有価証券報告書-第115期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:32
【資料】
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、消費税率引き上げにともなう駆け込み需要の反動で個人消費が弱含みに推移したことや、円安の急速な進行にともなう輸入物価の上昇および新興国経済の減速への警戒感などもあり、先行き不透明な状況が続いたが、堅調な公共投資や雇用環境の改善などにより景気は緩やかながらも回復基調が続いた。
このような情勢のなかで当社グループは、最優先に取り組むべき課題と認識している、「顧客志向の商品開発、各製品の性能・品質の向上」に向けた施策として、平成26年4月に機構改革を実施し、ものづくりを重視する新体制のもと、商品開発の強化やQCD(品質・コスト・納期)の高度化に取り組むとともに、各経費項目を洗い直し、経営の効率化に努めるなど、利益確保に向けた諸施策を実施したほか、新たに常務会、経営会議といった会議体を設置、スピード感のある経営の意思決定の仕組みづくりにも注力し、業績の向上に努めてきた。
自動車安全部品事業においては、自動車関連用品の拡販と海外子会社の業績改善、市場の変化に柔軟に対応できる調達・生産体制の構築を推進した。また機能製品事業においては、パルテム関連の積極的な拡販活動、産業資材関連では造船業界の好況を背景に「タイトナー」の受注拡大、また防災関連では防災・減災意識の高まりを受け、大口径送水ホースの拡販に注力するなど、収益の確保に取り組んできた。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は480億67百万円と、前連結会計年度に比べ2.9%の増収となり、過去最高の売上高となった。
利益面では、自動車安全部品事業において円安の影響を受けたことによる海外調達部品のコストアップや、機能製品事業の防災関連が黒字化に至らなかったことなど、収益を押し下げる要因があったこともあり、営業利益は10億25百万円と、前連結会計年度に比べ12.1%の減益となった。また海外子会社を中心に為替差益3億88百万円を営業外収益に計上したものの、経常利益も13億6百万円と、前連結会計年度に比べ16.5%の減益となった。一方、特別利益として資産効率の向上および財務体質の強化をはかるべく投資有価証券の一部を売却したこと、および製品保証引当金の戻入を行ったことなどから、当期純利益は14億70百万円(前連結会計年度は12億25百万円の当期純損失)と過去最高益となった。
セグメントの概況は次のとおりである。
当社は、事業本部制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車安全部品事業」「機能製品事業」の2つを報告セグメントとしている。
当連結会計年度より、報告セグメントとする事業セグメントを変更しており、以下の前連結会計年度との比較・分析は、変更の影響を含んでいる。
①自動車安全部品事業
シートベルト、エアバッグは、メキシコ現地法人での生産が開始するなど、増収要因があったが、国内市場において受注車種の減産やフルモデルチェンジの影響を受け、売上が減少した。自動車関連用品(内装品その他)については、トノカバー、ドアシェードなどの内装品が海外も含め順調に推移し、売上が増加した。
この結果、当事業の売上は359億32百万円と、前連結会計年度に比べ1.5%増収となり、営業利益は9億4百万円と、前連結会計年度に比べ22.1%減益となった。
②機能製品事業
パルテム関連では、下水道分野や緊急排水ホースが期を通じて好調に推移し、売上が増加した。産業資材関連では、造船業界の好況を背景に「タイトナー」が活況を呈したほか、ロープの販売も順調に推移し、売上が増加した。また、防災関連は、消防用および消火栓用ホースの販売回復により、売上が増加した。
この結果、当事業の売上は121億22百万円と、前連結会計年度に比べ7.3%増収となり、営業利益は12億28百万円と、前連結会計年度に比べ20.6%増益となった。
③その他
その他の売上は12百万円と、前連結会計年度に比べ16.7%減収となり、営業利益は4百万円と、前連結会計年度とほぼ横這いとなった。
(2)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益16億53百万円、減価償却費12億93百万円、たな卸資産の増加額9億55百万円、売上債権の増加額9億8百万円、その他各種要因による減少14億74百万円等により、22億40百万円増加して14億44百万円となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、有形固定資産の取得による支出15億96百万円、投資有価証券の売却による収入9億30百万円等により、5億52百万円減少して5億94百万円となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べ、社債の発行による収入19億48百万円、長期借入れによる収入5億円、短期借入金の純減額17億20百万円等により、1億86百万円減少して6億15百万円となった。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度に比べ
13億5百万円減少して25億3百万円となった。