有価証券報告書-第76期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:27
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府の経済政策等により、企業収益や雇用環境の改善傾向が見られ、緩やかな回復基調で推移したものの、中国をはじめとする新興国の景気減速、原油安の影響、米国景気回復の懸念および日銀によるマイナス金利の導入により、円高、株安が進行するなど、先行き不透明な状況が続いております。
情報ネットワークサービス産業においては、これまでのクライアントサーバシステムである“第二のプラットフォーム”が衰退しつつあり、“第三のプラットフォーム”※1がICT産業の枠を超え、全産業において企業の成長と市場拡大を支えるビジネス基盤へと進化を続けています。このような変化により、革新技術の核となる、IoT※2やインダストリー4.0※3などに対する投資や業種、業界を横断する協業が活発化し、新たな成長機会を迎えています。
日本に限らずグローバルな社会が抱える様々な課題に対して、当社グループが関連する情報ネットワークサービス産業に求められる役割や期待はかつて無いほど高くなっています。
このような環境のもと、当社グループ各社はそれぞれの強みを生かしたソリューションサービスを積極的に推進した結果、設備投資への需要の高まりもあいまって業績は堅調に推移いたしました。一部のシステム開発商談について仕損じが発生したものの、サービスビジネスへの取り組みに注力したことが奏功し、売上、営業利益ならびに経常利益のいずれも前年実績を上回ることができました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高1,056億19百万円(前期比0.3%増)、営業利益17億73百万円(同23.3%増)、経常利益18億51百万円(同13.3%増)を計上することができました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税法改正による繰延税金資産の取り崩しを約2億30百万円計上しましたが、7億17百万円(同53.7%増)を計上することができました。
当連結会計年度におけるセグメント別の状況は次のとおりです。
※1第三のプラットフォーム
クラウドサービス、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル等の技術
※2IoT
Internet of Things(モノのインターネット)
※3インダストリー4.0
第4次産業革命、情報技術を駆使した製造業の革新
情報ネットワークソリューションサービス

サーバ、パソコン等のプラットフォームでは、市場のコモディティ化により前連結会計年度比で売上、利益とも下回りましたが、システムインテグレーションならびにネットワークインテグレーションの両ビジネスがともに伸長いたしました。また、サービスビジネスについてはコンタクトセンターのシステム構築、サービス業向けLCMサービス、クラウドサービスを利用したワークスタイル変革ソリューションによりビジネス領域の拡大を図ったことで、売上、利益とも伸長いたしました。
業種別では公共、電力、鉄道、金融、製造等のお客さま向けにインフラの構築商談や各種ソリューションの提供と運用サービスを中心に推進いたしました。流通、製造、食品等のお客さま向けにはアプリケーション開発を中心としたソリューションビジネスおよびサービスビジネスを積極的に推進いたしました。
また、製品別では自社開発の中堅市場向けテンプレート型商品※「KitFit(キットフィット)シリーズ」において市場(いちば)とシネマ向けの業務ソリューションが好調に推移いたしました。
この結果、情報ネットワークソリューションサービスは売上高782億74百万円(前期比0.5%増)、営業利益15億94百万円(同37.7%増)となり、前年実績を上回ることができました。
※テンプレート型商品
業務ソフトウエアをパターン化したもの
電子デバイス

半導体ビジネスは、中国の景気減速による設備投資需要の減少によりFA機器向けカスタムLSI、マイコン、メモリの販売が減少いたしました。一方、車載情報機器向けLCDは、海外において採用車種が増加したことによる需要拡大により好調に推移いたしました。
電子機器ビジネスは、産業機器向けHDDの主要顧客の需要減少に加え、インフラ機器向け組込サーバの国内案件が減少したことにより売上が減少いたしました。利益面では、国内の売上減少や電子機器ビジネスにおける前連結会計年度の高収益案件の反動により前年実績を下回りました。
この結果、電子デバイスは売上高255億82百万円(前期比0.9%増)、営業利益1億82百万円(同36.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが19億3百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが5億86百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが8億96百万円の支出となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比較し3億73百万円増加し、150億34百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは19億3百万円の収入(前年同期は18億33百万円の収入、前年同期比3.8%増)となりました。この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益が14億48百万円(前年同期は17億84百万円、同18.8%減)、減価償却費12億76百万円(前年同期は10億56百万円、同20.8%増)等であり、主な減少要因は、売上債権の増加額2億31百万円(前年同期は14億67百万円の減少)、仕入債務の減少額9億59百万円(前年同期は11億8百万円の減少、同13.5%減)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは5億86百万円の支出(前年同期は4億68百万円の収入)となりました。この主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入8億58百万円(前年同期は14億18百万円の収入、前年同期比39.4%減)等であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出12億9百万円(前年同期は11億51百万円の支出、同5.0%増)等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは8億96百万円の支出(前年同期は7億87百万円の支出、前年同期比13.9%増)となりました。この主な増加要因は、借入金の増加(純額)65百万円(前年同期は56百万円の増加(純額)、同16.6%増)等であり、主な減少要因は、リース債務の返済による支出8億86百万円(前年同期は7億61百万円の支出、同16.4%増)等であります。