有価証券報告書-第93期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 13:00
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、中国をはじめとする新興国経済の減速など国際情勢の影響により、輸出の弱含み、個人消費の回復遅れなどがみられたものの、良好な企業収益を背景とした雇用・所得環境の改善など、景気は総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。
しかしながら、精糖業界においては、依然として加糖調製品、異性化糖及び他の甘味料の浸食などにより、厳しい事業環境が続いております。
この様な経済環境の中で当社グループは、品質管理の徹底を図り、顧客満足度を高め、主力製品である砂糖では製品の安定供給に取り組んでまいりました。また、機能性食品では高付加価値提案型の販売活動に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高19,312百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益959百万円(同48.5%増)、経常利益958百万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は623百万円(同9.7%増)の増収増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①精糖
精糖事業につきましては、売上高11,970百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益1,275百万円(同26.3%増)の減収増益となりました。
海外原糖市況は期初ニューヨーク先物市場12.00セント(1ポンド当たり)で始まり、その後、生産国の増産に伴う供給過剰感と生産国の通貨安が進み、およそ7年ぶりに最安値10.13セントまで下落しました。その後、砂糖の供給量が消費量を下回るとの見通しと主要生産国であるブラジルでの長雨による収穫の遅れから相場は反転し16.75セントの当期最高値を付けた後、15.35セントにて期末を迎えました。
一方、国内製品市況は期初東京現物相場186円(上白大袋1キログラム当たり)で始まり、海外原糖相場の下落により10月に製品出荷価格を2円引き下げたものの、2月には一転して海外原糖相場の上昇により4円の引き上げを行い、188円で期末を迎えました。
製品の荷動きについては新規清涼飲料向けは増えたものの、夏場の天候不順や秋口から年末にかけた低調な荷動きから菓子類、糖化製品、乳飲料向けが減少し、液糖や上白糖を中心に前年同期を下回る販売数量となりました。
しかしながら、販売数量は減少したものの、効率的な原料調達や生産コストの抑制に努めたことから営業利益は増益となりました。
②機能性素材
機能性素材事業につきましては、売上高6,741百万円(前年同期比10.2%増)、営業損失154百万円(前年同期 営業損失207百万円)の増収増益となりました。
機能性食品素材「イヌリン」は、タイの連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co.,Ltd.(以下、FTI社)からの本格輸入を開始し、既存・新規ユーザーの拡販を図ったものの、大手ユーザー向けが伸び悩んだ結果、販売数量は前年同期を若干下回り、減収となりました。利益面では前年に続き、FTI社製品の品質安定化に時間を要したことで減益となりました。
切花活力剤「キープ・フラワー」は、花卉業界全体が低迷する中、新製品「水揚促進剤 ハイ・スピード」の本格販売開始、既存製品のパッケージをリニューアルするなど販促活動を行った結果、増収増益をとなりました。
連結子会社ユニテックフーズ㈱におきましては、ゼラチンを中心とした天然添加物素材で積極的な販促活動を行い、菓子、乳製品ユーザー向け販売が好調に推移した結果、増収増益となりました。
③不動産
不動産事業につきましては、売上高600百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益525百万円(同1.0%減)の増収減益となりました。
売上高は既存所有物件の一部で賃料改定を行った結果、増収となったものの、小規模賃貸住宅の維持管理費などの費用が増加したため減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ616百万円増加し、2,808百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、1,452百万円(前年同期120百万円収入)となりました。これは主として、棚卸資産の減少等があったことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、347百万円(前年同期比81.8%増)となりました。これは主として投資有価証券の取得による支出が減少したものの、長期貸付けによる支出等があったことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、482百万円(前年同期比95.6%増)となりました。これは主として長期借入金の返済による支出等があったことによるものであります。