有価証券報告書-第90期(平成25年10月1日-平成26年10月31日)

【提出】
2015/01/23 12:26
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和を背景に企業収益や雇用情勢に改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、円安進行による原材料、エネルギー価格の高騰による景況感の悪化に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減からの回復には至っておりません。さらに国内のみならず海外の景気動向についても不透明な状況で推移いたしました。
このような経営環境のなか、当社グループは当連結会計年度に5ヶ年中期経営計画の最終年度を向かえ、目標である収益・財務体質の改善を目指し事業を推進してまいりました。その結果、本計画中の累計売上高は目標を達成しましたが、事業利益に関しましては経費削減に大きな成果を見たものの未達成となりました。また財務指標、特に借入金に関しましては、株式売却の未実行分を除き目標値に近づけることができました。なお、当社グループは経営計画の策定や業務の執行にあたり、天候変動などの季節要因による予実乖離の影響を回避し、業務管理等の経営および事務の効率化を図ることを目的として、決算期を9月30日から10月31日に変更いたしました。これに伴い、当連結会計年度は13ヶ月の変則決算となっておりますことから、対前連結会計年度との増減額・比率等については記載しておりませんが、参考のため前連結会計年度実績を括弧書きとして表示しております。
繊維業界におきましては、期初には秋冬物衣料、特に重衣料販売は好調に推移いたしましたが、期央以降は消費税増税と初夏からの天候不順の影響により消費減退が顕著となりました。また円安による原価高騰の継続的な進行は、事業活動に大きな影響を与えました。このような経営環境のなか当社グループは収益体質の改善、財務体質の強化、新商品の開発と市場開拓に注力してまいりました。さらには市場変化に対応した組織形態への移行を進め、業務の効率化による経費の削減と製造コストの低減に努めるとともに事業資源の効率的な運用を図ってまいりました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,065,832千円(前連結会計年度961,837千円)、営業利益63,056千円(前連結会計年度53,943千円)、経常利益38,326千円(前連結会計年度27,453千円)、当期純利益37,135千円(前連結会計年度21,776千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①繊維事業
当社グループの売上高の約77%を占める主力事業であります。
当連結会計年度における事業環境は、アベノミクスによる経済効果は大都市部、大企業を中心に好況をもたらしたものの、地方、中小企業や一般消費者までの波及は乏しく、全体としての景気回復には至りませんでした。このような環境のなか、特殊獣毛での素材開発、顧客ニーズに合致した製品の提案、新規取引先の開拓などに注力してまいりました。原糸部門は、新規ニット素材が順調に売上を伸長するとともに、基幹素材の受注も好調に推移いたしました。またテキスタイル素材についても、カシミヤ混糸を中心に増収をはかることができました。製品部門は
、既存取引先の店頭販売の不調と円安による原価高騰のため受注数量の減少をみました。これに対処するため専門店に比べ落ち込みの少ない百貨店関連の受注に注力しましたが、補填することができませんでした。その結果、受注高831,577千円(前連結会計年度 687,263千円)、売上高815,474千円(前連結会計年度 724,307千円)、営業利益32,319千円(前連結会計年度 25,100千円)、在庫高248,402千円(前連結会計年度 240,383千円)となりました。
②賃貸事業
当連結会計年度における賃貸事業は、前年度と同様に安定した売上、収益となりました。売上高は182,781千円(前連結会計年度 167,143千円)、営業利益114,424千円(前連結会計年度 102,877千円)となりました。なお、懸案となっておりました再開発事業に関しましては、太陽テキスタイルサポート株式会社が物流事業にて使用しております建物・構築物を解体の後に、店舗等を建設、賃貸する内容の覚書を平成26年6月26日に株式会社ユニリビングとの間で締結いたしました。
③物流事業
当連結会計年度における事業環境は、前半は消費増税の駆け込み需要と欧米を中心とした買い付け商品の取扱い増加などで順調であったものの、後半は消費低迷を背景に秋冬衣料品の取扱が伸び悩むというきびしい状況で推移しました。このような環境のなか、既存顧客の取引拡大と新規開拓に注力しましたが、その結果は売上高67,575千円(前連結会計年度70,387千円)、営業利益3,225千円(前連結会計年度 7,799千円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によって生じた資金を投資活動
および財務活動で使用しました結果74,787千円(前連結会計年度52,301千円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は116,268千円(前連結会計年度47,394千円)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益および減価償却費、売上債権の減少および長期預り敷金保証金の増加などによ
るものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は21,720千円(前連結会計年度53,375千円)となりました。
これは主に有形固定資産の取得などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は72,085千円(前連結会計年度37,154千円)となりました。
これは主に短期借入金および長期借入金の返済などによるものであります。