有価証券報告書-第3期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
研究開発活動
当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいる。
当連結会計年度における研究開発への投資総額は約21億円(消費税等抜き)である。
セグメントごとの内訳は、土木事業約6億円、建築事業約8億円及びその他社外からの受託研究約6億円であり、主な研究成果等は次のとおりである。
(土木事業)
「地質情報CIM管理システム」を開発し、運用を開始
-地質情報・計測データを3次元モデル上で一元管理-
山岳トンネルやダムなど、山岳土木の施工に際しては、地質に関する様々な検討を調査・設計段階で実施するとともに、施工時には実際の地質状況を詳細に確認・評価し、所要の施工品質を確保する。これらの業務を高度化・自動化・省力化するために開発したのが、「地質情報CIM管理システム」である。本システムについては、実際の現場(トンネル13現場、ダム1現場、造成3現場)に適用し、運用時に現場のニーズに基づく改良を加えた上で、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録を完了した(登録番号:KK-110010-A)。
具体的な開発内容は、次のとおりである。
[山岳トンネルの場合]
・切羽写真の3次元配置や覆工コンクリート打設記録など、施工情報の一元管理を可能とした。
・地表面変位や地下水位などの計測データの3次元表示を実現した。
[ダムの場合]
・堤体基礎掘削のり面を対象にしてCIMを適用し、地質ごとの掘削数量などの自動算定を可能とした。
・地表面変位や地下水位などの計測データの3次元表示を実現した。
今後は、施工現場と遠隔に離れた本社・支店技術部門との連携強化をICTの活用により本格化する。CIMを用いてリアルタイムに多様な施工状況の情報を共有し、現場の課題に即時に対応できる仕組みの構築を進める。
(建築事業)
APRSS(エープラス)構法の適用範囲を拡大し、コストダウンを実現
-建築技術性能証明を再取得-
混合柱梁接合構法「APRSS(エープラス)構法」は、柱部材を鉄筋コンクリート(RC)造としながら、鉄骨(S)造または鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁を組み合わせるハイブリッド構法である。本構法のいっそうの合理化のために適用範囲拡大の改定を行い、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第07-04号 改定2)を再取得した。
従来の鉄筋コンクリート造は、圧縮耐力や剛性が高いという特徴があるが、部材重量が重くなるため適用建物は比較的スパンの短い建物に制限される。一方、鉄骨造は軽量で耐力が高いことから大スパンの建物に適しているが、鋼材はRCに比べると高価であり、また柱鉄骨の納期に時間が掛かるという課題がある。APRSS構法は、物流倉庫や生産・商業・病院施設など広い空間を必要とする建築物を対象とした構法であり、S造よりも経済的で構造性能の優れる構造形式を実現できる。
今回の開発では鉄骨ブレースの併用を可能とした。建築物のスパンや積載荷重などに応じて鉄骨ブレースを適所に配置することで、柱・梁の断面寸法や鉄筋の使用量を適切に抑え、コスト削減を図ることができる。また、軽量な屋根を支持する最上階などでは、RC造と比べて経済性に優れる小断面のS造柱が採用できるようになった。さらに、梁を柱幅方向に偏芯させて接合することを可能とし、外壁を取り付けるための金物や外周に跳ね出したスラブを受けるための補強材の大幅な削減を図れる。
当社はAPRSS構法をはじめとするハイブリッド構法について、1997年以来、12件の適用実績がある。今後、さまざまな大スパン建築物の建設において、ハイブリッド構法を積極的に提案してさらなる普及展開を図るとともに、いっそうの技術改良を目指す。
(グループ事業)
当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていない。
(その他)
当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っている。
当連結会計年度における研究開発への投資総額は約21億円(消費税等抜き)である。
セグメントごとの内訳は、土木事業約6億円、建築事業約8億円及びその他社外からの受託研究約6億円であり、主な研究成果等は次のとおりである。
(土木事業)
「地質情報CIM管理システム」を開発し、運用を開始
-地質情報・計測データを3次元モデル上で一元管理-
山岳トンネルやダムなど、山岳土木の施工に際しては、地質に関する様々な検討を調査・設計段階で実施するとともに、施工時には実際の地質状況を詳細に確認・評価し、所要の施工品質を確保する。これらの業務を高度化・自動化・省力化するために開発したのが、「地質情報CIM管理システム」である。本システムについては、実際の現場(トンネル13現場、ダム1現場、造成3現場)に適用し、運用時に現場のニーズに基づく改良を加えた上で、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録を完了した(登録番号:KK-110010-A)。
具体的な開発内容は、次のとおりである。
[山岳トンネルの場合]
・切羽写真の3次元配置や覆工コンクリート打設記録など、施工情報の一元管理を可能とした。
・地表面変位や地下水位などの計測データの3次元表示を実現した。
[ダムの場合]
・堤体基礎掘削のり面を対象にしてCIMを適用し、地質ごとの掘削数量などの自動算定を可能とした。
・地表面変位や地下水位などの計測データの3次元表示を実現した。
今後は、施工現場と遠隔に離れた本社・支店技術部門との連携強化をICTの活用により本格化する。CIMを用いてリアルタイムに多様な施工状況の情報を共有し、現場の課題に即時に対応できる仕組みの構築を進める。
(建築事業)
APRSS(エープラス)構法の適用範囲を拡大し、コストダウンを実現
-建築技術性能証明を再取得-
混合柱梁接合構法「APRSS(エープラス)構法」は、柱部材を鉄筋コンクリート(RC)造としながら、鉄骨(S)造または鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁を組み合わせるハイブリッド構法である。本構法のいっそうの合理化のために適用範囲拡大の改定を行い、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第07-04号 改定2)を再取得した。
従来の鉄筋コンクリート造は、圧縮耐力や剛性が高いという特徴があるが、部材重量が重くなるため適用建物は比較的スパンの短い建物に制限される。一方、鉄骨造は軽量で耐力が高いことから大スパンの建物に適しているが、鋼材はRCに比べると高価であり、また柱鉄骨の納期に時間が掛かるという課題がある。APRSS構法は、物流倉庫や生産・商業・病院施設など広い空間を必要とする建築物を対象とした構法であり、S造よりも経済的で構造性能の優れる構造形式を実現できる。
今回の開発では鉄骨ブレースの併用を可能とした。建築物のスパンや積載荷重などに応じて鉄骨ブレースを適所に配置することで、柱・梁の断面寸法や鉄筋の使用量を適切に抑え、コスト削減を図ることができる。また、軽量な屋根を支持する最上階などでは、RC造と比べて経済性に優れる小断面のS造柱が採用できるようになった。さらに、梁を柱幅方向に偏芯させて接合することを可能とし、外壁を取り付けるための金物や外周に跳ね出したスラブを受けるための補強材の大幅な削減を図れる。
当社はAPRSS構法をはじめとするハイブリッド構法について、1997年以来、12件の適用実績がある。今後、さまざまな大スパン建築物の建設において、ハイブリッド構法を積極的に提案してさらなる普及展開を図るとともに、いっそうの技術改良を目指す。
(グループ事業)
当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていない。
(その他)
当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っている。