有価証券報告書-第17期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 16:18
【資料】
PDFをみる
【項目】
171項目

研究開発活動

当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発への投資総額は約26億円(消費税等抜き)です。
セグメントごとの内訳は、土木事業約8億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約2億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。
(土木事業)
4K定点カメラ映像による工事進捗管理システム
-映像の3D化と建機検出AIにより工事進捗を見える化し、生産性向上を実現-
当社を代表者とする「映像進捗管理システム開発コンソーシアム」は、建設現場の進捗管理を効率的に行うための「4K定点カメラ映像による工事進捗管理システム」を開発しました。
本システムのコアとなる「映像進捗管理システム」は、主に次の4つの機能を統合したものです。①映像にCIMモデル等の3Dデータを重畳表示、②映像上から任意地点の距離や面積を瞬時に算出、③建機検出AIにより稼働中のダンプ等を識別し進捗レポートを作成、④映像からオルソ画像(俯瞰画像)を作成。統合された情報はブラウザを介してどこからでも利用できます。
本システムは防潮堤の盛土工事で試行され、建設現場の進捗管理が効率的に行えることを確認しました。なお、本システムの開発・試行は、国土交通省の2019年度「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」(PRISM)で実施したものです。
(建築事業)
広域建物全体の省CO₂化プロジェクト
「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクト」実証開始
当社は、日本が抱えるエネルギー問題の解決に向けた取り組みの一つとして2018年9月に「安藤ハザマ 次世代エネルギープロジェクト」に着手し、2020年4月から実証試験を開始しています。
本実証では、当社技術研究所をはじめ遠隔敷地にある複数の需要拠点(広域建物)において3つの実証試験を進めます。①CO₂フリー水素(注)を燃料として利用可能な燃料電池、ガスエンジン発電設備によるコージェネレーションシステム等を組み合わせた発電プラントを設置し、発生する熱は、同敷地の宿泊施設等へ供給します。②同技術研究所の本館棟で、既往の省エネルギー技術の活用によりエネルギー需要を縮減し、この縮減分を広域へエネルギー融通します。③上記プラントによって発電される省CO₂電力を、自己託送制度により複数の広域需要拠点に送電します。こうして、3施設で利用される「電気」、「熱」を総合管理し、異なる建物用途(研究所、工場、工事現場)の需要予測を行うとともに、コージェネレーションプラントを精度良く供給調整します。これらのデータを取得・検証・改善していくことで、最適な省CO₂エネルギーマネジメントの確立を目指します。当社は、本プロジェクトを通じて、低炭素社会およびサステナブルな社会の実現に貢献していきます。
(注)CO₂フリー水素:・ 製造時における温室効果ガス排出量の少ない水素
・ CO₂の排出量を大幅に低減された方法で製造された水素
・ 製造段階でのCO₂排出量に着目し、より環境性が高いと認められる水素

(グループ事業)
当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。
(その他)
当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。