有価証券報告書-第96期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 11:02
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【項目】
86項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)におけるわが国経済は、政府による経済政策などを
背景として、円安・株高が継続し、企業収益、雇用情勢や個人消費にも改善の傾向が見られ、景気は緩やかに回復
しつつあるものの、消費税増税の影響や海外景気の減速に対する懸念等もあり、引き続き先行き不透明な状況で推
移いたしました。
当社の関連業界におきましても、業種業態を越えた企業間競争の激化が続き、生活防衛意識の高まりによる節約
志向が続く厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の中で当社は、「生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する」という経営理念の下、「養命酒」の効率的かつ効果的な販売促進活動により、「養命酒関連事業による安定的収益基盤の構築」に努めました。この収益基盤に基づき「持続的成長に向けた事業構造の変革」を基本方針とする中期経営計画の2年目として、「美容と健康」をテーマとした新商品「食べる前のうるる酢」や「フルーツとハーブのお酒」を発売するなど「新規事業領域の拡大と成長性の確保」の各施策に取り組みました。また、「保有資産の見直しと積極的な活用」及び「社会的使命への取組み」の施策の一環として、埼玉県鶴ヶ島市に「鶴ヶ島太陽光発電所」を開設し、鶴ヶ島市と共同して、環境教育と災害時対応の機能を有した施設「eコラボ(エコラボ)つるがしま」を併設しました。
また、当社グループにおける経営の効率化及び保有資産の有効活用を図るため、平成25年12月に、当社の100%子会社であるヤマツル株式会社を吸収合併いたしました。
当事業年度の業績は、「養命酒」の売上が堅調に推移したこと及び新商品等の売上が寄与し、売上高は12,968百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益は2,203百万円(前年同期比29.3%増)、経常利益は2,447百万円(前年同期比26.4%増)となりました。当期純利益につきましては、「くらすわ」の「固定資産の減損に係る会計基準」に基づく減損損失628百万円等の特別損失736百万円を計上する一方、ヤマツル株式会社吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益732百万円等の特別利益734百万円を計上し、1,650百万円(前年同期比32.8%増)と増収増益となりました。
セグメント別には以下のとおりです。
①養命酒関連事業
主力商品「養命酒」につきましては、安定的な販売を堅持するため、効果的な販売促進活動に努めました。「女は7の倍数、男は8の倍数」の節目年齢における養生を訴求するとともに、「胃腸の疲れ」と「ストレス」や「冷え」と「寝付き」をテーマとしたテレビスポット広告を季節に合わせてエリア毎に順次実施したことに加え、プレゼントキャンペーン、雑誌とのタイアップ広告、首都圏における交通広告、ラジオ広告等を実施しました。また、広告に連動して店頭における販売促進活動を展開しました。これらの広告や販売促進活動においては、ターゲット層の幅を広げ、若年層や男性に向けた訴求を行うなど、新たな顧客の獲得に注力しました。
「食べる前のうるる酢」につきましては、平成25年6月に「食べる前のうるる酢スパークリング」を関東1都6
県のコンビニエンスストアで発売し、認知度を高めるためのテレビスポット広告、雑誌、交通広告等による訴求を
実施したことに加えて、店頭やウェブでのプレゼントキャンペーン、ターゲット層に向けたサンプリングによる販
売促進活動を実施しました。また、平成26年3月に「食べる前のうるる酢ビューティー」をスーパーマーケットや
コンビニエンスストアで発売し、テレビスポット広告を実施しました。
「ハーブのお酒」につきましては、「ハーブの恵み」に加え、平成25年6月に「檸檬とハーブのお酒」と「林檎とハーブのお酒」を発売、平成26年3月に「白桃とハーブのお酒」とスパークリングタイプのお酒3種類を販売開始し、小売店の取扱い店舗数の拡大に努めるとともに、ラインナップの拡充による企画提案や店頭における露出向上、メインとなる女性顧客層に対する試飲会の実施やイベントへの参加、ウェブキャンペーン等の販売促進活動を実施しました。
海外におきましては、東南アジア諸国を中心として各国の市場環境に即したマーケティング活動に取り組みまし
た。「養命酒」の理解と知名度の向上を目指し、各国に合わせた訴求テーマに基づき、プレゼントキャンペーンや店頭陳列の強化等の販売促進活動に取り組むとともに、「養命酒」以外の商品のテスト販売や現地需要の調査など輸出領域の拡大に向けた各施策を実施しました。
インターネット通信販売サイト「Yomeishuオンラインショップ」につきましては、取扱品目を拡充し、「養命酒」の顧客への案内や「養命酒健康の森」、「くらすわ」への来場者に向けた紹介、販売促進キャンペーンの実施により、好調に推移しました。
以上の結果、「養命酒」の売上に「ハーブのお酒」、「食べる前のうるる酢」、「家醸本みりん」、「ミネラルウォーター」、「ドリンク剤」、「サプリメント類」の売上を合算いたしまして、養命酒関連事業の売上高は12,375百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
②施設運営事業
「くらすわ」につきましては、開業3周年イベントを始めとして各種イベントの開催により集客に努め、長野県
の地元産品の取扱拡充や、首都圏を始めとした催事出店、ランチメニューの充実、年末の贈答商品の重点販売など
に取り組みました。各施策による地元のお客様の定着や知名度の向上もあり、前年同期と比較し売上は堅調に推移
しました。また、駒ヶ根工場見学施設「養命酒健康の森」につきましては、来場者数、売上ともに堅調に推移しま
した。
以上の結果、「くらすわ」、「養命酒健康の森」の売上を合算し、施設運営事業の売上高は412百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
③その他
不動産賃貸と平成25年7月に稼働した鶴ヶ島太陽光発電所の売上を合算し、売上高は179百万円(前年同期比
105.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,006百万円減少し、2,325百万円となりました。なお、当社の100%子会社であるヤマツル株式会社を吸収合併したことにより、現金及び現金同等物を141百万円受け入れております。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,974百万円(前年同期比3.1%増)となりました。これは主に税引前当期純利益2,445百万円、減価償却費495百万円等の増加要因と、売上債権の増加額312百万円、法人税等の支払額699百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、453百万円(前年同期比71.8%減)となりました。これは主に定期預金の純減による収入300百万円、有形固定資産の取得による支出656百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、2,668百万円(前年同期比393.7%増)となりました。これは吸収合併に伴う反対株主の株式買取請求を受けたこと等による自己株式の取得2,129百万円、配当金の支払額539百万円によるものであります。