有価証券報告書-第120期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 11:19
【資料】
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【項目】
135項目

業績等の概要

(1) 業績
当期の我が国経済は、政府による経済政策や金融緩和策により、全体としては緩やかな回復基調にあるものの、為替・株式相場の急激な変化や中国等の新興国経済の減速感に加え、円安による輸入品・材料費等の物価上昇に伴う個人消費の足踏み状況も見られる等、先行き不透明な経営環境が続きました。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画『CAN 20(2014年度~2020年度)』の2年目を迎え、『集中と結集』をキーコンセプトに、「SBU(戦略的ビジネスユニット)戦略による既存事業の選択と集中」「CFA(クロス ファンクショナル アプローチ)活動による成長・新規事業の育成、創出」「成長戦略を支援する経営基盤強化」への取り組みを推進しました。
機能ソリューション事業ではメディカル分野は好調に推移したものの、プラスチックフィルム分野及びエンジニアリングプラスチックス分野は景気や市況の低迷を受け苦戦しました。アパレル事業では、暖冬による影響を受けましたが、売上は堅調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は138,324百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は3,662百万円(前年同期比18.7%増)となりましたが、デリバティブ評価損(※)や為替差損の影響等により経常利益は791百万円(前年同期比84.0%減)となり、また、事業環境の悪化により収益性が低下した電子部品分野の固定資産減損損失を計上したこと等から親会社株主に帰属する当期純損失は1,201百万円(前年同期は純利益3,215百万円)となりました。
(※) 当社は、アパレル製品の米ドル建輸入代金に係る為替変動リスクをヘッジする目的でオプション取引を活用した為替予約を行っておりますが、当期末の急激な円高進行に伴い、オプション取引の当期末未行使残高について2,267百万円の時価評価損が発生し、前期末に発生した評価益601百万円の洗替処理額を合わせて2,869百万円のデリバティブ評価損を営業外費用に計上することとなりました。なお、この評価損は当期のキャッシュ・フローに影響を与えるものではなく、翌期は当期末評価損2,267 百万円を洗替処理(営業外収益として計上)するとともに、改めて期末時点でのオプション未行使残高を時価評価し、評価損益として計上することになります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 機能ソリューション事業
プラスチックフィルム分野は、主力のシュリンクフィルムが飲料用途を中心に低迷し、海外でも欧州輸出の減速により苦戦しましたが、原材料価格安の影響等により利益を確保しました。エンジニアリングプラスチックス分野は、OA市場向け製品では新興国市場の景気停滞の影響、非OA市場向け製品では半導体産業での在庫調整の影響により低調に推移しました。電子部品分野では、パソコン向けタッチパネル販売等の低迷と競争激化で採算性が厳しく、海外生産工場再編・合理化等の生産性改善に取り組みましたが、業績への貢献に至りませんでした。メディカル分野は、北米向けが引き続き好調であり、国内・中国向け販売も順調に推移しました。
以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は56,171百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益は3,440百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
② アパレル事業
アパレル事業は総じて暖冬により冬物が苦戦しましたが、インナーウエア分野では、主力ブランドである快適工房のリニューアルと成長販路拡大により売上減少に歯止めがかかりました。レッグウエア分野は、ストッキングの主力ブランドのサブリナが好調に推移するとともにレギンスパンツも売上を伸ばしました。
以上の結果、アパレル事業の売上高は68,164百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は2,232百万円(前年同期比49.7%増)となりました。
③ ライフクリエイト事業
不動産関連分野は、商業施設「グンゼタウンセンターつかしん」がテナント再編リニューアル効果により好調に推移しました。スポーツクラブ分野では、出店効果により売上は増加したものの、新規店の初期費用影響を受けました。
以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は14,635百万円(前年同期比0.7%増)、営業利益は1,221百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,687百万円減少し、7,471百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,262百万円増加し、11,775百万円となりました。主なキャッシュ・インの要因は減価償却費6,604百万円、売上債権の減少2,007百万円、たな卸資産の減少1,125百万円、保険金の受取933百万円であります。
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,806百万円増加し、12,046百万円となりました。主なキャッシュ・アウトの要因は機能ソリューション事業の設備投資など固定資産の取得による支出6,690百万円、投資有価証券の取得による支出5,897百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して3,001百万円減少し、1,274百万円の支出となりました。主なキャッシュ・インの要因はコマーシャルペーパーを含む長短借入金よる収入1,889百万円、主なキャッシュ・アウトの要因は自己株式の取得による支出1,656百万円、配当金の支払1,432百万円であります。