有価証券報告書-第50期(平成26年5月1日-平成27年4月30日)

【提出】
2015/07/29 15:49
【資料】
PDFをみる
【項目】
130項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成26年5月1日から平成27年4月30日まで)におけるわが国の経済は、政府の経済対策や金融政策の効果もあり、輸出企業の業績および雇用情勢の改善などを背景に緩やかな回復基調となりました。その一方で、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による、個人消費の減退とその後の回復の遅れは、想定以上の景気下振れ要因となっております。
飲料業界におきましては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や、個人消費低迷の長期化、競争激化による低価格化、円安に伴う原材料・燃料コストの上昇懸念など、厳しい状況が続いております。また、夏場の記録的な日照不足にはじまり、連続した台風上陸や大雨など、全国的な天候不順による影響も見られました。
このような状況のなか、当グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当グループを取り巻く全てのお客様に対し「お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか」を常に考え、グループ一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,305億41百万円(前期比1.6%減)、利益面におきましては、競争激化による販売費増加により、営業利益113億93百万円(前期比46.0%減)、経常利益112億29百万円(前期比45.3%減)となり、当期純利益72億92百万円(前期比39.7%減)となりました。セグメント別の業績は以下のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>国内においては、茶葉(リーフ)製品につきまして、全国的な天候不順等によりティーバッグ「香り薫るむぎ茶」が低調に推移したものの、プレミアムティーバッグシリーズをはじめとして、「お~いお茶さらさら抹茶入り緑茶」などの手軽にご賞味いただける簡便性商品が、国内のみならず外国人観光客の皆様にもご好評をいただき、引き続き好調に推移しております。
飲料(ドリンク)製品につきましては、主力製品であります「お~いお茶」の前身である「缶入り煎茶」を発売して30年という節目を迎えました。これを記念し「お~いお茶 緑茶」と「お~いお茶 濃い茶」におきましては、「お茶」とともに日本を象徴する「桜」をデザインした特別限定パッケージで新登場し、平成27年1月下旬より順次展開致しました。春に開花時期を迎える「桜」のデザインとともに、“緑茶飲料発売30周年”を全国的に盛り上げ、「お~いお茶」ブランドの更なる価値向上を図ってまいりました。
原料調達につきましても、引き続き積極的に茶産地育成事業を推進しております。主に九州地区において、耕作放棄地を積極活用するとともに、生産性と環境保全を両立した大規模茶園経営のもと高品質で安定した原料調達を実現しております。
日本茶飲料におきましては「健康ミネラルむぎ茶」「お~いお茶 絶品ほうじ茶」が、中国茶飲料におきましては「Relaxジャスミンティー」が1年を通じて支持され、引き続き好調に推移いたしました。
コーヒー飲料におきましては「TULLY'S COFFEE」ブランドシリーズが引き続きご好評をいただき、販売数量を伸ばすなど、業績の向上に寄与しております。野菜飲料におきましては、消費税率引き上げに伴う個人消費減退の影響もあり、販売数量は前年に比べ、低調に推移いたしました。
このような販売活動を取り巻く競争激化、消費低迷などの厳しい状況において、原価低減や各経費の見直しに努めた一方で、一層のブランド強化のため広告宣伝や販売促進費用を積極的に投入してまいりました。
チチヤス㈱においては、広島県を中心とした乳類及び発酵乳等の積極的な販売に加え、当社との共同開発によるブランドシナジーを拡大しております。また、ネオス㈱は、西日本に強い販売チャネルを持っており、当グループの自動販売機事業に関して、更なる強化を図っております。
海外においては、米国内での健康志向の高まりと、平成25年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを契機に、ITO EN(North America)INC. において「お~いお茶」などの無糖茶飲料が順調に売上を伸ばし、世界的な抹茶ブームを追い風に、茶葉(リ―フ)製品につきましても好調に推移しております。さらに、中国事業及び東南アジア事業の基盤確立へ向け、積極的な海外展開を行ってまいりました。
また、平成27年2月3日付で、米国を中心にコーヒー豆の栽培から販売までを行うDistant Lands Trading Company, Inc.が当グループに加わっておりますが、平成27年3月31日をみなし取得日とし、平成27年3月31日現在の財務諸表を基礎として連結決算を行っているため、当連結会計年度における連結損益計算書に業績は含まれておりません。今後は、米国内における当グループ製品の販売において、シナジー効果を追求してまいります。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は3,999億86百万円(前期比2.4%減)となり、営業利益は77億8百万円(前期比57.0%減)となりました。
<飲食関連事業>タリーズコーヒージャパン㈱におきましては、季節商品を中心にドリンク類が好調なことに加え、パスタ等のデリカ類やアイスクリーム類の販売も大きく伸長し業績の向上に寄与しております。
また、店舗数につきましても588店舗と更なる拡充を続けております。既存店舗につきましても引き続き好調に推移しております。
この結果、飲食関連事業の売上高は252億34百万円(前期比8.9%増)となり、営業利益は35億72百万円(前期比12.4%増)となりました。
<その他>売上高は53億21百万円(前期比9.1%増)となり、営業利益は11億38百万円(前期比12.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、177億51百万円の収入(前期は243億円の収入)となりました。主な要因といたしましては、増加要因として税金等調整前当期純利益108億93百万円、減価償却費156億53百万円、のれん償却額13億26百万円であるのに対し、減少要因として売上債権の増加17億41百万円、法人税等の支払額85億69百万円があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、92億42百万円の支出(前期は45億98百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出79億40百万円、設備投資による支出37億4百万円があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、48億35百万円の支出(前期は181億47百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、増加要因として長期借入れによる収入290億72百万円であるのに対し、減少要因として長期借入金の返済による支出164億24百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出121億43百万円、配当金の支払52億45百万円があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して43億5百万円増加し、489億22百万円となりました。