臨時報告書

【提出】
2017/05/15 16:46
【資料】
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提出理由

当社は、平成29年5月15日、取締役会決議により、日本無線株式会社(以下「日本無線」といい、当社と日本無線を併せ「両社」といいます。)との間で、当社を株式交換完全親会社、日本無線を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決定し、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式交換の決定

(1)本株式交換の相手会社についての事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号日本無線株式会社
本店の所在地東京都三鷹市牟礼六丁目21番11号
代表者の氏名代表取締役社長 荒 健次
資本金の額
(平成29年3月31日現在)
14,704百万円
純資産の額
(平成29年3月31日現在)
(連結)77,341百万円
(単体)72,749百万円
総資産の額
(平成29年3月31日現在)
(連結)167,092百万円
(単体)132,004百万円
事業の内容船舶用・防衛関連、防災行政無線等、無線通信機器の製造販売等

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(連結) (単位:百万円)
決算期平成27年3月期平成28年3月期平成29年3月期
売上高132,251125,192142,909
営業利益又は営業損失(△)7,7133,183△5,486
経常利益又は経常損失(△)7,9423,414△5,670
親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失(△)14,3421,6611,559

(単体) (単位:百万円)
決算期平成27年3月期平成28年3月期平成29年3月期
売上高116,959105,96390,876
営業利益又は営業損失(△)6,7211,430△7,672
経常利益又は経常損失(△)6,9491,629△7,538
当期純利益又は当期純損失(△)14,0989711,565


③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(平成29年3月31日現在)
大株主の氏名又は名称発行済株式の総数に占める持株数の割合(%)
日清紡ホールディングス株式会社61.81%
CHASE MANHATTAN BANK GTS CLIENTS ACCOUNT ESCROW2.56%
日本無線取引先持株会2.46%
KBL EPB S.A. 1077041.86%
日本無線従業員持株会1.77%

④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
ア.資本関係
当社は、日本無線の発行済株式総数の61.81%(20,278千株)を保有しており、同社の親会社であります。
イ.人的関係
当社の取締役2名が日本無線の取締役を兼任しております。
ウ.取引関係
日本無線は、当社のCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に加入しており、両社の間で貸付及び借入を行っております。
(2)本株式交換の目的
当社は、明治40年(1907年)に綿紡績専業メーカーとして創業した日清紡績株式会社(以下「日清紡績」といいます。)を起源とし、その後、繊維に加え、ブレーキ、精密機器、化学品、エレクトロニクスといった事業の多角化を進め、近年では、環境破壊や地球温暖化等、人間社会が直面する課題にソリューションを提供し、安全で安心な暮らしに貢献する「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、企業価値の向上に日々邁進しております。
一方、日本無線は、大正4年(1915年)に匿名組合として創業した日本無線電信機製造所を起源とし、無線通信技術及び情報技術をベースに、マリンシステム事業(海上機器事業)、通信機器事業、ソリューション・特機事業、メカトロニクス・電源事業及び医用機器事業の各事業において独自技術を開発し、発展してまいりました。
当社と日本無線とは、日本無線の戦後の経営困難期において、その経営の建て直しに日清紡績が大きく関わったことからその関係が始まり、平成22年12月の当社による日本無線の連結子会社化を通じて、その関係を深化させ、現在、日本無線は、無線通信機器・情報機器総合製造業のパイオニアとして、当社のエレクトロニクス事業グループにおける中核的存在となっております。
平成24年9月からは、日本無線を中心に、当時より当社の連結子会社である長野日本無線株式会社(以下「長野日本無線」といいます。)及び上田日本無線株式会社(以下「上田日本無線」といいます。)の主要3社で構成される日本無線グループの継続的な収益確保と更なる成長を果たすための強靭な経営体質構築、及び日本無線グループを含む当社のエレクトロニクス事業グループ全体の経営基盤強化に向け、当社の支援の下で、「成長戦略の遂行」と「グローバルレベルでのコスト構造改革」を基本方針とした「新たな成長に向けた事業構造改革」に取り組んでまいりました。
