有価証券報告書-第67期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/31 16:24
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【項目】
127項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)におけるわが国経済は、政府の経済政策と日銀の金融緩和の効果と期待から円安・株高が進行したことにより、企業収益の改善や消費拡大等の経済効果が生じ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、円安による原材料価格の高騰等、先行きに懸念材料を残す状況にありました。
このような状況のもと当社グループは、国内・海外を両輪とする「アジア企業」として持続的成長を図る方針のもと、バリューチェーンを国内においては再度磨き直し、海外においては各国の事情に合わせて構築する等、当社の強みを最大化する戦略を実行してまいりました。
こうした中、当社グループの売上高は、国内におけるオフィス家具販売が前年に続き好調に推移したことから、前年同期比4.4%増の2,880億円となりました。利益面では、増収による売上総利益の増加及び経費増加抑制による売上高販管費率の低下等により、営業利益は前年同期比32.4%増の64億円、経常利益は円安による為替差益の増加により、前年同期比34.8%増の82億円、当期純利益は特別損失の減少や法人税等の減少等により、前年同期比97.8%増の48億円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、受益負担を勘案した結果、連結子会社に対するグループ経営運営料を改定しております。これにより、当連結会計年度のセグメント利益は、前連結会計年度に比べて、ステーショナリー関連事業で327百万円、ファニチャー関連事業で515百万円それぞれ増加し、通販・小売関連事業で578百万円減少しております。
①ステーショナリー関連事業
国内市場に関しましては、需要を喚起するため、罫線に新しい工夫を取り入れた中高生の学習に最適なノート「学習罫キャンパスノート」や、はくり紙をはがす手間がなくゴミが出ないローラー式の「両面テープ<ラクハリ>」等、500アイテム以上の新商品を発売しましたが、BtoBチャネルの回復の遅れが続く等、厳しい状況で推移しました。
海外市場に関しましては、成長するアジアの内需獲得のため、各国の状況に合わせたバリューチェーンの構築を推進してまいりました。インドでは、注力都市において積極的に拡販に努めたほか、卸との間で受発注システムの導入を開始し、在庫の最適化と営業活動の効率化を推進しました。中国では、積極的に販路を拡大し、実用ノートを約4,000万冊販売しました。ベトナムでは、テレビコマーシャルを中心とした大規模なキャンペーンを実施し、高価格帯のノートの販売目標としていた1,000万冊を達成しました。
このような状況のもと、売上高は国内事業における減収が海外事業における増収を上回ったことにより前年同期比2.2%減の901億円となりました。一方、営業利益は上海工場の稼働率低迷による減益要因がありましたが、国内事業におけるコストダウンの推進及び経費削減努力等により、前年同期比12.0%増の59億円となりました。
②ファニチャー関連事業
国内市場に関しましては、民間オフィスをはじめとする医療、教育、官公庁等の各市場におきまして、製販連携による積極的なソリューション提案を展開しました。中でも、首都圏及び関西地区の民間オフィス市場においては、ワーカーの生産性向上を支援する高付加価値提案が顧客に受け入れられたことにより、シェアを拡大しました。また、顧客ニーズを反映した注力商品を重点的に販売することで、工場の稼働率や生産効率が向上し、工場収支は改善しました。さらには、新製品やオフィス空間における新しい働き方を提案するコクヨフェアを、東京に加え大阪では初めて開催し、需要を喚起しました。
海外市場に関しましては、中国では、日系企業に加え、ローカル企業や中国進出の欧米企業に対して、上海フラッグシップショールームを活用した積極的な提案活動を行いました。また、代理店を開拓し、内陸部におけるオフィスファニチャーの拡販に努めました。ASEANにおいては、シンガポール、マレーシア、タイでの事業展開に加え、需要獲得のため新たに、インドネシアにショールームを開設しました。
このような状況のもと、売上高は国内事業の増収により前年同期比8.9%増の1,146億円となり、営業利益は国内シェア拡大のための価格対応や海外事業の先行投資があったものの、国内事業の大幅な増収や製販一体となった利益管理の強化により、前年同期比約15倍の15億円となりました。
③通販・小売関連事業
通販事業に関しましては、カウネットにおきまして、お客様がオフィス用品を選ぶ際の「選びやすさ」や、困りごとの解決につなげる「気づき」の提供に取り組んでおります。その取り組みを新ブランド「カウコレ」としてオリジナル商品で展開し、好評を得ました。また、オフィス用品一括購買システム「ウィズカウネット」が引き続き好調に推移しました。
小売(インテリア・生活雑貨の販売)事業に関しましては、アクタスが新規出店等により好調に推移しました。
このような状況のもと、売上高はカウネットとアクタスが好調であったことから、前年同期比3.9%増の1,105億円となりましたが、営業利益はグループ経営運営料の負担を今期から始めたことやアクタスの出店経費の増加等により、前年同期比34.3%減の15億円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、374億円と前連結会計年度末に比べ17億円の資金増となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は109億円(前年同期比1億円の収入増)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益78億円、減価償却費69億円の資金収入等があった一方、たな卸資産の増加27億円の資金支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は21億円(前年同期比29億円の支出増)となりました。これは、主として設備投資による支出48億円、投資有価証券取得による支出22億円、子会社株式の取得による支出12億円等の資金支出があった一方、有形固定資産の売却による収入31億円、投資有価証券の売却による収入30億円の資金収入等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は75億円(前年同期比47億円の支出増)となりました。これは、主として長期借入金の返済による支出50億円、配当金の支払額18億円、リース債務の返済による支出9億円の資金支出等があったことによるものであります。