有価証券報告書-第179期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 15:12
【資料】
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【項目】
61項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況](1)[連結財務諸表]連結財務諸表注記」に記載のとおりであります。
(2) 当年度の経営成績の分析
① 売上収益
売上収益は、前年度から98億円増加(前年同期比0.5%増)して1兆8,637億円となりました。キリンビール㈱、メルシャン㈱、キリンビバレッジ㈱を中心とした日本綜合飲料事業は、キリンビール㈱でのビール類の販売数量の減少等などにより、前年度から106億円減少(前年同期比1.0%減)して1兆510億円となりました。ライオン社を中心としたオセアニア綜合飲料事業は、前年度から89億円減少(前年同期比2.5%減)して3,486億円となりました。ミャンマー・ブルワリー社を中心とした海外その他綜合飲料事業は、ミャンマー・ブルワリー社の主力商品「ミャンマービール」や現在のミャンマーの消費環境に即した低価格商品「アンダマン ゴールド」が大幅に販売数量を伸ばし、また、米国の清涼飲料事業の子会社であるCCNNE社※は、コカ・コーラグループによる北米のボトラー事業の再編に伴い、米国北東部における近郊テリトリーでの製造販売事業をコカ・コーラ リフレッシュメント社から譲り受け、事業範囲を広げたこと等により、前年度から290億円増加(前年同期比40.8%増)して999億円となりました。協和発酵キリン㈱を中心とした医薬・バイオケミカル事業は、医薬事業の海外各国での順調な売上に加え、アストラゼネカ社の契約一時金、マイルストン収入等により、前年度から53億円増加(前年同期比1.5%増)して3,467億円となりました。
※ CCNNE社:米国北東部で清涼飲料の製造販売事業を展開する完全子会社である、コカ・コーラ ボトリングカンパニー オブ ノーザン ニューイングランド社の略称です。
② 事業利益
事業利益は、国内綜合飲料事業では、キリンビール㈱でのRTD及びノンアルコール・ビールテイスト飲料の販売数量の増加に加え、キリンビバレッジ㈱をはじめ各事業会社で収益性改善の取り組みが進行したこと、また、医薬・バイオケミカル事業の増益等により、前年度から123億円増加(前年同期比6.8%増)して1,943億円となり、過去最高となりました。
③ 営業利益
営業利益は、資産の流動化等により前年度から145億円増加(前年同期比7.4%増)して2,111億円となりました。
④ 税引前利益
税引前利益は、持分法による投資利益の貢献等により前年度から256億円増加し2,338億円となりました。
⑤ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、ブラジルキリン社の株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の増加等により、前年度から931億円増加して2,421億円と、過去最高となりました。
(3) 当年度末の財政状態の分析
当年度末の資産合計は、現金及び現金同等物の増加、営業債権及びその他の債権、有形固定資産の減少等により前年度末に比べ237億円減少して2兆3,991億円となりました。
資本は、利益剰余金の増加等により、前年度末に比べ2,700億円増加して1兆2,292億円となりました。
負債は、営業債務及びその他の債務、社債及び借入金の減少等により前年度末に比べ2,938億円減少して1兆1,699億円となりました。
上記変動の主な要因は、ブラジル連結子会社売却によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年12月期2017年12月期
親会社所有者帰属持分比率(%)29.139.9
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)71.6108.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)316.6247.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)24.831.7

(注) 1 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
2 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
② 資金調達
調達コストとリスク分散の観点から、直接金融と間接金融を組合わせ、長期と短期のバランスを見ながら、低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
「4[事業等のリスク]」に記載のとおりです。