有価証券報告書-第90期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/15 15:42
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、先進国、とりわけ米国を中心に回復基調にありましたが、欧州はようやく始
まった持ち直しの動きが足踏み状態にあること、アジアでは中国経済が緩やかに減速を続けていることなどから、世界経済の成長ペースは緩やかなものとなりました。また、日本経済におきましては、消費税増税による駆け込み需
要の反動を受けたものの、政府の経済政策や日銀の金融政策などの効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移して
まいりました。
自動車業界におきましては、米国では台数の伸びが見られるものの、新興国を始めとする他の地域では厳しい
状況が続いております。また、日本においては、消費税増税の反動による影響など、依然として不透明な状況が続い
ております。
このような情勢の中で当社グループといたしましては、豊田紡織㈱、アラコ㈱(内装事業)、タカニチ㈱の内装部
品3社が合併し、2014年で丸10年の節目を迎える中、「Quantum Leap(発想の飛躍)」の精神に基づき、
「情熱」と「執念」を持ち、「心をひとつ」にして全力で、企業価値の向上に取り組んでまいりました。また、
世界屈指のシートサプライヤーを目指す中で、シートを構成するシート骨格の技術力と専門性を強化するため、12月
にアイシン精機㈱とシロキ工業㈱からシート骨格機構部品の事業を当社が譲り受けることで3社が基本合意いたしま
した。
技術開発につきましては、コア技術である「高精度・高速プレス加工技術」を応用した生産工法により、MIRAI(ミライ)に搭載される燃料電池の基幹部品を受注、生産開始したほか、デザインとホールド性を両立さ
せた「表皮一体発泡工法」によるシート開発の推進により、LEXUS新型車への採用を拡大してまいりました。
また、PM2.5にも対応した除塵、脱臭、抗菌機能に優れた高機能クリーンエアフィルター「プレミアム」を
㈱デンソーと共同開発いたしました。JR北陸新幹線「グランクラス」で採用されました鉄道車両用シートにつきま
しても、お客様から高い評価をいただいております。
生産体制強化につきましては、シートカバー競争力確保のため、縫製工程を新生産拠点に分離移転し、生産拠点
の最適化を図ってまいりました。既にトルコのTBソーテックトルコ㈲、ラオスのトヨタ紡織ラオス㈱、中国の河源豊田紡織汽車部件㈲で生産しており、さらに、4月にはアルゼンチンにTBソーテックアルゼン
チン㈲(現ソーテックアルゼンチン㈲)を設立いたしました。また、TBAIポーランド㈲では、生産量の変動に応
じて長さを容易に短縮可能なユニットタイプのコンベアを新規採用し、生産効率を向上してまいりました。
収益体質強化につきましては、日本において採算改善委員会を、米国においては米州収益改善委員会を立上げ、固定費や無駄な投資の削減に取り組んでまいりました。また、欧州においてはリバイバルプラン推進委員会にて、組織統合による要員の最適化や、生産現場における収益改善などに取り組んでまいりました。
CSR活動の取組みといたしましては、お客様、株主、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホル
ダーからの期待と信頼に応えるために、国際行動規範や各国・各地域の法令遵守、大規模災害へのリスク対
応、地域に根ざした社会貢献活動など、グローバルな規模で展開してまいりました。
環境活動といたしましては、「2015年環境取り組みプラン」に基づき、環境と事業活動が調和した持続可能な社
会の実現に貢献するため、グローバルでの環境教育の体系化と推進、CO2排出量削減の実施、次世代自動車に対応
した技術開発の推進などに力を入れ、グローバルな環境先進企業を目指してまいりました。
連結売上高につきましては、北中南米地域での生産台数の増加や為替の影響などにより、前連結会計年度に比べ
87,102百万円(7.1%)増加の1,305,502百万円となりました。利益につきましては、製品価格変動の影響、製品立
上げの影響などの減益要因はありましたが、合理化などの増益要因により、連結営業利益は、前連結会計年度に比べ
3,570百万円(12.4%)増加の32,393百万円、連結経常利益は、前連結会計年度に比べ796百万円(2.0%)増加の
41,091百万円となりました。連結当期純利益は、特別損失の計上などにより、前連結会計年度に比べ7,406百万円
(△58.7%)減少の5,204百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
当地域におきましては、生産台数は減少しましたが、車種構成の良化などにより、売上高は、前連結会計年度に比
べ17,464百万円(2.6%)増加の678,868百万円となりました。営業利益につきましては、車種構成良化の影響や合理
化などにより、前連結会計年度に比べ13,771百万円(165.9%)増加の22,072百万円となりました。
② 北中南米
当地域におきましては、生産台数の増加などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ73,363百万円(34.2%)増
加の287,615百万円となりました。営業損失につきましては、増産の影響などはあったものの、製品立上げによる生
産準備費用の増加などにより、前連結会計年度に比べ641百万円増加の4,082百万円となりました。
③ アジア・オセアニア
当地域におきましては、中国における小型車へのシフトやタイでの生産台数の減少などにより、売上高は、前連結
会計年度に比べ9,813百万円(△3.0%)減少の312,982百万円となりました。営業利益につきましては、中国におけ
る車種構成悪化の影響やタイでの減産による影響などにより、前連結会計年度に比べ9,109百万円(△31.4%)減少
の19,927百万円となりました。
④ 欧州・アフリカ
当地域におきましては、生産台数の増加などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ15,497百万円(17.9%)増
加の101,863百万円となりました。営業損失につきましては、増産や合理化などの影響はあったものの、子会社決算
期変更の影響や新製品の生産準備費用などにより、前連結会計年度に比べ609百万円増加の5,462百万円となりまし
た。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、143,493百万円と前連結会計年度末に比
べ16,845百万円(13.3%)の増加となりました。
営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は65,536百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額11,678
百万円、仕入債務の減少3,926百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益24,834百万
円、減価償却費40,121百万円などにより資金が増加したことによるものです。
投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は51,615百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却によ
る収入2,849百万円、定期預金の払戻による収入1,306百万円などによる資金の増加はありましたが、有形固定資産の
取得による支出54,962百万円、定期預金の預入による支出1,228百万円などにより資金が減少したことによるもので
す。
財務活動の結果増加した現金及び現金同等物は516百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支
出6,677百万円などによる資金の減少はありましたが、短期借入金の純増額9,036百万円などにより資金が増加した
ことによるものです。