有価証券報告書-第76期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/15 11:48
【資料】
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【項目】
132項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市況変動リスク
当社グループは食肉及び食肉加工食品を中心に扱っており、販売用食肉、ハム・ソーセージ、調理加工食品などの原材料となる畜産物の日本国内及び海外の相場変動によるリスクを受けます。
特に、BSE、鳥インフルエンザ及び口蹄疫等の獣疫の発生や輸入豚肉、輸入牛肉を対象としたセーフガード発動等により仕入数量の制限や仕入価格の上昇が考えられ、また需給バランスの崩れや消費者ニーズの変化等により販売価格が下がるリスクがあります。
さらに、食肉を供給する生産飼育事業においては、畜産物相場に加え飼料価格の変動も受けます。また、包装資材などの調達費や運送費等は原油価格等の変動の影響を受けます。従いまして、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動
当社グループは、海外から外貨建ての輸入業務を行っており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があります。
また、外貨建てで作成されている海外連結子会社の財務諸表を円貨に換算する際の換算差額によって、連結財務諸表の株主資本が外貨換算調整勘定を通じて変動するリスクがあり、これら為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)金利の変動
当社グループは必要資金の一部を有利子負債で調達しており、将来的な金利上昇局面においては資金調達における利息負担の増加により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争
食肉及び食肉加工品を含む食肉業界ならびに調理加工食品等の食品業界における競争は大変厳しいものとなっております。また、小売・外食等での販売競争も熾烈となっており、当社グループは、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面すると予想されます。
当社グループは、安全・安心はもとより、高品質で高付加価値の製品を送り出すリーディングメーカーの一社であると考える一方で、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
高付加価値と低価格との二極化の中で、当社グループは、低コスト・低価格の競合先に対して市場シェアを維持もしくは拡大し、収益性を保つことができない可能性があります。
(5)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループの生産及び販売活動の一部は、欧州、アジア、オセアニア、米国等の日本国外で行われております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③人材の採用と確保の難しさ
④潜在的に不利な税影響
⑤テロ、戦争、伝染病等の要因による社会的混乱
当社グループは、競争力のある製品の製造と原料肉の調達とコスト削減のために、海外における生産及び原料と食肉の調達の規模拡大を続けてまいりました。しかし、それぞれの国における政治または法環境の変化、天候不順、飼料価格の高騰、経済状況の変化など、予期せぬ事象により生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。従いまして、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産保護の限界
当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。
また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密の模倣を防止できない可能性があります。さらに、当社グループの将来の製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。
(7)製品の欠陥
当社グループは、世界中の工場と肥育場で、世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品の製造や牛・豚の肥育をしております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(8)他社との提携等の成否
当社グループは、技術開発の一環として、経営資源を最適化し、技術の集約による相乗効果を利用するために、コラボレーション、技術提携や合弁の形で多くの他社と共同での活動を行っております。
当社グループは、引き続きこのような機会を前向きに活用する予定であります。しかし、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、効果的な開発による結果を享受できず、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(9)公的規制
当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税や獣疫等によるその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。
また、通商、独占禁止、食品衛生、下請、特許、消費者、租税、証券取引、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。
また、規制を遵守できなかった場合は、コストの増加につながる可能性があります。従いまして、これらの規制は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害や停電等による影響
当社グループは、製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っております。しかし、生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。
例えば当社グループの主力製品は、現在千葉県柏市、兵庫県西宮市、愛知県豊橋市、佐賀県基山町等で製造しており、該当地域での大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社製品の生産能力が著しく低下する可能性があります。
(11)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)食品の安全性
食品の安全性がますます強く求められる中、当社グループでは、国際的に認められている管理基準を取得し、品質保証部による厳しい品質管理体制のもと製品の安全性と品質の確保に万全を期しております。
しかしながら、当社グループにおいても、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示など、消費者に健康被害を及ぼす恐れのある製品事故が発生する可能性があるほか、当社グループの取り組みの範囲を超えた品質問題等が発生した場合や、その対応に遅れ・誤りがあった場合には、当社グループの評価が低下し、売上高の減少や多額のコスト発生などにより、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)経済情勢等による影響
当社グループは国内のみならず、欧州、アジア、オセアニア、米国においても幅広く事業を展開しておりますが、それら地域における将来の景気後退または減速などの経済不振は、当社グループの商品に対する購買力や消費者需要に悪影響を及ぼす可能性があります。低迷する経済情勢の下では、消費者の買い控えや低価格帯商品を志向する可能性があります。日本その他の主要市場における当社グループ商品に対する需要が減少した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)情報セキュリティー
当社グループは、取引の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成などを正確かつ効率的におこなうため、情報システムを利用しており、セキュリティー、バックアップ及び災害復旧に係る対策を講じております。
また、情報の取り扱いについては、「情報セキュリティポリシー」のもと、個人情報や機密情報の安全管理と漏洩防止、情報セキュリティー遵守意識の維持・向上及び情報システムの安全かつ円滑な稼働の堅持、適切なセキュリティー対策を実施しております。
しかしながら、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、ハードウェア・ソフトウェア・設備・遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、新種のコンピューター・ウイルス感染、ハッキング、悪意をもった不正アクセス、その他セキュリティー上の問題または外部業者の債務不履行に起因する障害または不具合など予測の範囲を超える事態により、情報の漏洩、情報システムの一定期間の停止等が生じる場合があります。
これらの事由が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)疫病の発生
当社グループは国内のみならず、欧州、アジア、オセアニア、米国においても幅広く事業を展開しておりますが、それら地域におけるBSE、鳥インフルエンザ及び口蹄疫等の獣疫の発生は、原材料の供給、当社の商品の販売に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。