有価証券報告書-第98期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/16 12:13
【資料】
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【項目】
126項目

企業結合等関係

(企業結合等関係)
取得による企業結合
Graphic Controls Holdings, Inc.との企業結合
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および事業の内容
被取得企業の名称
Graphic Controls Holdings, Inc.
事業の内容
医療機器や医療用消耗品などの生産・販売を行う子会社およびグループ会社の経営計画・管理ならびにそれに附帯または関連する事業
② 企業結合を行った主な理由
当社は、2015年4月から運用を開始した3カ年の第5次中期経営計画において、「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」というビジョンを掲げています。現在主力としているスマートフォンやタブレット端末などのコンシューマー・エレクトロニクスの分野では製品需要の急激な変動や製品・サービスの低価格化が常態化しており、当社はバランス経営の観点から持続的かつ安定的に収益を確保することのできる事業基盤の確立を急いでいます。M&Aは事業ポートフォリオを組み換えるうえで有効な手段の一つであり、当社は第5次中期経営計画においてM&Aに予算枠を設けるとともに、その対象としてグローバルベースで成長が期待されるメディカル市場の研究・調査を進めてきました。
Graphic Controlsグループは、アメリカに本拠地を置く医療機器メーカーです。1909年の創業以来、印刷を始めとする加工技術をビジネスメディアや医療機器などの分野に応用し、事業領域を拡大してきました。現在の主力である医療機器分野では病院などの医療機関向けに自社ブランド品を生産・販売するとともに、大手医療機器メーカー向けの受託生産を展開しています。
同社が手がける医療機器分野は、高齢化社会の進展や予防医療の普及などを背景に、今後はグローバルベースで成長することが見込まれています。また、大手医療機器メーカーは研究開発に注力し、生産は他社メーカーに委託するケースが増加しています。自社ブランド品と受託生産品の双方を手がける同社は、今後も安定した成長が期待されます。
今回の買収を通じて、当社は医療機器分野の製品群と市場を事業ポートフォリオに取り込むとともに、グローバルベースでの販路を獲得しました。今後当社は、Graphic Controlsグループを足がかりにメディカル市場での事業拡大を図り、既存のコンシューマー・エレクトロニクス分野とのバランスの取れた事業基盤を構築します。また、同社の主力製品であるディスポーザブル電極や手術用器具などの製品には、当社のコア技術との親和性が高いフィルムへのパターン形成や射出成形などの加工技術が活用されていることから、中期的には両社のコア技術を融合し、生産効率の改善や新製品の開発などの取り組みを加速します。
③ 企業結合日
2016年9月2日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とする株式取得
⑤ 結合後企業の名称
Graphic Controls Holdings, Inc.
⑥ 取得した議決権比率
97.1%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
当社の子会社が現金を対価とする株式取得により議決権比率の97.1%を獲得したことによります。
(2) 連結財務諸表に含まれる被取得企業の業績の期間
2016年9月2日から2016年12月31日まで
なお、被取得企業の決算日は連結決算日と異なっていますが、決算日の差異が3カ月を超えないため、当該子会社の決算数値を基礎として連結財務諸表を作成しています。
(3) 被取得企業の取得原価および対価の種類ごとの内訳
取得の対価現金14,192百万円
取得原価14,192百万円


(4) 主要な取得関連費用の内容および金額
Business Development Asia㈱に対する報酬・手数料等 164百万円
(5) 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法および償却期間
① 発生したのれんの金額
12,398百万円
② 発生原因
今後の事業展開により期待される将来の超過収益力から発生したものです。
③ 償却方法および償却期間
20年間にわたる均等償却
(6) 企業結合日に受け入れた資産および負債の額ならびにその主な内訳
流動資産6,353百万円
固定資産9,565百万円
資産合計15,919百万円

流動負債1,687百万円
固定負債12,373百万円
負債合計14,061百万円

(7) のれん以外の無形固定資産に配分された金額およびその主要な種類別の内訳ならびに全体および主要な種類別の加重平均償却期間
種類金額加重平均
償却期間
商標権3,347百万円20年
顧客関係資産2,896百万円12年
合計6,244百万円16年

(8) 企業結合が連結会計年度の開始の日に完了したと仮定した場合の当連結会計年度の連結損益計算書に及ぼす影響の概算額およびその算定方法
売上高9,644百万円
営業利益△298百万円