具体的には、グローバルレベルでのコスト構造改革の一環として、日本無線グループの生産・技術開発拠点の再構築を目的に、日本無線の三鷹製作所の生産を長野日本無線、上田日本無線及び海外新工場に移転したほか、平成26年12月には日本無線の生産・技術開発機能の主力を三鷹製作所から、日本無線グループの技術開発の中枢拠点として長野県長野市に新たに立ち上げた先端技術センターに移転するなど、日本無線グループの機能集約を進めてまいりました。さらに、平成28年3月には、事業構造改革を完遂し競争力ある事業基盤を創出するため、成長戦略を共有しスピードを上げて戦略遂行できる体制を構築するにあたり、当時より当社の連結子会社である長野日本無線及び上田日本無線を株式交換を通じて日本無線の完全子会社とし、資本関係も含めた事業再構築を進めてまいりました。
このように、日本無線を中心に当社のエレクトロニクス事業グループ全体で進めてきた事業構造改革は、平成29年9月で5年が経過することとなり、次のステージである成長戦略の加速度的な遂行へと歩みを進める段階にきております。
日本無線は、当社全面支援の下で、事業所の移転集約・人員合理化によるコスト構造改革を進め、インドネシア現地法人の設立など東南アジア展開の基盤整備も進めました。しかし、成長戦略遂行の遅れにより国内官公需依存からの脱却が図れておらず、それが直近の業績不振の原因ともなっています。現在、日本無線においては、新たな成長に向けた「ひとづくり改革」、「ものづくり改革」、「しくみづくり改革」に取り組んでいますが、グローバルレベルで構造改革を加速し、オートモーティブ事業等成長事業領域での事業拡大を図るには、当社との事業運営の一体化により当社が有する経営資源やオートモーティブ関連事業のネットワーク等をフル活用できる体制を整備する必要があります。
このような認識の下、当社と日本無線は、以前より両社の協業体制に関する議論を行っておりましたが、平成29年1月に、当社より日本無線に対して株式交換による完全子会社化に向けての協議を申し入れ、本株式交換の検討を開始いたしました。
その後、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、当社は、日本無線を完全子会社とすることにより、迅速果断な意思決定の下、両社の一体的な事業運営を強化し、「成長戦略の遂行」及び「コスト構造改革」を加速させ、併せて「ガバナンスレベルの向上」を図ることが、当社のエレクトロニクス事業グループの中核的存在である日本無線の企業価値、更には当社全体の企業価値の向上のために最善であるとの結論に至りました。具体的には、当社が日本無線を完全子会社とすることで享受できるメリットは次のとおりです。
① 成長戦略の遂行
1. 超スマート関連ビジネスの拡充
当社ではIoTやAIの発展を踏まえたセンシング技術と通信の連携により、超スマート社会※[1]の実現に取り組むことを中期戦略に盛り込んでいます。既に当社と日本無線は、組織横断的協業によりADAS(先進運転支援システム)ビジネスを推進していますが、今後更に日本無線の無線通信技術を活用し、当社のエレクトロニクス事業グループ以外の事業部門が有する精密機器・化学品関連の技術や知見を融合させることで、超スマート社会の実現に向けた研究開発及び生産・販売体制を、当社グループとして構築することが可能となります。
※[1] 超スマート社会とは「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」をいいます(平成28年1月22日閣議決定「科学技術基本計画」)。
2. グローバル事業展開
当社は、日本無線のインドネシア現地法人の設立において、当社が有する知見及び現地ネットワークを提供してまりました。今後さらに、Nisshinbo Singapore Pte. Ltd.を起点とした東南アジアビジネスの拡充、必要資金の調達、リスクマネジメントの強化や、日清紡企業管理(上海)有限公司を活用した中国ビジネスの展開など、当社のアジア展開の実績やネットワークを、日本無線のグローバル事業展開に活用することにより、当社のエレクトロニクス事業グループ全体のさらなる発展を推進することが可能となります。
② コスト構造改革
当社と日本無線の物流拠点の相互活用・統廃合の推進、両社の重複する間接部門の共有化を推進することにより、当社グループの経営資源を効率的に活用し、グループ全体の管理コストの一層の削減が可能となります。
③ ガバナンスレベルの向上
当社は、日本無線を当社の完全子会社とすることで、両社の一体的な事業運営が可能となります。これにより、グループ経営のガバナンスレベルの向上を図り、当社のエレクトロニクス事業グループ全体の成長戦略の遂行を加速させることが可能となります。
一方、日本無線としても、当社からの申し入れを真摯に検討した結果、日本無線が当社の完全子会社となることで、以下のメリットを享受することが期待できることから、日本無線の企業価値向上に寄与するものとの結論に至りました。
① 当社の信用力及び資本力を活かしたIT投資、成長投資等への期待
