有価証券報告書-第179期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 15:12
【資料】
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【項目】
61項目

事業等のリスク

当社グループの事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しています。また、必ずしも重要な影響を及ぼすリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。なお、文中における将来に関する事項は、2017年12月31日現在において当社が判断したものです。
[A. 事業環境に関するリスク]
① 法令や規制・税制について
キリングループは事業の遂行にあたって、国内においては、酒税法、食品衛生法、薬機法、独占禁止法、環境諸法令等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。例えば、酒税や消費税の増税が実施された場合、価格の上昇により酒類、飲料等の消費が減少する可能性があります。薬機法及び関連政省令等の法令の改定が、医薬品開発の進捗に遅延を招くなど、医薬事業に影響を及ぼすことや、公定薬価制度による薬価引下げが、医薬事業の業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。その他、予測できない法令の改正が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、キリングループは、酒類を製造・販売する企業グループとして、社会的責任を果たすために、広告・宣伝活動にあたっても厳しい自主基準に基づき自ら規制を行っています。一方で、WHOにおいては、世界的な規模での酒類販売に関する規制が検討されており、当社グループの予想を大きく上回る規制強化が行われた場合、酒類の消費が減少し、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 為替・金利の変動について
キリングループは、原材料及び商品の一部を海外から調達しており、また、海外への事業展開も行っています。予測の範囲を超える急激な為替変動や、国内外の資金調達等における金利の変動があった場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料・エネルギー価格、物流費等の高騰について
キリングループの使用する主要な原材料(PETボトル、段ボール、麦芽、コーン、果汁等)や原油、電気といったエネルギー等には、その価格が市場の状況により変動するものがある他、配送ドライバー不足など物流を取り巻く環境が厳しさを増しており、調達、製造、輸送コスト等が上昇し、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 天候・気候変動・災害・感染症等について
キリングループは事業遂行にあたって、天候不順や冷夏、干ばつ、集中豪雨等の異常気象、その他の地球温暖化等の影響を受ける可能性があります。さらに地震等の大規模な自然災害や新型インフルエンザ等の感染症の流行や事故が発生した場合、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 資金調達について
キリングループは、事業資金を主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行等により調達しています。このため、金融市場の不安定化・金利上昇、また格付機関による当社グループの信用格付けの引下げの事態が生じた場合等には、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加する可能性、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 保有資産の価格変動について
キリングループの保有する株式等の資産価値が急激な株価変動等によって下落することにより、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 経済・市場環境の動向及び人口動態の変化について
キリングループは事業の遂行にあたって、景気等の経済状態による消費動向や人口動態の変化に大きく影響を受ける可能性があります。世界同時不況による消費不振や需要減退等が起きた場合、また、日本国内の少子・高齢化等により、市場全体の縮小等の変化が起こる場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 海外事業について
キリングループは、国内外で事業を展開していますが、主に海外において、以下のような事象が発生し、予測を超える影響を受けた場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ア) テロ・戦争やその他の要因による政治・経済・社会的混乱
(イ) 文化や慣習の違いに起因するトラブル
[B. 事業遂行に関するリスク]
⑨ 事業・資本提携について
キリングループは中長期の経営計画に沿い、成長に向けた競争力強化の一環として国内外他社との事業・資本提携を進めています。しかしながら、事業・資本提携においては、当社グループが提携先の経営、事業、資産に対して十分なコントロールができない可能性があり、また、提携先企業の事情等によっても事業遂行上の影響を受ける可能性があります。また、出資先企業の業績不振等により出資に伴うのれん等の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 人材について
キリングループでは、国内外で事業活動を行っており、様々な人種・国籍や文化を持つ従業員が働いています。その多様性を尊重し、価値創造を実現するための組織能力向上を目指しておりますが、事業活動に必要な高い専門性を持った人材を十分に確保・育成できないリスクがあります。また、労働安全衛生面において、関連法令の遵守はもとより、労働災害や事故等の未然防止を図っています。しかしながら、万が一これらの事態が発生した場合、事業活動に重大な影響を与え、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 製品の安全性について
キリングループでは、グループの自社工場で製造する製品や、製造委託工場・輸入品等の他社製造品について、品質保証マネジメントシステムにより、グループ全体での品質監査を実施する等、「食の安全」をお客様に提供するための品質保証に最大限の努力を払っています。しかしながら、品質保証の取り組みの範囲を超えて、予期し得ない品質問題等が発生した場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、医薬事業においては、グループの自社工場で製造する製品や他社から購入して販売する商品についても、厳しい品質管理基準や規格に適合するよう最大限の努力を払い、品質保証に取り組んでおります。しかしながら、品質保証の取り組みの範囲を超えて、大規模な製商品の回収や製造物責任賠償につながるような予期し得ない製品の欠陥等が生じた場合は、当社グループとしての社会的な信頼性に重大な影響を与え、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品は開発段階において厳しい安全性の評価を行い、所轄官庁の審査を経て承認されますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、新たに副作用が見つかることも少なくありません。市販後に予期していなかった副作用が発生した場合には、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 情報の漏洩・情報システムについて
キリングループは、グループ経営に関する重要情報を有しているほか、多数の法人・個人に関する機密情報を保持しています。これらの情報管理については、規定等を整備し、従業員に対する教育・研修等を通じた情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行う体制を整えています。また、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築しており、システムの安定的な運営確保のための対策を講じています。しかしながら、コンピュータウィルスによる感染や不正アクセス、自然災害の発生等により、情報の消失、漏洩、改ざん、情報システムの停止又は一時的な混乱が起こる可能性があります。また、これらの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 訴訟や罰金等の発生について
キリングループは、リスクマネジメントサイクルの定着や従業員啓発のための研修を通じたコンプライアンスの推進により、従業員の法令違反等の低減努力を実施しています。しかしながら、国内外の事業活動の遂行にあたって、当社グループ各社及びその従業員の法令等に対する違反の有無に関わらず、製造物責任・知的財産権・税務等の問題で訴訟を提起される、又は罰金等を科される可能性があります。訴訟が提起されること自体、あるいは訴訟の結果によっては、当社グループがお客様からの信頼を失い、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の他、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、設備投資・システム投資・研究開発投資に関するリスク、市場での競合に関するリスク等が考えられます。