有価証券報告書-第105期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 15:02
【資料】
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【項目】
127項目

研究開発活動

当社グループは、ユーザーニーズの変化に対応した商品の開発・改良に主眼を置き、高付加価値品の商品化、複合商品等、新規分野の開発及び薬品や新素材の研究開発を進めています。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は2,791百万円であり、紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業における研究開発活動の状況は、以下のとおりです。
(1) 紙・板紙事業
以下の項目を研究開発の主要課題と位置付け、商品開発に取り組んでいます。
平成25年4月に生産本部の技術開発部門を技術開発部へ統合した後、これまでの基礎技術研究の強化、新商品開発強化を図るとともに、コスト低減・品質向上強化を紙・板紙生産グループ全体への水平展開を図っています。さらに、将来の紙パルプ市況に鑑みて、セルロースナノファイバー等の新素材・新規機能材の開発を促進しています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
洋紙は、印刷・情報用紙、出版用紙、包装用紙について、他社との差別化を図るために嵩高、薄物、環境等のテーマや新技術への対応商品の開発をテーマとしています。実績として情報用紙はインクジェット対応商品の拡充、高白色を特徴としたPPC用紙の品揃え強化、印刷用紙はA2コート紙を中心に品質リニューアルを進めてきました。
機能材はコンビニエンスストア等において包材需要が見込める耐水耐油紙や色画用紙の新色追加等の付加価値を向上する商品開発を進めました。また、通気性を持たせた食品包装用途のヒートシール紙、香り付きフレグランスシート、工程用保護フィルムシートの開発を行いました。
新規事業はセルロースナノファイバーの研究開発を進め、平成28年4月には三島工場内でのパイロットプラント設備を稼働させ、パイロットプラント規模での生産技術確立、用途開発を進めています。
紙・板紙事業に係る研究開発費は、1,336百万円です。
(2) ホーム&パーソナルケア事業
以下の項目を研究開発の主要課題と位置付け、商品開発に取り組んでいます。
衛生用紙、大人用紙おむつ、ベビー用紙おむつ、フェミニンケア用品、ウェットワイプの国内市場においては、顧客ニーズを掴む商品開発と新技術開発を推し進めることで、商品開発の底上げを行います。また、海外市場においては、これまでに培ってきたブランド力・技術力を活かし、現地ニーズや使用実態に合わせた商品開発を進め、収益力向上を図っていきます。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
衛生用紙のティシューペーパーでは、主力商品「エリエールティシュー」を2種類の柔軟剤によりきめ細やかな滑らかさで、鼻が赤くなりにくい商品にリニューアル上市し、東北大学との共同研究で、業界初の新たな評価の指標「肌への摩擦指数」を開発し、その新しい知見を品質改良に活かしました。また、トイレットペーパーでは便臭にも効果がある新香料を採用した「消臭+トイレット」をリニューアル上市しました。
大人用紙おむつでは、はいている事を忘れるくらいのはき心地を実現した超うす型パンツタイプの「アテントスポーツパンツ」の開発により、おむつへの抵抗感を無くし、紙おむつに新しい市場と世界感が出せるようにしました。
ベビー用紙おむつ「GOO.N」では、ベビー用と大人用の中間サイズとして展開する「スーパーBIG」の全シリーズ(テープ式、パンツ式、パッド式)をリニューアルし、足回りのギャザーを改善して、さらにもれにくいおむつへ進化させました。
軽失禁商品では、天然コットン100%の表面材を採用した「ナチュラ さら肌さらりコットン100%」を新登場させることで、様々な軽失禁症状に対応できるようにしました。
ウェットワイプでは、今までの当社品に比べ、3倍の破れにくい厚手で丈夫なシートを新開発し、1枚でトイレを丸ごと掃除できるトイレクリーナー「キレキラ!」を新発売しました。
ホーム&パーソナルケア事業に係る研究開発費は、1,317百万円です。