有価証券報告書-第56期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/23 9:51
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日)におけるわが国経済は、政府による経済政策等を背景に緩やかな回復基調が続いておりますが、消費税増税による将来的な影響も懸念され、消費動向の先行きには引き続き慎重な見方を要する状況にあります。食品業界におきましては、多様化する消費者ニーズのなかに若干の明るさが見えてきたものの、生活防衛意識や節約志向は依然として根強く、また原材料価格の上昇等もあり、楽観視できない経営環境が続いております。
当社グループは、エバラブランドの目指す姿である「新しいおいしさにより、そこに人が集い、笑顔が生まれる」の実現に向け、“たれ・素・スープ”を中心とした調味料でお客様との幅広い接点を持ち、家族の“絆づくり”やお客様のお役立ちを創造することをミッションとして経営を推進しております。当連結会計年度におきましては、フェイスブックや会員制サイトのエバラClub等を活用し、より多くのお客様とのコミュニケーションを促進するとともに、精肉需要全体の底上げを図るべく、肉の効能に関する啓蒙や生活の節目に合わせた食肉消費を促すキャンペーンを展開してまいりました。また、発売35周年を迎えた『黄金の味』の活性化や既存商品の汎用性訴求に加え、個食対応の商品開発等、消費トレンドへの対応を充実させることで、エバラブランドの価値向上に努めております。
当連結会計年度における当社グループの売上高は501億49百万円(前期比3.6%増)となりました。その主な要因としては、新商品『プチッと鍋』が発売から順調な売上推移を見せ、また、調味料としての汎用性を訴求した『黄金の味』も売上を伸ばしたこと、さらに業務用商品が好調に推移したこと等が挙げられます。利益面につきましては、売上高の増加に加えて、原材料価格が上昇するなか、主に製造部門を中心とした原価低減活動の取り組みにより売上原価率を前期とほぼ同水準に抑え、また、販管費率も宣伝費等の費用効率化のほか新商品投入効果による拡販費率の抑制もあり前期を下回る水準で推移した結果、営業利益は19億40百万円(前期比35.3%増)、経常利益は18億67百万円(前期比30.4%増)となりました。当期純利益につきましては、厚生年金基金脱退に伴う特別損失を計上した影響により8億50百万円(前期比16.1%増)となりました。なお、当社は持分法適用会社である株式会社エバラCJフレッシュフーズの減損処理により、個別財務諸表上、特別損失として関係会社株式評価損2億50百万円及び貸倒引当金繰入額84百万円を計上いたしましたが、連結業績に与える影響はありません。
事業におけるセグメントの概況は、以下のとおりであります。
<食品事業>① 家庭用商品
家庭用商品は、野菜まわり調味料群が前期売上高を下回ったものの、肉まわり調味料群、鍋物調味料群、その他群が前期売上高を上回りました。
肉まわり調味料群につきましては、好調な精肉需要を背景に、焼肉はもちろん様々な料理にも利用できる調味料としての汎用性を訴求した『黄金の味』が好調に推移し、特に消費税増税を見据えて早期にプロモーションを展開した第4四半期に大きく売上を伸ばしました。また、『おろしのたれ』とともにキャンペーンを展開した『にんにくのたれ』も好調な売上推移を見せ、さらに、統一ブランド「たれプラス」を導入してラインナップを充実させた『生姜焼のたれ』等のメニュー専用調味料におきましても、フライパンを使って簡単便利に料理の幅を広げられ、コストパフォーマンスにも優れていることがお客様の支持を集め売上を伸長した結果、売上高は177億32百万円(前期比4.2%増)となりました。
鍋物調味料群につきましては、引き続き汎用調味料としての利用価値を高め、店頭に力点を置いてプロモーションを展開した『すき焼のたれ』が好調に推移したことに加え、1人前から家族で囲むごちそう鍋まで、いろいろなシーンに対応できるポーションタイプの新商品『プチッと鍋』が市場に受け入れられ、幅広い世帯層を対象に順調に売上を伸ばした結果、売上高は114億59百万円(前期比3.1%増)となりました。
野菜まわり調味料群につきましては、『浅漬けの素』が第2四半期以降の野菜価格高騰により苦戦を強いられたこともあり、売上高は46億62百万円(前期比4.3%減)となりました。
その他群につきましては、『横濱舶来亭カレーフレーク』が営業強化により店頭露出を高めて売上を伸ばしたことに加え、持分法適用会社の株式会社エバラCJフレッシュフーズで展開していた『ビビンバの素』等の韓Kitchenシリーズを、本年2月より当社で販売を始めたことも売上増加に貢献した結果、売上高は13億2百万円(前期比7.1%増)となりました。
これらの結果、家庭用商品全体の売上高は、351億56百万円(前期比2.7%増)となりました。
② 業務用商品
業務用商品は前期売上高を上回りました。
業務用営業部門の組織強化が奏功したことに加え、肉まわり調味料群につきましては、主力商品の『焼肉のたれ』を中心に売上を伸ばし、新商品も堅調に推移した結果、前期売上高を上回りました。スープ群につきましては、発売45周年を迎えキャンペーンを展開した『札幌ラーメンの素』をはじめ、ラーメンスープが好調に推移した結果、前期売上高を上回りました。その他群につきましても、特注品の増加等により売上を伸長した結果、前期売上高を上回りました。
これらの結果、業務用商品全体の売上高は、91億21百万円(前期比5.7%増)となりました。
以上の結果、食品事業の売上高は442億78百万円(前期比3.3%増)となりました。
<その他事業>その他事業は前期売上高を上回りました。
広告宣伝事業が既存顧客の受注減少により前期売上高を下回ったものの、物流事業が新規受注を伸ばす等の積極的な営業活動により前期売上高を上回り、また、人材派遣事業におきましても新規事業の取り組みが奏功したことにより前期売上高を上回りました。
以上の結果、その他事業の売上高は58億71百万円(前期比5.4%増)となりました。
売上高の内訳は以下のとおりとなります。
事業名称及び製品群名前連結会計年度
売上高実績
当連結会計年度
売上高実績
対前期比
食品事業百万円
42,855
百万円
44,278
%
3.3
家庭用商品34,22235,1562.7
肉まわり調味料群17,02417,7324.2
鍋物調味料群11,11111,4593.1
野菜まわり調味料群4,8714,662△4.3
その他群1,2151,3027.1
業務用商品8,6329,1215.7
肉まわり調味料群2,6862,8285.3
スープ群3,3943,4983.1
その他群2,5512,7949.5
その他事業(広告宣伝事業、物流事業、人材派遣事業)5,5725,8715.4

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ25億32百万円増加し、当連結会計年度末には62億43百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、39億58百万円(前年同期は3億95百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益において16億71百万円獲得し、売上債権の減少額14億99百万円による増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、11億67百万円(前年同期は4億15百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11億86百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2億86百万円(前年同期は23億52百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出2億47百万円によるものであります。