有価証券報告書-第2期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 16:38
【資料】
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【項目】
131項目

研究開発活動

当社グループは、常に「社会の一員としてひとりひとりの価値創造を活かし、豊かな未来の実現に貢献する」を基本理念として、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいる。
当連結会計年度における研究開発への投資総額は約18億円(消費税等抜き)である。
セグメントごとの内訳は、土木事業約6億円、建築事業約7億円及びその他社外からの受託研究約3億円であり、主な研究成果等は次のとおりである。
(土木事業)
掘削発破を利用した切羽前方探査システム『トンネル フェイステスター』を開発
~迅速な切羽前方探査と適切な支保工の選定~
当社は、弾性波の起振源として通常の掘削作業における発破を用いることで、施工サイクルに影響を与えず、安全かつ迅速に、トンネル坑内で「弾性波探査」および「切羽前方探査」が可能となる『トンネル フェイステスター』を開発した(特許:第5587960号)。
山岳トンネルにおける事前の地質調査では、ボーリング調査や弾性波探査などが実施され、その結果に基づき、トンネルの支保パターンが設計されるが、このような地質調査は地表面からの調査が基本であり、実施箇所や実施数量も限られる。さらに弾性波探査については、土被りが大きい場合や複雑な地質構造の場合、探査精度が低下することが知られている。このため、通常は、トンネル掘削時に目視観察による切羽評価を行い、設計支保パターンの妥当性を確認する。
しかし、これまでの切羽観察は定性評価であることから、評価結果が観察者の熟練度に左右されるという課題があった。さらに、前述したような事前の調査不足や探査精度の低下が想定される場合には、施工時に行われる切羽前方探査が重要となる。これに対し、既往の切羽前方探査としては、調査ボーリングが最も確実な方法であるが、特に長尺ボーリングの場合には、掘削を中断する時間が長くなるという課題があった。
本システムは、発破母線に取り付けた「①電流センサ」から得られる発破信号(トリガー)と「②地震計」から得られる弾性波データを、「③集約器」を通じて同期収録する「④記録器」から構成される、安価でコンパクトなシステムである。連続的に得られたデータを解析することにより、施工を止めずに“切羽近傍の弾性波速度の把握”、“切羽前方の断層位置などの予測”が可能となった。
現在、当社が数多く手掛ける山岳トンネルにおいて、施工管理ツールとしての標準化を進めている。現在施工中の整備新幹線や、今後計画されている高速鉄道トンネル、および大土被りの長大トンネルなどへ本システムを適用していきたいと考えている。
(建築事業)
安藤ハザマ型BIMワークフローの実現
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とは、実際の建物を建設するのと同じように、コンピューター上で3次元モデルを組み立てながら設計や施工の情報を活用していく、新しい建設マネジメントの手法である。
これまでの設計や施工では、一般的に2次元の図面が用いられており、線や文字によって建物の形や大きさ、材質などを表現していた。この2次元図面から立体的な建物の構成や詳細を理解するには、長年の経験で培われた想像力が頼りであった。
しかし、設計の初期段階からBIMを活用することで、意匠や構造だけでなく設備も統合した3次元モデルとして把握することができ、専門外の人でも実際に建物を自分の目で直接確認するかのように、設計の全容を「見える化」して把握することが可能となる。
また、BIMにより設計や施工を行うと、外装や内装などの意匠や鉄筋、鉄骨などの構造、電気、空調、衛生設備などの建物を構成するあらゆる情報を3次元の建物モデルと関連づけることが可能となる。その結果、BIMではビジュアルな3次元モデルとして建物を表現するだけでなく、仕上げや配筋情報など、従来は個別に記載されていた情報をBIMのモデルに一元的に統合する、いわば「建物のデータベース」としての機能・役割を持つことが可能となり、これによって様々な建築生産の段階におけるBIM活用の幅がさらに広がる。
当社は現在、「見える化」「データベース化」といったBIMの効能を最大限活用するため、「BIM概算システム」の開発に注力している。このシステムの特徴は、積算のデータベースをBIMのデータベースと連携させるシステムとしたことにある。これにより、設計段階で数量把握のレスポンスと精度が向上し、コスト的にも最適化された設計が可能となる。このBIM概算システムは、2015年度から実際の運用を開始する準備を進めている。
当社では、このBIM概算システムを軸とした『安藤ハザマ型BIMワークフローの実現』に向けた取り組みを通じて、お客様満足度のさらなる向上に努めていく。
(グループ事業)
当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていない。
(その他)
当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っている。