有価証券報告書-第8期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 16:16
【資料】
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【項目】
156項目

研究開発活動

当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発への投資総額は約28億円(消費税等抜き)です。
セグメントごとの内訳は、土木事業約10億円、建築事業約14億円及びその他社外からの受託研究約3億円であり、主な研究成果等は次のとおりです。
(土木事業)
幅広い地質性状に対応した無水削孔ボーリング技術の開発
現在、高速道路の山岳トンネルで大規模なリニューアル工事が進められています。山岳トンネルでのボーリング作業では、従来、削孔するために水を用いた削孔方法が一般的に用いられています。しかし、膨張性地山などでは、削孔するための水が地山を乱すため、無水での削孔が有効と考えられます。また、削孔対象となる地山は、地質状況や地下水位が異なることが想定されます。そこで、当社は基礎工事専門会社と共同で、幅広い地質性状に対して、無水で削孔できるボーリング技術を開発しました。供用中の高速道路リニューアル工事等への適用を視野に入れ、一般車両への影響に配慮した機動性に優れた超小型削孔機と、コンパクトに車載した設備を使用して、限られた空間内での効率的な作業を実現しました。本技術は、エアーとボーリングロッドに取り付けたスクリューによる無水削孔と、削孔機がさまざまな姿勢でボーリング作業できることが大きな特長です。今後、供用中の高速道路トンネル内の盤ぶくれ対策を中心に、高速道路リニューアル工事等へ本技術の適用を目指していきます。
(建築事業)
ZEB Ready認証およびCASBEEスマートウェルネスオフィス認証最高ランクを取得
-新電元工業 朝霞事業所プロジェクト-
当社は2021年2月に完成の「新電元工業 朝霞事業所プロジェクト」において、エネルギー削減率52%でZEB Readyの認証を取得、また、 CASBEEスマートウェルネスオフィス認証で最高のSランクを取得しました。CASBEEスマートウェルネスオフィス認証とは、建物内で働く人たちの健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取り組みと、知的生産性の向上に資する要因や、安全・安心に関する性能の評価に加え、総合環境性能評価(CASBEE-建築)による評価も確認し、認証されるものです。当建物の基本性能として外周(外壁・窓等)の断熱性能を強化するとともに、アトリウムを中心に自然エネルギーを活用した省エネ技術の採用とコミュニケーション・健康行動を誘発する計画としています。また設備面では、二重床に高効率空調機からの空気を送風して吹出口から吹き出すことでエネルギー消費を抑制しながら快適・クリーンな居住環境を維持する空調システム、視覚効果を解析することで照度を抑えて最適な明るさを提供する照明システム等により、省エネと知的生産性の向上を実現する計画としています。
(グループ事業)
当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。
(その他)
当社が保有する高度技術ならびに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。