有価証券報告書-第103期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 11:32
【資料】
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【項目】
149項目

研究開発活動

当社グループ(当社及び連結子会社)は、「食と健康に貢献する独創技術の開発」をモットーとして、新規素材の開発から製剤の開発、更には生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。
現在、研究開発は、各セグメントに所属する研究開発スタッフ及び研究開発支援部門のスタッフにより推進されております。
知的財産権の取得にも注力しており、当連結会計年度中に公開された当社が出願人である公開特許件数は14件であり、海外での特許取得についても積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における全体の研究開発費は1,413百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)ニュートリション事業
緑茶抽出物、機能性アミノ酸(テアニン)、水溶性食物繊維、ミネラル・ビタミン等の乳化製剤についてエビデンスに基づく研究開発を行い、伸張するQOL市場に向けてグローバルな展開を目指し、新規製品開発や応用開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果としては、水溶性食物繊維(ファイバー)において、スポーツ選手の胃腸不調改善効果、生活習慣病モデルマウスに対する改善効果に関して国際学会(ICoFF2019)での発表を行いました。
機能性アミノ酸(テアニン)では、海外での需要が高まっており、エリア毎での認証・申請等の準備を進めております。
緑茶抽出物においては、茶カテキンの脂肪低減効果を新たな視点で検証し、機能性表示食品において「肥満気味の方の内臓脂肪を低下させる」のヘルスクレームが受理されました。 新規製品として、インドの伝承医学アーユルヴェーダに起源をもつ素材「モリンガエキス」のワークを進め、サプリメント用途での採用が進み、バイタリティを謳う効果の体感できる素材として好評を得ております。
ニュートリションデリバリーシステム(NDS)技術を活かしたフラボノイド包接製剤を新たに開発、製品化を進め、従来困難であったフラボノイド化合物の水溶性向上・吸収性向上を実現しました。 また、食品の抗酸化指標表示の業界向け提案の場として抗酸化・機能研究会を開催し、様々な業界関係者へ情報を発信いたしました。 当セグメントの研究開発費は522百万円であります。
(2)インターフェイスソリューション事業
食品用乳化剤、飲料用乳化安定剤・乳化製剤、化粧品・トイレタリー用素材の研究開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果として、食品用乳化剤は中食・油脂関連への採用を中心として堅調に推移いたしました。当社キーマテリアルであるポリグリセリン脂肪酸エステルの基礎・応用開発を推進し、更なる市場展開を図ってまいります。
飲料用途は、前期に続きペットボトル飲料市場向け素材が伸長、売り上げに貢献いたしました。酸化防止剤製剤は、従来の飲料製品を中心として乳製品市場に採用が広がり、また海外飲料市場へも採用を延ばしつつあります。
化粧品用途は、前期に続きスキンケア用素材が国内外で展開を広げており、クレンジング向けの新規採用が増加しています。当社化粧品素材は使用感に特徴があると好評価を得ており、心地よさの顧客提案を図ってまいります。また世界的な潮流であるRSPOの対応も進めており徐々に実績を増やしております。 当セグメントの研究開発費は491百万円であります。
(3)アグリフード事業
トレーサビリティに基づいた安全・安心な品質管理のもと、素材のおいしさや機能を活かしながら、独自の加工技術により特長ある加工食品の開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果としては、マイクロ波加工品では、即席麺用素材や菓子用素材として新たな製品を市場投入し、新規採用が進みました。今後はSDGsを念頭においた新製品開発を行い、市場への投入を積極的に進めてまいります。
安定剤は、コンビニ関連商品や惣菜用途を中心に好調に推移しております。新規の加工技術を応用した製品を開発、市場投入しており、ゼリー飲料用途等への新規採用が進みました。今後も加工技術開発を強化してまいります。
品質改良剤として従来から展開している鶏卵や蛋白質が持つ機能を活かした製品の開発を行っております。今後も食品の付加価値向上に寄与する素材の開発、提案に注力してまいります。
フルーツ加工品では、アイスクリーム・ヨーグルト・製パン用素材として、当社の粘度制御技術を応用した各種ソースの開発、提案に取り組んでおります。 当セグメントの研究開発費は400百万円であります。