より厳しさが増す事業環境において日本無線が勝ち残るためには、「コスト構造改革」を一層進展させていくためのIT投資や、M&Aや新規事業等を行うための成長投資等が必要になりますが、当社の信用力及び資本力を活かした効率的な資金調達が可能となります。
② 統合による間接業務の負荷軽減と経費節減
当社と重複する間接部門の合理化を推進することにより、間接部門の従業員の負担軽減や経費削減が可能となります。
③ 当社の生産技術及びノウハウの活用
日本無線は、成長のための取り組みの1つとして、通信機器事業においてオートモーティブ事業を推進しておりますが、当社はブレーキ事業を中心に自動車部品メーカーと多くの取引実績を持つことから、日本無線は当社が培ったオートモーティブ分野における量産技術や品質管理ノウハウを享受することが可能となります。
④ 当社が構築したグローバルネットワークの活用
日本無線は、マリンシステム事業においては完全子会社であるAlphatron Marine Beheer B.V.を中心に海外展開が進んでいるものの、ソリューション・特機事業の官公庁向けの防災システム等における海外展開は遅れており、今後アジアを中心とした販売拠点の拡充等を進展していく必要がありますが、当社のアジア展開のノウハウや顧客ネットワークを活用することで、グローバル事業展開を迅速かつ効率的に進めることができます。
⑤ 当社のガバナンス力の共有
日本無線は、国内外において子会社32社及び関連会社1社を傘下に持ち、事業運営を行っておりますが、当社からの子会社管理ノウハウの享受により、日本無線の子会社等へのガバナンスレベルの向上を図ることができます。
また、当社と日本無線は、当社による日本無線の完全子会社化によりもたらされる企業価値の向上を日本無線の少数株主の皆様にも享受いただくためには、当社を株式交換完全親会社とし日本無線を株式交換完全子会社とする株式交換の方法により、日本無線の少数株主の皆様には本株式交換後は当社の株主となっていただくことが最善であるとの結論に至ったものであります。よって、本日、両社の取締役会決議により、当社が日本無線を完全子会社とすることを目的として、本株式交換を実施することを決定いたしました。
本株式交換により、当社と日本無線は、エレクトロニクス事業におけるシナジー創出の加速はもとより、当社のその他の事業とのシナジー創出を進めていきます。そして、当社グループ及び日本無線グループが一丸となって、厳しさを増すグローバル競争に打ち勝つ体制の構築を一層進め、「超スマート社会の実現」に貢献してまいります。
(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容
① 本株式交換の方法
本株式交換は、当社を株式交換完全親会社とし、日本無線を株式交換完全子会社とする株式交換です。本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続きにより、株主総会の承認を受けずに、また、日本無線については、平成29年6月26日開催予定の定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、平成29年10月2日を効力発生日として行われる予定です。
② 本株式交換に係る割当ての内容
会社名当社
(株式交換完全親会社)
日本無線
(株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率11.28
本株式交換により交付する株式数当社の普通株式:15,860,220株(予定)

(注1) 株式の割当比率
日本無線株式1株に対して、当社株式 1.28株を割当て交付いたします。なお、本株式交換比率は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社協議及び合意の上、変更されることがあります。
(注2) 本株式交換により交付する当社株式数
当社は、本株式交換に際して、当社が日本無線の発行済株式(当社が保有する日本無線株式(平成29年5月15日現在20,278,883株)を除きます。)の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)における日本無線の株主の皆様(但し、下記の自己株式の消却が行われた後の株主をいうものとし、当社を除きます。)に対し、その保有する日本無線株式に代えて、上記表に記載の本株式交換比率に基づいて算出した数の当社株式を交付いたします。
本株式交換により交付する当社株式の全ては、当社の保有する自己株式(平成29年3月31日現在20,013,820株)を充当する予定であり、新たに株式の発行を行わない予定です。
なお、日本無線は、本株式交換効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、基準時において保有する全ての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて日本無線が取得する株式を含みます。)を基準時において消却する予定です。本株式交換によって交付する株式数については、日本無線が基準時までに保有することとなる自己株式の数等により今後修正される可能性があります。
