訂正有価証券報告書-第79期(平成26年10月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2016/02/09 11:30
【資料】
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【項目】
130項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年1月4日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
① 売上高
食品類・酒類事業及び輸入食品類・酒類販売事業の売上が減少したこと等により、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ677百万円減少の24,425百万円(前期比2.7%減)となりました。
各セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
② 売上原価、売上総利益
売上高の減少及び原材料価格並びに輸入品仕入価格の高騰等により、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ669百万円減少の17,705百万円(前期比3.6%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ7百万円減少の6,720百万円(前期比0.1%減)で売上総利益率は27.5%となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
人件費の削減等により、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ154百万円減少の6,142百万円(前期比2.5%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ147百万円増加の578百万円(前期比34.1%増)となりました。
④ 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外損益は396百万円の費用(純額)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、受取保険金の増加等により、前連結会計年度に比べ1百万円増加の133百万円(前期比1.2%増)となりました。
当連結会計年度の営業外費用は、雑損失の増加等により、前連結会計年度に比べ18百万円増加の530百万円(前期比3.6%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ130百万円増加の181百万円(前期比255.8%増)となりました。
⑤ 特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別損益は57百万円の損失(純額)となりました。
当連結会計年度の特別利益は、関係会社株式売却益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ195百万円減少の12百万円(前期比93.8%減)となりました。
当連結会計年度の特別損失は、訴訟関連損失と特別調査費用が発生したこと等により、前連結会計年度に比べ45百万円増加の70百万円(前期比181.4%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ111百万円減少の123百万円(前期比47.3%減)となりました。
⑥ 法人税等、当期純利益
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度に比べ1百万円減少の46百万円(前期比3.6%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の当期純利益は、前連結会計年度に比べ109百万円減少の77百万円(前期比58.6%減)となりました。
(3) 財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金が1,318百万円増加、商品及び製品が501百万円並びに仕掛品が377百万円減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ383百万円増加し12,007百万円となりました。固定資産は、退職給付に係る資産が176百万円増加、有形固定資産が112百万円並びに無形固定資産が207百万円減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ163百万円減少し11,059百万円となりました。
その結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ210百万円増加し23,069百万円(前期比0.9%増)となりました。
② 負債
当連結会計年度末の流動負債は、1年内償還予定の社債が912百万円、短期借入金が300百万円並びに支払手形及び買掛金が164百万円減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ1,465百万円減少し15,763百万円となりました。固定負債は、社債が132百万円並びに長期リース債務が113百万円減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ217百万円減少し2,051百万円となりました。
その結果、当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度に比べ1,683百万円減少し、17,814百万円(前期比8.6%減)となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、第1回及び第2回新株予約権の行使並びに第三者割当増資に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ884百万円増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ1,893百万円増加し5,254百万円(前期比56.4%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び預金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,318百万円増加し2,263百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益123百万円、減価償却費が326百万円及びたな卸資産の減少額が947百万円あったこと等から1,154百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度と比べては、たな卸資産が減少したこと等から922百万円の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が142百万円あったこと等から105百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度と比べては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入及び有形固定資産の売却による収入が減少したこと等から413百万円の支出増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出が1,044百万円あったものの、新株予約権の行使による株式の発行による収入が1,437百万円があったこと等から266百万円の収入となりました。前連結会計年度と比べては、新株予約権の行使による株式の発行による収入が増加したこと等から1,030百万円の収入増加となりました。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、総合アライアンスとして、それぞれの強みを持った食品関連企業が集まり、より強固な企業体としてともに成長・発展を目指します。一つ一つの企業では不可能であった事業を実現し、更なる強みが発揮できることを目的として掲げております。
