有価証券報告書-第99期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 15:43
【資料】
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【項目】
130項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、米国や欧州で回復が緩やかに続いているものの、中国をはじめとする新興国の減速で、全体としては成長がやや鈍化しております。
一方、日本経済も、世界経済同様、回復ペースは緩やかにとどまっております。
このような状況下における、当社グループの売上は、国内については、しょうゆ、食品、飲料、酒類ともに前期を上回りました。海外については、しょうゆは北米、欧州、アジア・オセアニアともに順調に売上を伸ばし、食料品卸売事業も好調に推移し、前期の売上を上回りました。
この結果、当連結会計年度の連結グループの売上高は4,083億7千2百万円(前期比110.0%)、営業利益は325億9千8百万円(前期比128.5%)、経常利益は310億2千9百万円(前期比127.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は199億6千4百万円(前期比129.8%)となりました。
<セグメントの業績の概要>セグメントの業績の概要は次のとおりであります。
国内における売上の概要は次のとおりであります。
(国内 食料品製造・販売事業)
当事業は、しょうゆ部門、つゆ・たれ・デルモンテ調味料等の食品部門、豆乳飲料・デルモンテ飲料等の飲料部門、みりん・ワイン等の酒類部門からなり、国内において当該商品の製造・販売を手がけております。各部門の売上の概要は次の通りであります。
■しょうゆ部門
しょうゆは、家庭用分野では「いつでも新鮮」シリーズが「新鮮な生しょうゆのおいしさ」、「鮮度維持」、「使いやすさ」という付加価値が市場に浸透し、商品ラインアップ、店頭販促やテレビ広告も強化した結果、順調に拡大を続けました。加工・業務用分野でも売上を伸ばし、部門全体でも数量、金額ともに前期を上回りました。
■食品部門
つゆ類は、家庭用分野では、新商品の「いつでも新鮮 だし香る贅沢つゆ」が売上に寄与しましたが、夏場の天候不順や暖冬の影響もあり、つゆ類全体としては前期を下回りました。たれ類は、主力商品である「わが家は焼肉屋さん」が堅調に推移したことにより、たれ類全体として前期を上回りました。「うちのごはん」は、積極的な新商品開発やテレビ広告、店頭販促活動を行い、前期の売上を上回りました。デルモンテ調味料は、「リコピンリッチ」や新商品の酸化を防ぐ密封ボトル入りのオリーブオイル等の高付加価値品が伸長し、前期を上回りました。この結果、部門全体として前期の売上を上回りました。
■飲料部門
豆乳飲料は、健康志向の高まりを背景に、飲用だけでなくレシピ本を活用し料理用として訴求する等、テレビや雑誌などの各メディアと連携を図りながら、市場拡大につながる販促活動を実施しており、前期の売上を上回りました。デルモンテ飲料は、引き続き堅調な「みんなのトマト・野菜」や、当期発売しました新商品の「玄米でつくったライスミルク」が売上に寄与し、トマトジュースは前期の売上に及ばなかったものの、デルモンテ飲料全体としては前期の売上を上回りました。この結果部門全体としても、前期の売上を上回りました。
■酒類部門
本みりんは、「米麹こだわり仕込み本みりん」、料理酒は「国産米こだわり仕込み料理の清酒」が引き続き順調に推移しました。また、「マンジョウ芳醇本みりん」をはじめとする家庭用主力商品も売上を伸ばし、本みりん全体として前期を上回りました。国産ワインは、「甲州酵母の泡」や「ソラリス」シリーズ等の日本ワインが順調に推移し、前期を上回りました。この結果、部門全体として前期の売上を上回りました。
以上の結果、国内 食料品製造・販売事業の売上高は1,676億9千9百万円(前期比104.0%)、営業利益は65億3千6百万円(前期比240.7%)と増収増益となりました。
(国内 その他事業)
当事業は、臨床診断薬・衛生検査薬・加工用酵素、ヒアルロン酸等の化成品等の製造・販売、不動産賃貸及び運送事業、グループ会社内への間接業務の提供等を行っております。
臨床診断薬やヒアルロン酸が前期を上回り、また運送事業も前期を上回り、部門全体として前期の売上を上回りました。
この結果、国内 その他事業の売上高は206億5千万円(前期比102.5%)、営業利益は15億1千5百万円(前期比146.3%)と、増収増益となりました。
海外における売上の概要は次のとおりであります。
(海外 食料品製造・販売事業)
当事業は、しょうゆ部門、デルモンテ部門、健康食品等のその他食料品部門からなり、海外において当該商品の製造・販売を手がけております。各部門の売上の概要は次の通りであります。
■しょうゆ部門
北米市場においては、家庭用分野では、主力商品であるしょうゆに加え、しょうゆをベースとした調味料などの拡充に引き続き力を入れ、当社のブランド力を生かした事業展開を行ってまいりました。また、加工・業務用分野では顧客のニーズに合わせたきめ細かな対応を行い、両分野とも堅調に推移いたしました。この結果、前期の売上を上回りました。
欧州市場においては、ロシアにてルーブル安により市場価格が値上がりしたことが影響しましたが、その他の重点市場であるドイツ、オランダ、イタリアなどで順調に売上を伸ばし、前期の売上を上回りました。
アジア・オセアニア市場においては、タイなどで売上を伸ばし、また、中国の販売会社や台湾の製造会社の実績も加わり、全体としては前期の売上を大きく上回りました。
この結果、部門全体では為替換算の影響もあり前期の売上を大きく上回りました。
■デルモンテ部門
当部門は、アジア・オセアニア地域で、フルーツ缶詰・コーン製品・トマトケチャップ等を製造・販売しております。
フィリピン産フルーツ缶詰の供給不足が、主要市場である香港、中国、韓国の売上に影響したものの、部門全体では為替換算の影響により前期の売上を上回りました。
■その他食料品部門
当部門は、主に北米地域において、健康食品を製造・販売しております。
一般店舗ルート、医師ルート向けの売上が好調に推移したことから、部門全体では前期の売上を上回りました。
以上の結果、海外 食料品製造・販売事業の売上高は848億6千1百万円(前期比113.6%)、営業利益は164億4千3百万円(前期比115.6%)と、増収増益となりました。
(海外 食料品卸売事業)
当事業は、国内外において、東洋食品等を仕入れ、販売しております。
北米ではアジア系マーケットにとどまらず、ローカルマーケットへのさらなる浸透を進め、売上を伸ばしました。また、欧州、アジア・オセアニアでは引き続き市場が拡大しており、各地域で売上は順調に推移いたしました。この結果、前期の売上を上回りました。
この結果、海外 食料品卸売事業の売上高は1,597億5千4百万円(前期比115.4%)、営業利益は76億7千5百万円(前期比118.5%)と、増収増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ27億5千1百万円増加し、351億5千万円となりました。
当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、376億6千1百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ60億2百万円収入増でありました。これは主に、法人税等の支払、売上債権の増加などによる支出があったものの、税金等調整前当期純利益に減価償却費等の非資金項目などを加算した営業活動による収入が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、158億5千5百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出、事業譲受による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、178億1百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得による支出、配当金の支払、借入金の返済による支出があったことによるものであります。