有価証券報告書-第103期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 10:54
【資料】
PDFをみる
【項目】
112項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、技術開発本部を核として、本体及びグループ各社の連携を強化し、また産地協力企業とのクラスター活動や、多くの大学や公設試と共同研究を推進し、「世界に冠たる先端ファブリックメーカー」として事業戦略に沿った要素技術及び商品の開発を推進しております。なお、当社グループの当連結会計年度末現在の特許及び実用新案の所有は88件、出願中は65件であり、研究開発費は、616百万円であります。
繊維事業
①衣料開発分野
ファッション分野では、天然志向の流れを受け、天然色素成分によるナイロンベースでの染色加工技術を確立し、環境配慮ハイブリッド素材『ONIBEGIE(オニベジ)』と、インディゴに特化した新『Digo(ディーゴ)』を6月の東京展にて発表しております。『オニベジ』につきましては、国内のみならず、7月のパリ日本文化会館での個展、9月のドイツ最大のファッション展示会「THE MUNICH FABRIC START」、イタリア・ミラノ個展、フランス「プルミエールビジョン」でも人気となり、高い評価を得ており、国内で歴史と権威のある繊研合繊賞で「テクニカル部門賞」を受賞、また、石川県からも「いしかわ企業研究者」制度において、優秀賞に選ばれております。さらに、3月には、ポリエステルへの加工技術も確立し、東京総合展示会にて上市し、合成繊維の代表2素材に独特の優しい色合いをもたせて素材提供できる様になりました。
スポーツ・アウトドア分野では、2月に世界最大級のスポーツ用品見本市「ISPO MUNICH 2015」に出展し、『モナリザ』、『トピーレⅡ』、『エアダイ』等のファッションと、『クアトローニ』等の高機能素材との組合せ素材を提案することで、この分野における当社ブランドの再構築、販路拡大に繋がっています。続く3月には、中国・上海個展や韓国個展とアジア市場への展開を図っております。
民族衣装分野では、中東民族衣装「トーブ」用途に、優れた汚れ除去性能を持たせた『SARA』を上市し、機能をわかり易く見せるデモンストレーションの考案、販促ツール化と合わせて、受注増につながっております。
これらの独自加工技術・素材をもって国際市場を開拓し、世界のラグジュアリーブランドで多く採用されていることが評価され、「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されております。
②非衣料開発分野
熱可塑性炭素繊維複合材料『CABKOMA(カボコーマ)』に関して、ストランドロッド、シート、TOWチップのバリエーションを揃え、3月に世界最大級の欧州複合材料展示会「JEC Europe 2015」へ初出展し、注目を集め、引き合いを多く受けており、量産化に向けた手応えを得ています。
③環境関連分野
超微多孔セラミックス『グリーンビズ』については、6月に東京大学工学部建築学部 隈研吾研究室と共同で「東京オリンピック・パラリンピックに向けた環境デザインのアイデア」と題した展示・報告会を開催し、エコ建材として産学官にわたり、大いにアピール出来ております。また、イタリア「ミラノ万博」の日本館に採用が決まり、全世界に向けた販路拡大に向け、大きな手応えを感じております。身近なところでは、「石川県建設新技術認定・活用制度」に、『グリーンビズg(グリーンビズグラウンド)』が認定され、県内公共工事に積極的に導入されることになっております。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、616百万円となりました。