(概算額の算定方法)
企業結合が連結会計年度開始の日に完了したと仮定して算定された売上高および損益情報と、取得企業の連結損益計算書における売上高および損益情報との差額を影響の概算額としています。
なお、当該注記は監査証明を受けていません。
取得による企業結合
Schuster Kunststofftechnik GmbHおよびBack Stickers GmbHとの企業結合
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および事業の内容
被取得企業の名称
Schuster Kunststofftechnik GmbH(以下、Schuster)
事業の内容
自動車向け周辺部品および内外装部品に用いるプラスチック成形品の生産・販売
被取得企業の名称
Back Stickers GmbH(以下、Back Stickers)
事業の内容
自動車向け周辺部品および内外装部品に用いる加飾フィルムの生産・販売
② 企業結合を行った主な理由
当社は、2015年4月から運用を開始した第5次中期経営計画において「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンとして掲げています。現在主力としているスマートフォンやタブレット端末などのコンシューマー・エレクトロニクスの分野では製品需要の急激な変動や製品・サービスの低価格化が常態化しており、当社はバランス経営の観点から持続的かつ安定的に収益を確保することのできる事業基盤の確立が必要と考えています。M&Aは事業ポートフォリオを組み換えるうえで有効な手段の一つであり、当社は第5次中期経営計画においてM&Aに予算枠を設けるとともに、M&Aを通じて新市場への販路獲得、垂直統合の推進、新たなコア技術の獲得を目指してきました。
産業資材事業は、2015年8月に買収によって獲得した蒸着紙を主軸に印刷関連資材分野を拡大すること、既存の加飾分野では安定成長が期待される自動車を重点市場と定め、グローバルベースで事業の拡大を図ることを戦略に掲げています。
自動車市場での事業拡大に向け、産業資材事業では、お客さまニーズに合わせた製品ラインナップの拡充、サプライチェーンの構築を進めています。自動車市場のサプライチェーンは世界各地に分散しており、これまでに、東南アジアやアメリカ、メキシコに成形拠点を拡大し、従来の輸出型の事業モデルから地産地消型の事業モデルへの移行を進めてきました。今回の買収により、自動車市場にとって重要な欧州の生産拠点を獲得し、アジア、北米、中南米に加えたグローバルベースでの生産体制が整うことで、当社の成長基盤は一層強化されることとなります。
SchusterならびにBack Stickersおよびそのグループ会社(以下、Back Stickersグループ)は、当社の既存の加飾技術と相互に補完する加飾技術を有していることに加え、生産の自動化が進んでおり、効率性に優れた生産ラインを構築しています。また、欧州の主要な自動車メーカーを中心とした強固な顧客基盤を有しています。
今後はSchusterおよびBack Stickersグループの有する加飾技術、生産能力、販売チャネルと、当社のもつ加飾技術、グローバルな生産拠点網を融合することで、自動車市場向けの事業を拡大していく考えです。
③ 企業結合日
2016年10月31日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とする株式取得
⑤ 結合後企業の名称
Schuster Kunststofftechnik GmbH
Back Stickers GmbH
⑥ 取得した議決権比率
100%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
当社の子会社が現金を対価とする株式取得により議決権比率の100%を獲得したことによります。
(2) 連結財務諸表に含まれる被取得企業の業績の期間
2016年11月1日から2016年12月31日まで
なお、被取得企業の決算日は連結決算日と異なっていますが、決算日の差異が3カ月を超えないため、当該子会社の決算数値を基礎として連結財務諸表を作成しています。
(3) 被取得企業の取得原価および対価の種類ごとの内訳
取得の対価現金2,160百万円
取得原価2,160百万円

(4) 主要な取得関連費用の内容および金額
Oaklins Angermann AGに対する報酬・手数料等 43百万円
(5) 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法および償却期間
① 発生したのれんの金額
564百万円
② 発生原因
今後の事業展開により期待される将来の超過収益力から発生したものです。
③償却方法および償却期間
20年間にわたる均等償却
(6) 企業結合日に受け入れた資産および負債の額ならびにその主な内訳
流動資産1,829百万円
固定資産1,912百万円
資産合計3,741百万円

流動負債1,322百万円
固定負債823百万円
負債合計2,145百万円

(7) のれん以外の無形固定資産に配分された金額およびその主要な種類別の内訳ならびに全体および主要な種類別の加重平均償却期間
種類金額加重平均
償却期間
商標権135百万円20年
顧客関係資産634百万円6年
合計770百万円9年

(8) 企業結合が連結会計年度の開始の日に完了したと仮定した場合の当連結会計年度の連結損益計算書に及ぼす影響の概算額およびその算定方法
売上高2,597百万円
営業利益227百万円

(概算額の算定方法)
企業結合が連結会計年度開始の日に完了したと仮定して算定された売上高および損益情報と、取得企業の連結損益計算書における売上高および損益情報との差額を影響の概算額としています。
なお、当該注記は監査証明を受けていません。
企業結合に係る暫定的な処理の確定
2015年12月30日に行われたMálaga Produtos Metalizados Ltda.との企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていましたが、当連結会計年度において確定しています。なお、のれんの金額に修正は生じていません。