有価証券報告書-第101期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/25 11:25
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【項目】
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事業等のリスク

当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 事業環境に関するリスク
1. 特定のセグメントや特定のお客さまへの集中
当社グループの現在の主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において55.3%を占めています。このセグメントは主としてスマートフォンやタブレットなどのコンシューマー・エレクトロニクス(IT)市場向けに事業を展開していますが、この市場は市場トレンドやお客さまのニーズの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。これらの市場環境が急激に変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループではこうした状況に対して、事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を骨子とする第6次中期経営計画を運用しており、バランスの取れた事業基盤の構築を図っています。コンシューマー・エレクトロニクス(IT)市場に加え、モビリティ(自動車)、医療機器、サステナブルパッケージ資材を重点市場と定め、これらの市場向けの売上高を拡大することで、特定のセグメントや特定のお客さまへの集中に関するリスクの最小化を図っています。
(2) 事業運営に関するリスク
1. 自然災害・パンデミックの発生
当社グループの拠点および取引先はグローバルに存在しており、地震・台風・洪水などの自然災害やパンデミックが発生した場合、工場の操業やお客さまへの製品・サービスの供給に支障をきたす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して事業拠点の分散によりリスクの最小化を図るとともに、重要な事業拠点の早期復旧対応やサプライチェーンについてBCM(事業継続マネジメント)基本計画書を策定し、定期的な訓練を行うことで、自然災害などが発生した場合の影響を最小化するよう努めています。
2. 品質問題の発生
当社グループでは国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車)市場向けや医療機器市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではお客さまからの要求やISOなどの認証機関が定める規格に準拠した最適な品質管理体制を構築し、継続的な改善を進めることで、品質問題が発生するリスクの最小化に努めています。
3. その他の事業運営に関するリスク
その他、サプライヤーからの材料供給不足や人材の不足、機密情報・お客さま情報・個人情報の漏洩などが事業運営に影響を及ぼす可能性がありますが、適切なサプライヤー管理体制の構築、働きやすい環境の整備、適正な情報セキュリティシステムの構築などにより、リスクの最小化を図っています。
(3) 財務に関するリスク
1. のれんの減損損失
当社では事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、のれんの計上が多い傾向にあり、当連結会計年度末において19,589百万円を計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化した場合、買収先会社の業績が悪化し、のれんの減損損失が発生する可能性があります。
M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。
2. 為替の変動
当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は85.2%です。これらは外貨建て取引が中心であり、急激に為替相場が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。
3. その他の財務に関するリスク
その他、保有有価証券の時価減少や売上債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。