(注3) 単元未満株式の取扱い
本株式交換により、当社の単元未満株式(100株未満の株式)を保有する株主が新たに生じることが見込まれます。特に、日本無線株式を79株未満保有されている日本無線の株主の皆様は、当社の単元未満株式のみを保有することとなる見込みであり、金融商品取引所市場においては単元未満株式を売却することはできません。当社の単元未満株式を保有することとなる株主の皆様におかれましては、以下の制度をご利用いただくことができます。
1.  単元未満株式の買取制度(100株未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、当社の単元未満株式を保有する株主の皆様が、当社に対してその保有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる制度です。
2.  単元未満株式の買増制度(100株への買増し)
会社法第194条第1項及び当社の定款等の定めに基づき、当社の単元未満株式を保有する株主の皆様が、当社に対してその保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数の当社株式を売り渡すことを請求し、これを当社から買い増すことができる制度です。
(注4) 1株に満たない端数の処理
本株式交換に伴い、当社株式1株に満たない端数の割当てを受けることとなる日本無線の株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の定めに従い、当社が、当社株式1株に満たない端数部分に応じた金額を現金でお支払いいたします。
③ その他の株式交換契約の内容
本株式交換契約の内容は以下のとおりです。
株式交換契約書
日清紡ホールディングス株式会社(以下「甲」という。)及び日本無線株式会社(以下「乙」という。)は、以下のとおり、株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(株式交換)
甲及び乙は、本契約に定めるところに従い、甲を株式交換完全親会社とし、乙を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により、乙の発行済株式(ただし、甲が保有する乙の株式を除く。以下同じ。)の全部を取得する。
第2条(当事会社の商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は以下のとおりである。
甲 商号:日清紡ホールディングス株式会社
住所:東京都中央区日本橋人形町二丁目31番11号
乙 商号:日本無線株式会社
住所:東京都三鷹市牟礼六丁目21番11号
第3条(本株式交換に際して交付する株式の数及びその割当てに関する事項)
1. 甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)における乙の株主(ただし、第7条に定める乙の自己株式の消却が行われた後の株主をいうものとし、甲を除く。以下「本割当対象株主」という。)に対して、その保有する乙の普通株式に代わる金銭等として、その保有する乙の普通株式の数の合計数に1.28を乗じて得た数の甲の普通株式を交付する。
2. 甲は、本株式交換に際して、本割当対象株主に対して、その保有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式1.28株の割合をもって割り当てる。
3. 前二項の規定に従って本割当対象株主に対して割り当てるべき甲の普通株式の数に、1に満たない端数がある場合には、甲は、会社法第234条その他の関係法令の規定に従って処理する。
第4条(本株式交換の効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下「効力発生日」という。)は、平成29年10月2日とする。ただし、本株式交換の手続進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙が協議し合意の上、効力発生日を変更することができる。
第5条(資本金及び準備金の額)
本株式交換により増加する甲の資本金及び準備金の額は、会社計算規則第39条第2項の規定に従い甲が別途適当に定める金額とする。
第6条(株式交換契約の承認)
1. 甲は、会社法第796条第2項本文の規定により、本契約につき会社法第795条第1項に定める株主総会の決議による承認を受けることなく本株式交換を行う。ただし、会社法第796条第3項の規定により本契約につき株主総会の決議による承認が必要となった場合には、甲は、効力発生日の前日までに、株主総会において本契約の承認及び本株式交換に必要なその他の事項に関する決議を求める。
2. 乙は、効力発生日の前日までに、会社法第783条第1項に定める株主総会において、本契約の承認及び本株式交換に必要なその他の事項に関する決議を求める。
第7条(自己株式の消却)
乙は、効力発生日の前日までに開催される乙の取締役会の決議により、基準時において保有する全ての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて乙が取得する株式を含む。)を基準時において消却する。
