が懸念されます。
企業業績においては、コロナ前の水準に回復しているところがある一方、コロナ禍の影響を直接受ける業界においては引き続き厳しい経営環境が続いており、2極化が鮮明になっております。
当社グループの主たる事業である建設業界におきましては、公共建設投資は国土強靭化対策の5ヵ年計画が決定され、堅調に推移するものと思われますが、民間建設投資につきましては、主要国で製造業の投資意欲が戻りつつあり、コロナワクチン接種の進展に伴い新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かうにつれ、設備投資も回復してくるものと予想しています。
(3) 中期3ヵ年計画の策定及びエコフレンドリーASANUMA21の改定
当社は、2021年度を初年度とする新中期3ヵ年計画を策定しました。当社を取り巻く外部環境は近年さらに激しく変化しています。その変化はより早く、大きく、そして今後も続いていくと思われます。この変化の激しい経営環境下で、将来に亘って持続的に成長していくためには、変化を少しでも早く把握し、迅速かつ的確に対応していくことが必要と考えます。長期ビジョンとして「外部環境の激しい変化に対し、独自性を発揮し果敢に挑戦し続ける企業」を掲げ、その実現に向け、中期3ヵ年計画の各施策を確実に実践してまいります。
また、当社は2010年度から全社的な地球温暖化防止対策活動である「エコフレンドリーASANUMA21」をスタートさせており、目標とした「施工高1億円当たりのCO2排出量を2020年度までに1990年度比40%削減」を達成したことを踏まえ、昨年政府が脱炭素社会実現に向け打ち出した「2050年度までに、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」との方針に賛同し、この度「エコフレンドリーASANUMA21」を改定し、新中期3ヵ年計画の施策の一環として新たな取り組みをスタートさせました。脱炭素社会に向けた長期ビジョンとして「施工高1億円当たりのCO2排出量を2030年までに1990年度比50%、2050年までに70%削減」を目指し、基本方針を「脱炭素化の推進」、「資源の循環」、「自然・社会との共生」とし、様々な取り組みを行っていきます。
① 中期3ヵ年計画(2021年度~2023年度)
A 長期ビジョン
「目指すは、外部環境の激しい変化に対し、独自性を発揮し果敢に挑戦し続ける企業」
B 位置付け
企業理念である「誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与します」のもとに長期ビジョンを作成し、新中期3ヵ年計画を、長期ビジョン実現に向けた独自性の発揮ステージへとつなげるための「淺沼組らしさ(独自性)の深耕」と位置付けました。それを基本方針として以下のように掲げ、3つの外部環境変化に対し果敢に挑戦することで、独自性を深め、次の成長につなげてまいります。
C 基本方針
淺沼組らしさ(独自性)を深耕させ「変化に挑戦」
基本方針に則った具体的な取り組みについては以下のとおりであります。
(a)長期的に縮小する国内建設投資とインフラ・建築構造物の老朽化により堅調に推移する国内維持・修繕
事業投資
ⅰ.競争力(コスト・品質・提案)の強化
ⅱ.新領域(海外・新分野)への取り組み強化
ⅲ.国内維持管理・修繕事業の取り組み強化
(b)建設分野における生産労働人口の減少
ⅰ.生産性向上に資する取り組みの強化
ⅱ.人材確保・人材育成の強化
ⅲ.協力会社との連携強化
(c)非財務経営活動(ESG・SDGs等)による企業評価向上の機運
ⅰ.「E」:環境問題解決
ⅱ.「S」:社会課題解決
ⅲ.「G」:コーポレートガバナンスの強化
D 主な経営指標
新中期3ヵ年計画の最終年度である2023年度の目標として、受注高1,466億円、売上高1,373億円、営業利益67.3億円、親会社株主に帰属する当期純利益45.4億円、としました。
また、2023年度において営業利益率を5.0%以上、自己資本利益率(ROE)は3ヵ年とも10.0%以上としています。
② エコフレンドリーASANUMA21(改定版)
A 長期ビジョン
「施工高1億円当たりのCO2排出量を2030年までに1990年比50%、2050年までに70%削減」
B 基本方針
「脱炭素化の推進」
「資源の循環」
「自然・社会との共生」
③ 直近の経営環境について
前中期3ヵ年計画(2018年度~2020年度)の最終年度でありました2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を勘案し、年度計画を中期計画より下方修正しましたが、受注高以外は計画を達成しました。足元の建設投資マインドは業種により差はあるものの、全体としては回復傾向にあるものと見ております。
(4) 当社における新型コロナウイルス感染症への対応
当社は、お取引先や従業員、その他関係者の皆様の安全を確保する観点から、管理部門の統括責任者である社長室長をトップに、建築・土木部門の統括責任者も含めた新型コロナウイルス対策室を設置し、全社に亘る対策を策定して引き続き新型コロナウイルス感染防止に取り組んでおります。
主な対策は以下のとおりであります。
① 従業員や作業所における協力会社の社員も含めた発熱、倦怠感、嗅覚・味覚の異常などの体調異変の定期的確

② 体調異変がある者の早期の医療機関への相談や出社の見合わせ及び経過観察
③ 体調異変や感染が確認された場合の支援体制の整備
④ 感染リスクを抑え、3密を避けるための対応
a.可能な限りのテレワークの実施
b.時差出勤の実施
c.就業中のマスク着用とオフィス内の仕切り板の設置
d.会議室を利用したワークスペースの拡大
e.不急の出張の禁止
f.会議の縮小、テレビ会議の積極活用
⑤ 臨時休校や臨時休園になった学校や幼稚園等に通う子供を持つ従業員や妊娠中または配偶者が妊娠中の従業員
に対する特別有給休暇制度の整備