有価証券報告書-第168期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 12:39
【資料】
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【項目】
122項目

研究開発活動

当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は21億5千2百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が20億2千6百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が1億2千5百万円であります。
当連結会計年度は、中期経営計画に沿った開発体制の強化として、「高単価・高付加価値商品の創出」、「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」を推進いたしました。また、成長分野への取り組みとして「健康・栄養分野での食品機能の研究」に取り組みました。
(1)「高単価・高付加価値商品の創出」
菓子食品部門では、新しい価値を付与したキャラメルとして「ミルクキャラメル<ナッツ&フルーツ>」、ワンランク上の商品としてフルーツを具材として使用し、より本物感を味わえる「オトナハイチュウ<ビターオレンジ>」を発売いたしました。また、果肉(ドライフルーツ)を使い、美味しさと食感を特徴とした新感覚グミとして「角切り菓実<パイナップル>、<マンゴー>」を発売いたしました。「ハイチュウ」ブランドでは、通常品のリニューアルに加え発売40周年の取り組みとして多彩な味わいを楽しめる「謹製ハイチュウ」やチルドタイプである「驚愕のハイチュウ」等の開発に取り組みました。森永の上質なビスケットとして、「ステラおばさんのアーモンドクッキー」を発売し、“アントステラブランド”のラインナップの充実を図りました。食感にこだわったベイクとして「大人のくちどけベイク<ベリーのラムフランベ>、<クリーミーショコラ>」、小枝の美味しさを進化させた「小枝PREMIUM<大人のくちどけ>」を発売いたしました。チョコレートの美味しさにこだわった「ダース」においては「ダース<塩レモン>、<ピスタチオガナッシュ>」などの商品を発売いたしました。また、伸長する甘酒市場において、吟醸酒粕や富山県産コシヒカリ米麹等のこだわりの原料を使用した「吟醸甘酒」を発売いたしました。機能性表示食品制度を活用し、健康機能を付加した「カカオフラバノールスティック」を開発し、ココアで初となる“血圧が高めな方の健康な血圧をサポートするココア”を東北地区と通販限定で発売いたしました。またプレミックスでは、分かりやすく健康感が伝わり、かつ電子レンジで作ることが出来る簡便性をポイントとした「ブランブレッド<ほうれん草&コーン>、<バナナ>」を発売いたしました。
冷菓部門では、本格濃厚生チョコレートの味わいや食感にこだわり、チョコレートメーカーならではの独自技術を背景に、上質な生チョコレートを十分楽しめるワンランク上の味わい商品として「スプーンで食べる生チョコアイス」を発売いたしました。パリパリチョコとアイスの組み合わせ商品である「サンデーカップ」はこだわりのチョコ感をアップし、「ザ・クレープ」はクレープ生地のもちもち感を向上させる新配合で品質価値を向上させ、発売いたしました。
(2)「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」
菓子食品部門では、引き続き主力ブランドの品質向上に注力し、研究開発を行ってまいりました。「ハイチュウ」ブランドではエクステンションとして、チョコでハイチュウを覆った新食感ソフトキャンディ「チョコ玉ハイチュウ」を発売いたしました。「ベジタブルおっとっと」では野菜チップを加えて、より健康感のある商品へと品質改良を行いました。森永のコア技術の1つであるベイクドチョコ技術と半生ケーキの製造技術を活用し、濃厚な味わいとしっとり柔らか食感が特徴である大人向け菓子として「半熟ショコラ」を発売いたしました。
冷菓部門では、主力商品である「バニラモナカジャンボ」は、アイスクリームの風味を改良、モナカのサクサク食感向上と口どけ改良を行うことで、よりおいしさにこだわった品質に仕上げました。
健康部門では、当社が独自素材として開発したパッションフルーツ種子エキス“パセノール™(Passienol™)”を配合した化粧品「パセノール™ モイストジェル」を開発し、通信販売ルートで販売を開始しました。今後も、“パセノール™”の幅広い製品への応用を目指して積極的に取り組んでまいります。
(3)「健康・栄養分野での食品機能の研究」
食品の機能性研究としては、当社の独自素材“パセノール™”のアンチエイジング作用について大学等と共同研究を進め、“パセノール™”の血糖値降下作用や抗炎症作用のメカニズムについて国際学術雑誌に発表いたしました。また、SIRT1(長寿遺伝子)やUCP1(熱産生遺伝子)の誘導作用などについて国内の各学会や国際学会で発表いたしました。
また、甘酒の原料である“酒粕”や“米麹”の機能性について大学等と共同研究を進め、“酒粕”と“米麹”の組み合わせによる目のクマの改善作用や皮脂の抑制作用について国内外の学会で共同発表し、多くのメディアに取り上げられました。
機能性茶品種“べにふうき”については、2013年より3ヵ年計画で独立行政法人農業・食品産業技術研究機構の「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」に参画し、機能性研究について継続して取り組んでまいりましたが、無事に完了することが出来ました。今後は、得られた研究成果の応用について検討していく予定であります。