第8条(会社財産の管理)
甲及び乙は、本契約の締結日から効力発生日の前日までの間、それぞれ善良なる管理者の注意をもって自己の業務の執行及び財産の管理・運営を行い、その財産又は権利義務について重大な影響を及ぼすおそれのある行為を行おうとする場合には、事前に相手方と協議し合意の上、これを行う。
第9条(本契約の変更及び解除)
本契約の締結日から効力発生日の前日までの間に、甲又は乙の財産状態又は経営状態に重大な変動が生じた場合、本株式交換の実行に重大な支障をきたす事態が生じ又は明らかとなった場合その他本契約の目的の達成が困難となった場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、本株式交換の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。
第10条(本契約の効力)
本契約は、次の各号のいずれかに該当する場合にはその効力を失う。
(1)   第6条第1項ただし書の規定による甲の株主総会の決議による承認が必要となった場合において、効力発生日の前日までに、甲の株主総会において本契約又は本株式交換に必要な事項に関する承認が得られなかった場合
(2)   効力発生日の前日までに、第6条第2項に定める乙の株主総会において、本契約又は本株式交換に必要な事項に関する承認が得られなかった場合
(3)   本株式交換に関し、法令に基づき、効力発生日までに必要な関係官庁等からの許可、承認等の取得、又は関係官庁等に対する届出手続が完了しない場合
(4)   前条に基づき本契約が解除された場合
第11条(裁判管轄)
本契約の履行及び解釈に関して紛争が生じた場合には、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第12条(協議事項)
本契約に定める事項のほか、本株式交換に関し必要な事項は、本契約の趣旨に従い、甲及び乙が協議し合意の上、これを定める。
以上を証するため、本契約書の正本2通を作成し、甲及び乙の各代表者が押印の上、甲及び乙が各1通を保有する。
平成29年5月15日
甲:      東京都中央区日本橋人形町二丁目31番11号
          日清紡ホールディングス株式会社
          代表取締役社長 河田 正也
乙:      東京都三鷹市牟礼六丁目21番11号
          日本無線株式会社
          代表取締役社長 荒 健次
(株式交換契約書は以上)
(4)本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
① 割当ての内容の根拠及び理由
当社及び日本無線は、上記2.(2)「本株式交換の目的」に記載のとおり、平成29年1月に、当社より日本無線に対して本株式交換について申し入れ、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、当社が日本無線を完全子会社とすることが、日本無線を含む当社グループ全体の企業価値向上にとって最善の判断と考えるに至りました。
当社及び日本無線は、本株式交換に用いられる上記2.(3)②「本株式交換に係る割当ての内容」に記載の本株式交換比率その他本株式交換の公正性・妥当性を確保するため、当社はGCA株式会社(以下「GCA」といいます。)を、日本無線はみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)をそれぞれ第三者算定機関として選定し、また、当社は森・濱田松本法律事務所を、日本無線は西村あさひ法律事務所をそれぞれ法務アドバイザーとして選定し、本格的な検討を開始いたしました。
当社は、本株式交換に用いられる株式交換比率の算定を依頼したGCAから受領した株式交換比率算定書、森・濱田松本法律事務所からの助言、当社が日本無線に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、慎重に協議・検討した結果、本株式交換比率はそれぞれの株主にとって妥当であるものと判断いたしました。
日本無線は、本株式交換に用いられる株式交換比率の算定を依頼したみずほ証券から平成29年5月15日付で受領した株式交換比率算定書、西村あさひ法律事務所からの助言、支配株主である当社と利害関係を有しない日本無線の社外取締役であり、東京証券取引所に独立役員として届け出ている飯田英男氏及び橋本逸男氏から平成29年5月15日付で受領した本株式交換を行うことを決定することは日本無線の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる旨の意見書、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、本株式交換比率により本株式交換を行うことについて慎重に協議・検討いたしました。そして、本株式交換比率は、下記③「算定の概要」に記載のとおり、みずほ証券から受領した株式交換比率の算定結果のうち、ディスカウンティッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定レンジの範囲内であり、また、市場株価基準法の算定レンジの上限を上回ることから合理的な水準にあり、日本無線の少数株主の皆様にとって不利益なものではないとの判断に至ったことから、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