当社グループが持つ3つのプラットフォーム「プロダクトプラットフォーム」「ビジネスプラットフォーム」「デベロップメントプラットフォーム」を最大限に活かして、安定的な成長と企業価値増大を図るため売上高経常利益率を重視し、現在の水準から更なる向上を目指してまいります。
また、平成27年10月より新中期経営計画(平成28年9月期~平成30年9月期)をスタートさせました。「グループシナジーの具現化で競争力を高める」を骨子とし、「事業戦略」「人材戦略」「財務戦略」の3つの戦略を掲げ、総合食品アライアンス企業として、外部提携も推進しつつ、当社グループにとってのプレミアム顧客に対して、プレミアム(高付加価値)商品を開拓・開発・アピールすることで、業界での存在感確立(ブランド価値再構築)を図ります。
各戦略の内容は次のとおりであります。
①事業戦略
「プレミアム顧客へのアプローチ、プレミアム商品の開拓・開発・アピール」
・各社が有するプレミアム顧客の共有化、取引深耕
・海外・インバウンドを見据えた価値訴求、新商品開発
・商品高付加価値化を見据えた加工・出汁事業の強化
②人材戦略
「注力分野への人員シフト、人材交流」
・盛田㈱の商品開発、㈱アルカンの業務食材等、営業・開発・マーケティング部門の人員強化
・過去のM&Aによる縦割弊害解消のためにも、法人間も含めた人材交流の積極化
③財務戦略
「資金効率性の追求」
・資金繰・在庫管理等、管理PDCAの強化
・資本増強、ノンコア資産圧縮、借入金圧縮による利払負担軽減
次期の業績につきましては、売上高24,400百万円、営業利益470百万円、経常利益100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益30百万円を見込んでおります。
(6) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク ⑪ 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事実又は状況が存在しております。
このような状況のなか、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおり、当社グループの対処する最重要点は、不正行為の再発防止に向けた取り組みと企業体質の強化を目指し安定した収益を確保することと認識し、不正行為の抜本的な再発防止策として、以下の新経営体制及び再発防止策を実施するとともに、利益面においては、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5) 経営戦略の現状と見通し」に記載のとおり、平成27年10月より新中期経営計画をスタートし、業界での存在感確立(ブランド価値再構築)を図ってまいります。
また、資金面においては、金融機関の継続的な支援を鑑みた今後の1年間の資金計画及び第1回及び第2回新株予約権の発行並びに第三者割当による新株式発行による資金調達を実施しております。
新経営体制及び再発防止策
(1) 経営体制の一新
取締役会の監督機能強化によるコーポレート・ガバナンスの充実の観点から、監査等委員会設置会社に移行するとともに、取締役の人選にあたり、元会長から独立性が高い社外監査役をメンバーとする諮問委員会の諮問結果を踏まえ、元会長に対して独立性を有し、かつ規範意識を有する取締役による経営体制の一新を予定しております。また、当社の新たな経営陣のもと、当社グループの事業の円滑な遂行に留意しつつ、主要な子会社についても、元会長に対して独立性を有しかつ規範意識を有する取締役を選任するとともに、再発防止の観点から、当社グループ各社において、幹部従業員等の人事に関しても元会長の影響力が残ることのないよう配慮いたします。
(2) 業務委託契約等の見直し
元会長並びにその関係者及び関係会社が関与する取引については、新しい経営体制のもと、取締役会において、当社にとっての利益という観点から、取引の合理性・妥当性等に関する検討を十分に行った上で、取引を承認する体制を構築し、また、その他の業務委託契約等に関しても、新たな契約締結に当たっては、事前検討の段階で内容と価格の吟味を行い、意思決定するように徹底します。さらに、既存の業務委託契約等についても、元会長並びにその関係者及び関係会社が関与していた取引については、新しい経営体制のもと、取引の必要性及び合理性並びに対価の相当性を今一度慎重に見直し、必要に応じて解約・契約内容の変更等を進めてまいります。
(3) 内部統制の再構築
① 関連当事者との取引に関する手続規程の策定等
親子会社間取引その他の関連当事者との取引については、監査等委員会による承認手続を要する旨の規程(会社法423条4項参照)を設けることも含め、厳格な管理及び承認手続を定めた規程の策定に着手いたします。なお、その他、規程類・マニュアルが当社の現状に十分即したものになるよう、経営会議等において各種規程類・マニュアルの定期的な読み込み、検討及び見直しを行ってまいります。また、各種規程類・マニュアルが改訂される際には、役員・執行役員はもとより、全社員への周知徹底を図ってまいります。
②内部統制機能の強化
・人事の独立性
上記(1)のとおり、当社の経営体制による一新により、当社として元会長からの独立性を確保するとともに、新たな経営体制のもと、主要な子会社の役員や当社グループの幹部従業員等の人事に関し元会長の影響力が残ることのないよう配慮いたします。
・全社統制の再構築
新たな経営体制のもと、全社統制の観点から、監査等委員会設置会社において、社外取締役及び監査等委員における経営者の意向及び姿勢、誠実性並びに倫理観の検証、取締役会としての牽制機能の発揮、リスク評価、常勤者と非常勤者の必要十分な情報伝達の体制、内部通報制度の実質化について、再構築を行ってまいります。
・内部監査の強化
内部監査体制を改めて構築するとともに、運用についても継続的にモニタリングしていまいります。
・内部通報制度の見直し
内部通報制度を実質的に機能させるため、制度のあり方について見直しを図ってまいります。
(4) 社内教育・啓蒙活動の実施、人事制度その他の制度運用の改善
元会長一族に対する無批判・無抵抗な帰属意識から脱却するための社内教育・啓蒙活動に取り組むほか、元会長の当社グループに対する資金支援に関連する諸契約の早期解決を進めてまいります。また、一部で見られた、元会長主導のともすれば恣意的とも取られかねない不透明な人事登用を廃絶し、人事制度をより原則に基づき運用します。さらに、今回問題点の一つに挙げられた出張旅費を含む小口現金精算については、業務プロセスを見直し、申請と承認プロセスを全役員・従業員等を対象に厳格に適用していきます。
(5) コンプライアンス制度の見直し
上記(4)のとおり、全役員・従業員等に対する社内教育・啓蒙活動に取り組み、「コンプライアンス自己確認シート」「コンプライアンス・ヘルプライン」の実効性を高めるように務めてまいります。特に、「コンプライアンス・ヘルプライン」については、その存在を改めて全社的に周知し、制度の活性化を図ってまいります。また、「コンプライアンス自己確認シート」は、新たに全役員・従業員等を対象とする無記名式のアンケート制度も導入する予定です。