有価証券報告書-第99期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 16:05
【資料】
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【項目】
113項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)原材料価格及び調達について
当社は、原料とうもろこしを主として米国から輸入しておりますが、その価格はシカゴ穀物相場により変動し、為替相場及び海上輸送運賃等の変動により調達諸費用は変動いたします。また工場のボイラー用燃料に重油及び原油価格と連動性の高い都市ガスを使用しているため、原油価格の高騰は生産コストの上昇要因となります。原料とうもろこし、資材、重油価格の上昇並びに為替による変動分を製品販売価格に転嫁できない場合は、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これら穀物、為替の市場リスクに対しましては、当社は市場リスク管理規定に基づき投機的な取引を行わず、各種ヘッジ等の措置で変動の影響を低減しております。
また原料とうもろこしや重油といった輸入原燃料におきましては輸出国の国政状況や自然災害等により適切に調達できない場合、また国内調達の資材等におきまして自然災害等により適切に調達できない場合には、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、BCPの観点から複数の原料、燃料、資材の購入先を確保しております。
輸入されるとうもろこしは食品衛生法等により輸入時に様々な検査が行われ、輸出国に対し日本の輸入基準を満たした品質を求めていますが、国や行政が規定している品質のとうもろこしを輸入できない場合には当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、輸出国及び輸出国の積み出し港の選別、変更で対応いたします。
(2)法的規制等について
当社は、原料とうもろこしの輸入並びに糖化品部門の主要製品である異性化糖の製造、販売にあたり、国内産いも澱粉並びに国内産砂糖の事業及び生産者の保護を目的とした法令の適用を受けております。農林水産省の政策方針による費用負担等に変動があった場合、でん粉調整金、或いは異性化糖調整金の変動として製品製造コストに増減が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。当該リスクに対しましては、農林水産省には当業界が負担する財源の適正化を図るよう、制度運用に関する要望の発信に努めております。
(3)自然災害による影響
当社は、主要な生産拠点を東海地区(静岡県富士市)に有しております。地震等による被害を抑えるために補強工事等対策を施しておりますが、この地域において大規模な地震等の災害が発生した場合、その程度によっては工場の生産設備や操業に重大な支障を来たすとともに、その復旧に多額の費用が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があります。
(4)市場における競合の状況について
当社は、食品業界及び製紙業界等に澱粉及びその加工製品を販売しております。世界的に広がる新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた世界経済の減速により、原燃料相場も予測困難な状況にあります。また、国内では外出自粛の長期化、屋外イベントの中止増加により国内市場の動向も見通しが難しい状況となっております。今後の競合製品の輸入動向、更には国内市場の動向によっては、当社の業績、財務状況及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(5)新型コロナウイルスによる影響
当社は食品など生活必需品を製造する企業として、安定的事業運営ならびに製品供給に努めておりますが、生産面では製造従事者への新型コロナウイルス感染が広まると、一定期間操業を停止するリスクがあります。販売面では、外出自粛の長期化、屋外イベント中止の増加などにより、飲料の消費が減少するリスクがあります。その程度によっては販売数量の減少や製品製造コストの増加が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。当社はこれらのリスクに対しましては、検温等の従業員の体調管理の徹底、製造従事者以外の製造エリアへの立ち入り制限、一部従業員の在宅勤務や時差出勤等の感染予防対策を実施することでリスク低減に努めております。