このように、当社及び日本無線は、それぞれの第三者算定機関から得た株式交換比率の算定結果及び助言並びにそれぞれの法務アドバイザーからの助言を参考に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、両社の財務状況、業績動向、株価動向等を総合的に勘案した上、両社間で株式交換比率について慎重に協議・検討を複数回にわたり重ねた結果、本株式交換比率はそれぞれの株主にとって妥当であるものとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うこととし、本日、両社の取締役会決議により、両社間で本株式交換契約を締結することを決定いたしました。
② 算定機関の名称及び両社との関係
当社の第三者算定機関であるGCAは、当社及び日本無線の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、日本無線の第三者算定機関であるみずほ証券は、当社及び日本無線の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
③ 算定の概要
当社及び日本無線は、本株式交換に用いられる株式交換比率の算定に当たって公正性を期すため、当社はGCAを、日本無線はみずほ証券を第三者算定機関として選定し、それぞれ本株式交換に用いられる株式交換比率の算定を依頼し、以下の内容を含む株式交換比率算定書を取得いたしました。
GCAは、本株式交換に用いられる株式交換比率について、当社及び日本無線いずれの普通株式についても東京証券取引所市場第一部に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、また、両社の将来の事業活動の状況を評価に反映するためにDCF法をそれぞれ採用して算定を行いました。なお、DCF法の算定の基礎とした両社の財務予想は、本株式交換の実施を想定したものではありません。
当社株式の1株当たりの株式価値を1とした場合の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定レンジ
市場株価平均法1.153 ~ 1.254
DCF法1.078 ~ 1.646

GCAは、上記株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、両社並びにその子会社及び関連会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して、個別の各資産及び各負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。GCAの株式交換比率の算定は、平成29年5月12日現在までの情報及び経済条件を反映したものであり、両社の財務予測については、両社により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。
なお、GCAがDCF法による算定の前提とした当社の将来の財務見通しにおいては、営業利益について、平成30年3月期は15,000百万円、平成31年3月期は24,600百万円、平成32年3月期は34,600百万円と、各年度における大幅な増益を見込んでおります。これは、主として、エレクトロニクス分野における日本無線のマリンシステム事業において、海運業界の回復、換装需要の取り込み及び需要変動が比較的小さな中小型船舶の需要の拡大、並びに、日本無線のソリューション・特機事業において、国内民需及び海外防災需要の拡大等による増益要因を加味したことによります。また、ブレーキ事業においては、平成23年11月に買収した欧州ブレーキ摩擦材メーカーであるTMD Friction Group S.A.の買収に伴うのれん償却が平成29年3月期で終了することによる影響も増益要因となっております。日本無線の将来の財務見通しにおいては、営業利益について、平成30年3月期は0百万円、平成31年3月期は4,500百万円、平成32年3月期は8,200百万円と、各年度における大幅な増益を見込んでおります。これは、主として、マリンシステム事業において、海運業界の回復、換装需要の取り込み及び需要変動が比較的小さな中小型船舶の需要の拡大、並びに、ソリューション・特機事業において、国内民需及び海外防災需要の拡大等による増益要因を加味したことによります。
また、市場株価平均法においては、算定基準日である平成29年5月12日(以下「基準日」といいます。)を基準日として、東京証券取引所市場第一部における当社株式及び日本無線株式の、基準日の終値、平成29年5月8日から基準日までの直近1週間の終値単純平均値、平成29年4月13日から基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値、平成29年2月13日から基準日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値及び平成28年11月14日から基準日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用しております。
