有価証券報告書-第80期(平成28年12月1日-平成29年11月30日)

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2018/02/27 13:39
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成28年12月~平成29年11月)における我が国経済は、米国政権の政策や欧州の政治リスク、東アジアの地政学的リスクなどによる国内景気への影響が懸念されるなか、大規模な金融緩和をはじめ政府の各種経済対策の効果もあり、企業業績や雇用・所得環境に改善傾向が見受けられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
一方、住宅需要につきましては、低水準な住宅ローン金利や政府による住宅取得支援策、賃貸住宅の増加などを背景に、新設住宅着工戸数は概ね堅調に推移してきましたが、分譲一戸建が引き続き堅調な一方、昨年夏場以降は、持家や貸家の着工数がやや減少に転じました。
こうしたなか当社グループは、床材や建具など建材製品の拡販や、製造コストの低減、製品短納期化による競争力の強化など利益率の改善に取り組みました。また、合板類については適切な生産、仕入、販売に努め、収益力の向上をはかりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高66,897百万円(前期比3.0%増)、営業利益4,474百万円(前期比25.4%増)、経常利益4,796百万円(前期比29.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,972百万円(前期比29.0%増)となり、大幅に改善いたしました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
住宅建材事業
住宅建材事業につきましては、デザイン性・施工性に優れた建具類のシリーズ「BINOIE(ビノイエ)」、斬新で表情豊かなインテリア空間を表現する建具とフローリングのシリーズ「Art Couture(アートクチュール)」、循環可能な木材資源である国産材合板を基材に使用したフローリングのシリーズ(「ナチュラルフェイス・Jベース」「Jシルキー」「Jクラレス」他)など建材製品の拡販に努めました。また、最近のトレンド変化に対応するため、これら国産材合板を基材に使用したフローリングの表面を特殊加工化粧シート(NEXシート)とした「Jネクシオ」を新たにラインナップしました。
さらに、安心安全ユニバーサルデザインなど高齢者対応、環境、リフォーム、住宅の長寿命化等をテーマに、高付加価値製品の提案に努めるとともに、地球環境に優しいリサイクル素材を使用し、耐震性能や劣化軽減性能に優れた構造用MDFの販売に注力いたしました。加えて、ビノイエなど売れ筋品からセレクトした短納期対応製品「レギュラーズセレクション」も展開、リフォーム・リノベーション需要獲得に向けた体制整備をはかりました。なお、これら建材製品の原材料であるMDFは製造コストが上昇し、損益の圧迫要因となりました。
この結果、住宅建材事業の売上高は40,802百万円(前期比0.6%減)、セグメント利益は2,839百万円(前期比13.4%減)となりました。
合板事業
国産針葉樹合板は、依然として業界全体の製品在庫水準が低く、当社及び子会社の生産、販売が好調に推移するなか、販売価格は緩やかな値上がり傾向で安定した合板相場が続いたことから、平成27年5月に稼動を開始した当社合板工場も収益に貢献し、前年同期に比べ売上高・利益とも増加いたしました。一方、輸入南洋材合板は、生産現地の原木伐採税の増税をきっかけとする市況の先高感のほか、急激な円安による一時的な要因もあり販売数量が増加し、前年同期に比べ売上高・利益とも増加いたしました。
この結果、合板事業の売上高は26,095百万円(前期比9.4%増)、セグメント利益は3,079百万円(前期比87.5%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,567百万円増加し、 14,614百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,741百万円となり、減価償却費の計上による1,935百万円の増加や、持分法投資利益の計上による223百万円の減少、売上債権の増加による516百万円の減少、たな卸資産の減少による1,256百万円の増加、仕入債務の増加による485百万円の増加、未払消費税等の減少による443百万円の減少、法人税等の納付による1,588百万円の減少などの要因から、6,103百万円の収入(前期は4,917百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などの有形固定資産の取得による2,129百万円の減少などの要因から、1,844百万円の支出(前期は1,426百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による1,400百万円の増加、長期借入金の返済による1,533百万円の減少、配当金の支払額301百万円などの要因から、691百万円の支出(前期は1,026百万円の支出)となりました。