有価証券報告書-第77期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:43
【資料】
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【項目】
91項目

研究開発活動

当社は、研究開発部門でも益々多様化するニーズに応えるべく、関連する各分野で幅広く研究を行い、技術の確立と新技術の開発に努めております。また、異業種、大学等の研究機関、公共機関との共同研究も積極的に推進しております。なお、当事業年度における研究開発費は1億35百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(建築事業、土木事業)
a ビオ・セル・ショット工法の在来種への適用
ビオ・セル・ショット工法において現在使用している苗は、そのほとんどが外来種となっていることから、日本固有の在来種を用いた工法(在来種の選別、施工方法の改善)として確立し、より汎用性の高い工法とするための開発を行っております。開発はグラウンドカバープランツ緑化研究会を中心に行い、有望種(チガヤ)を用いた実証試験後、現在は経過調査と植生調査を実施しております。
b 防波堤ケーソン背面へのシェルナース基質設置実験
シェルナース工法とは、廃棄処分されてきたカキ・ホタテガイ・アコヤガイなどの貝殻を有効利用して、防波堤や護岸などの港湾・海岸施設に取り付けることで、生物の生息環境(摂餌場・隠れ場・産卵場・保育場)を付加し、水質浄化や生物多様性の向上を図り、豊かな海洋環境を育てるものです。当社は貝殻利用研究会に入会してその普及に努めております。
実際の防波堤ケーソンの直立面にシェルナースを設置し、約2年間のモニタリング調査を実施しましたが、海藻類、小型動物、魚介類の着生の向上がみられ、生物多様性の向上などの優れた効果が確認されました。
c ニューマチックケーソン工法関連技術
・作業気圧低減方策の開発
ニューマチックケーソン工法における施工限界は、現状技術では函内気圧0.69MPaでありますが、掘削深度が深くなっても函内気圧を0.69MPa以下に抑えることができれば、100m以上の超大深度施工も可能となります。このため、圧気以外の方法で地下水の流入を抑える方法として止水技術を考案し、止水性能の確認を目的として要素実験を実施しました。
・超大深度施工技術の開発
函内気圧0.69MPaを超える超大深度施工に向けて、ヘリウム混合ガスシステムのバージョンアップ、函内設備の耐圧性能向上、掘削機のメンテナンスフリー化、掘削機の回収システムなどの可能性調査を実施し、実用化に向けた開発を行っております。
d 地震対策技術
当社で独自に開発したスマート制震システムを改良し、外付けフレームと建物の接続用として、新たに「ピン支承型ディスクアンカー」と「プレミアムアンカー」を開発し、現在工事への適用を行っております。
e その他
その他の主な研究開発テーマを下記に示します。
・液状化対策工法に関する共同研究
・ダム堆砂対策実証実験に関する共同研究
・ケーソンの周面摩擦力の予測手法の開発
f 特許に関する事項
当事業年度の特許登録は5件、特許出願は4件であります。
当事業年度における建築事業及び土木事業の研究開発費の金額は,1億35百万円であります。