他方、みずほ証券は、当社及び日本無線の普通株式の株式交換比率について、両社の普通株式が東京証券取引所に上場しており、市場株価が存在していることから市場株価基準法による算定を行うとともに、両社の将来の事業活動の状況を算定に反映する目的からDCF法を採用して株式交換比率の算定を行いました。
市場株価基準法では、平成29年5月12日を算定基準日とし、東京証券取引所における両社それぞれの普通株式の算定基準日の株価終値、算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間における終値単純平均株価を採用しております。
DCF法においては、みずほ証券は、当社について、当社が作成した平成30年3月期から平成32年3月期までの財務予測に基づく将来キャッシュフローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって企業価値や株式価値を評価しております。割引率は5.55~6.05%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長法では永久成長率として‐0.25~0.25%を採用しております。他方、日本無線については、みずほ証券は、日本無線が作成した平成30年3月期から平成32年3月期までの財務予測に基づく将来キャッシュフローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって企業価値や株式価値を評価しております。割引率は5.65~6.15%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長法では永久成長率として‐0.25~0.25%を採用しております。なお、DCF法の算定の基礎とした両社の財務予想は、本株式交換の実施を想定したものではありません。また、みずほ証券がDCF法による算定の前提とした当社の将来の財務見通しにおいては、営業利益について、平成30年3月期は15,000百万円、平成31年3月期は24,600百万円、平成32年3月期は34,600百万円と、各年度における大幅な増益を見込んでおります。これは、主として、エレクトロニクス分野における日本無線のマリンシステム事業において、海運業界の回復、換装需要の取り込み及び需要変動が比較的小さな中小型船舶の需要の拡大、並びに、日本無線のソリューション・特機事業において、国内民需及び海外防災需要の拡大等による増益要因を加味したことによります。また、ブレーキ事業においては、平成23年11月に買収した欧州ブレーキ摩擦材メーカーであるTMD Friction Group S.A.の買収に伴うのれん償却が平成29年3月期で終了することによる影響も増益要因となっております。日本無線の将来の財務見通しにおいては、営業利益について、平成30年3月期は0百万円、平成31年3月期は4,500百万円、平成32年3月期は8,200百万円と、各年度における大幅な増益を見込んでおります。これは主として、マリンシステム事業において、海運業界の回復、換装需要の取り込み及び需要変動が比較的小さな中小型船舶の需要の拡大、並びに、ソリューション・特機事業において、国内民需及び海外防災需要の拡大等による増益要因を加味したことによります。
各評価手法による当社株式の1株当たりの株式価値を1とした場合の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定レンジ
市場株価基準法1.153 ~ 1.254
DCF法0.973 ~ 1.381

みずほ証券は、上記株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を採用し、採用したそれらの資料及び情報等が全て正確かつ完全なものであること、株式交換比率の算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、両社及びその子会社・関連会社の資産及び負債(偶発債務を含みます。)について、独自に評価又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。また、両社の事業見通し及び財務予測については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に準備・作成されていることを前提としております。
(5)本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号日清紡ホールディングス株式会社
本店の所在地東京都中央区日本橋人形町二丁目31番11号
代表者の氏名代表取締役社長 河田 正也
資本金の額27,587百万円
純資産の額現時点で確定しておりません。
総資産の額現時点で確定しておりません。
事業の内容エレクトロニクス製品、ブレーキ製品、精密機器、化学品、繊維製品等の製造及び販売等、並びに不動産の売買及び賃貸借等

以 上