有価証券報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 13:41
【資料】
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【項目】
111項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動につきましては、砂糖事業・フードサイエンス事業を中心とする当社事業の更なる拡大発展とこれら事業を核とする新規領域への展開を引き続き実施いたしました。なお、当連結会計年度にかかる研究開発費用の総額は1,016百万円であります。
主な内容は、以下の通りであります。
砂糖事業
砂糖事業に関する研究開発活動としては、加工糖、甘蔗糖またはてん菜糖を製造販売する連結子会社・関連会社を活用した砂糖新商品開発とその用途開発に取り組んでおります。また、北海道糖業㈱においては、てん菜の生産性向上を目的として農業技術の試験研究を、タイ国製糖事業関連では、調査研究で解明したタイ国東北部のさとうきび少収原因に基づき、栽培改善試験や農業機械改良試験を実施いたしました。
フードサイエンス事業
フードサイエンス事業に関する研究開発活動は主にパラチノースとさとうきび抽出物に関する取り組みを行っております。
パラチノースは、血糖値上昇抑制等の効果より、生活習慣病予防の有望な素材と位置付け、研究開発及びパブリシティー活動を積極的に推進しており、機能性表示制度を視野に入れ、新たな生理機能に関する臨床試験や共同研究を実施いたしました。また、パラチノースの新製法を確立し、スポーツ分野への応用についても共同研究を実施いたしました。なお、本年3月に機能性表示食品制度の関与成分としてパラチノースなどの一部の糖類・糖質が認可されました。
さとうきび抽出物に関しては、呈味改善、環境消臭、飼料または黒糖香気用製品のそれぞれの用途開発や機能性研究を進めております。新規領域では、免疫調節、抗ストレスに着目した機能性開発を産学共同で取組んでおります。また、少子高齢化社会の課題解決に繋がる機能性について試験を実施し、数種類の効果が確認されました。
連結子会社の㈱タイショーテクノスにおいては食品添加物、色素及び除菌剤・防腐剤について、ニュートリー㈱においては栄養療法食品及び嚥下障害対応食品についてそれぞれ製剤開発・商品開発に取り組んでおります。また、グループ各社と連携して各社製品を活用した商品開発を進めております。
その他
新たな事業領域に向けた研究開発活動では、さとうきび搾りかす(バガス)の高度利用に取り組んでおります。NEDO委託事業として実施中のタイ国におけるバガス原料セルロース糖製造事業では、ポリフェノールについて機能探索試験を行い、数種類の新たな機能を見出しました。
また、これまで蓄積してきた特許、ノウハウ等の知的財産権を有効利用すべく検討を進めております。