訂正有価証券報告書-第79期(平成26年10月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2016/02/09 11:30
【資料】
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【項目】
130項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年1月4日)現在において当社が判断したものであります。
①食品の安全性
食品の「安全・安心」は、当社グループにとって最大のテーマであり、法令の定めより格段に高い自主基準を定め、品質管理体制やトレーサビリティーの強化に取り組んでおります。しかしながら、異物混入、健康被害を与える可能性のある欠陥商品、表示違反などが生じる恐れがあり、これによってブランドイメージが損なわれ、売上高の減少、回収費用などにより経営成績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
②経済状況及び消費動向
当社グループの商品は、ほとんどを国内市場で販売しております。そのため、日本経済の景気動向とそれに伴う需要の減少、また消費動向などに大きな変化があった場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③原材料・商品の調達
当社グループは、原材料及び商品の多くを海外から調達しております。そのため、調達国における需給状況の変化や法律及び規制の変更、社会的混乱等により、調達コストの上昇や供給不足となる可能性があります。
また、当社グループが調達する主要原材料や重油等のエネルギー資源は、その価格が市況により変動する可能性があります。
④為替変動
輸入食品は、商品のほとんどをヨーロッパから調達しておりますが、為替変動によるユーロ高によって商品原価が上昇していく可能性があります。
⑤新商品開発力
食品業界における商品開発は非常に競争が激しく、同一カテゴリーにおいて類似した後発商品の相次ぐ発売や価格訴求等により、当社グループ商品の優位性が短期間で失われる可能性があることは否定できません。また、開発した新商品が市場において一定の評価を得られない場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥価格競争
当社グループの各事業分野において、市場競争がさらに激化した場合は、売上高及び利益の減少といった当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦製造技術の継承と技術者の育成
当社グループの基本理念の一つである「日本の伝統的で良質な食生活や食文化を守り、次世代に伝えていく」という考えのもと、醤油、味噌、漬物及び清酒等の伝統食品の製造技術を継承すべく、後継者となり得る技術者の育成を行っております。しかしながら、人材不足等により継承が円滑にできない可能性もあります。
⑧法的規制
当社グループは、国内において食品衛生法や製造物責任法等の法的規制を受けております。今後、予期しない法的規制等が導入された場合に、当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。
⑨天候不順・災害
当社グループが調達している原材料や商品の収穫地における天候不順により、調達価格の上昇や供給不足に陥る可能性や、冷夏や暖冬などによって、一部当社グループ商品の売上に影響を及ぼす可能性があります。
また、地震や大規模な自然災害などが発生して、当社グループの生産設備等が損害を被り、操業中断による製造能力の低下とこれに伴う売上高の減少、物流機能の混乱、さらに、設備修復費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 不正行為について
当社グループは、平成27年11月6日付適時開示の「平成27年9月期決算短信の開示時期の延期並びにこれに係る経緯として当社代表取締役会長への便宜供与に係る疑義に対する独立調査委員会の調査及び当該調査の結果を踏まえたガバナンス体制の検討等に関するお知らせ」のとおり、元会長に対する便宜が図られている事実等が発見され、また、平成27年12月18日付開示の「独立調査委員会による第3次調査報告書受領及び今後の日程に関するお知らせ」のとおり、当社子会社である盛田㈱において未払拡売費が過少計上されている事実が明らかになりました。
当該不正行為を防止することができなかった根本的な要因は、元会長による当社グループに対する行き過ぎた当主意識と、その影響を受けた取締役会の牽制機能不全があり、その結果、元会長及びその関係者等が関与する取引については、取締役会または他の各取締役による内部牽制機能が適切かつ十分に働いていなかったこと等が挙げられます。また、拡売費の不適切な過少見積りについては、当社の経営幹部及び盛田㈱の代表取締役において、会計上の見積りを客観的に適切に行うという経営者の意向及び姿勢に欠ける点があったこと等が挙げられます。
既に、本件調査報告書を受けて再発防止策を実施しておりますが、今後、本件のみに関らず、何かしらの重大な過失や不正等が生じた場合、当社グループの事業運営及び財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
⑪ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク ⑩不正行為について」に記載のとおり、当社グループにおいて、不明瞭な資金の流れ等が判明し、それを受けて行われた調査委員会による調査において、元会長に対する便宜が図られている事実等が発見され、また、当社子会社である盛田㈱において未払拡売費が過少計上されている事実も発見され、不適切な会計処理が行われていたこと等の事実が明らかになりました。これにより、当社グループの企業イメージの低下の懸念が生じており、前連結会計年度までとは異なる要因で新たに継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況(以下「重要事象等」という)が存在することとなりました。
このような状況のなか、「重要事象等」を改善するための対策として、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フォローの状況の分析 (6) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載の新経営体制及び再発防止策等を実施することにより企業イメージの回復を図るとともに、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フォローの状況の分析 (5) 経営戦略の現状と見通し」に記載の新中期経営計画をスタートし、業界での存在感確立(ブランド価値再構築)を進め、収支の改善を図ってまいります。また、資金面においては、金融機関からの継続的支援も得ており、引き続き、金融機関からの支援に変化が生じないよう対応しております。
以上の対応の結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、「継続企業の前提に関する注記」の記載には至っておりません。