有価証券報告書-第72期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/28 11:22
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、金融緩和政策や各種経済政策を背景に円安と株価上昇が進行し、輸出関連産業を中心に景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、国内市場に目を向ければ、デフレの流れから完全に脱却したとは言えず、原材料価格やエネルギーコストが上昇する一方で、販売競争は激化し商品への価格転嫁がなかなか進まないという、厳しい環境が続いています。
製パン業界におきましても同様、政府売渡小麦価格が平成25年4月に、平均9.7%の大幅引き上げが行われ、鶏卵・包材・油脂等の原材料価格も高騰いたしました。また、電力を中心にエネルギーコストも上昇圧が続くなか、7月には業界各社が商品価格の値上げを発表したものの、根強い消費者の低価格志向から思うように単価のアップは進みませんでしたが、それでも、年後半には、高価格食パンが市場の話題に上るなど、景気回復を背景に高単価商品へ注目が集まるという明るい話題もありました。
このような環境下において、当グループでは基本方針に「全員の力で黒字化達成!」と「ルールの確認と徹底!」を掲げ、長年の赤字体質からの脱却と早期の営業黒字化に向けて取り組んでまいりました。
生産面におきましては、全工場で取り組んでいるTPS(Toyota Production System:トヨタ生産方式)の改善活動が定着してきた結果、品質の安定化と生産効率の改善が進み、製造原価を大幅に低減することができました。
商品開発におきましては、ボリューム感のある「マロンリング」等のミニリングシリーズ、明太子・きのこ・カレー・乳製品を使用した他社とのコラボレーション企画商品が、市場で好評を得ました。
キャラクター商品では、当社の主力品であるポケモンパンに続き、新たに発売した「獣電戦隊キョウリュウジャー」、「ドキドキ!プリキュア」の新キャラクターパンが売上の確保に貢献しています。
営業面におきましては、NB(ナショナルブランド)主力商品の定番化を進めると共に、質の良い売上の確保を目指して、優良取引先との取引拡大と、新規取引先の獲得にも努めました。
しかし、一部PB(プライベートブランド)商品においては、競合他社との間で採算を割るような激しい競争の結果、売上を失う場面もありましたが新規の取引先が増え、次期に向けての明るい成果もありました。
販売促進では、ひとくち包みシリーズ「沖縄旅行プレゼントキャンペーン」(平成24年9月1日~平成25年2月28日)、「名探偵コナン・待ち受け壁紙プレゼントキャンペーン」(平成25年4月1日~5月31日)、「ポケモン映画・親子ペアチケットプレゼントキャンペーン」(平成25年4月26日~6月30日)等のキャンペーンを実施いたしました。また、雑誌とタイアップして募集したポケモンのイラストを使用した商品の販売(平成25年1月1日~12月31日)、ポケモンカードゲームとタイアップしたカード入り商品の販売(平成25年2月1日~3月17日)等の他社と協力提携した企画も実施し、販売促進に努めてまいりました。
経理面においては、第1四半期連結会計期間より、機械及び装置の減価償却方法を定率法から定額法に変更いたしました。今後の設備投資は既存設備の維持更新投資が中心となり、長期安定的に稼働する状況が見込まれるため、耐用年数に亘り均等償却により費用配分を行うことが、機械及び装置の実態をより適切に反映できるものと判断したためです。この変更により、従来の方法によった場合に比べ、減価償却費が162百万円減少いたしました。
連結子会社におきましては、スリースター製菓㈱のOEM生産(Original Equipment Manufacturing:相手先商標製造)が好調に推移し、また㈱ベーカリープチのレストラン向けの商品も好調を維持したことから黒字となりました。㈱ファースト・ロジスティックスでは、グループ外取引の拡大に努めました。
以上の結果、当連結会計年度のパン部門の売上高は18,871百万円(前連結会計年度比143百万円の減少)、和洋菓子部門の売上高は3,770百万円(同28百万円の減少)、その他の売上高は2,056百万円(同77百万円の増加)となりました。よって売上高は24,697百万円(同94百万円の減少)となりました。営業利益は410百万円(同611百万円の改善)、経常利益は486百万円(同540百万円の改善)となりました。当期純利益につきましては、海外賃貸固定資産売却による固定資産売却益151百万円を計上したことから、前連結会計年度に比べて749百万円改善し519百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ777百万円増加し、2,179百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の資金収支は、減価償却費670百万円などにより736百万円の資金を得ることができました。
なお、前連結会計年度に比べ397百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の資金収支は、賃貸固定資産の売却による収入1,389百万円、有形固定資産の取得による支出272百万円などにより1,169百万円の収入となりました。
なお、前連結会計年度に比べ1,357百万円の収入の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の資金収支は、借入金の返済額等984百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出131百万円などにより1,135百万円の支出となりました。
なお、前連結会計年度に比べ696百万円の支出の増加となりました。