有価証券報告書-第78期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 16:00
【資料】
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【項目】
120項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、金融政策及び経済対策の効果や米国経済の回復基調の影響により円安・株高が進み、企業収益や個人消費にゆるやかな回復が見られました。一方で、円安による物価の上昇や消費増税による先行きの不透明感が未だ拭えない状況にあります。
外食を含む国内消費財分野においては、高級消費財を中心とするハイエンド分野において消費行動の改善の兆しが見られましたが、全体的な消費マインドの大幅な改善には至っておりません。外食業界においては、一部の業態に改善の兆しが見られるものの、回復ペースはまだらであり、業界として本格的な需要回復には至っておりません。特にファストフード市場や居酒屋市場は依然として熾烈な競争状態にあり、厳しい経営環境が継続しております。
こうしたなか、当社グループにおいては、平成25年5月に今後の大きな飛躍に向けた5ヵ年の中期経営計画『Dynamic Challenge 500 ~新たな成長で、新たなステージへ~』を策定し、「既存業態のブラッシュアップと新規出店の加速化」「フランチャイズ店舗の積極展開」「M&Aによる経営資源の強化とドミナント形成の推進」を戦略方針に掲げ、それぞれの施策を進めてまいりました。
新規出店については、立地開発のための人員や情報収集ネットワークの体制が整い、当初計画を上回る21店(うち、FC3店)の新規出店となりました。そのなかでも、フランチャイジーとして鶴ヶ島(埼玉県)に出店した「博多ラーメン鶴亀堂」は、順調に推移しており、主力の居酒屋業態との競合もないことから、今後の出店戦略を支える業態として、育成してまいります。
既存店については、店舗付加価値の向上を目指して業態の磨き込みを継続的に行い、大型店舗を中心にリニューアルを進めた結果、客数・売上高のいずれも前年水準を維持することができました。
売上原価については、円安の影響による食材価格の上昇等により大幅に悪化傾向にあったものの、品質の向上と粗利益の確保に向けたメニューミックスを行い、店舗の売上原価率は前年に比して0.6%アップに抑制しました。販売管理費については、人件費のコントロールを中心にコスト削減をすすめてまいりましたが、新規出店の体制整備による先行的な人員増加やエネルギーコストの継続的な増加等により、売上高販管費率は前年に比して上昇しました。平成26年2月の大雪による客数減や物流の混乱等の影響も減益要因となりました。
また、平成25年4月24日には連結子会社である暁印刷の株式を全て売却し、598百万円の特別利益を計上しました。これにより当社グループは、当社と4社の事業子会社からなる外食専業の企業グループとなりました。
このほか、リニューアルに伴う固定資産の除却や店舗の減損等により、199百万円の特別損失を計上するとともに、暁印刷株式の売却による税負担額の増加や、固定資産に関する繰延税金資産の取崩しが発生し、法人税等合計で717百万円を計上することとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は24,953百万円(前年同期比12.0%減)、営業利益は813百万円(前年同期比45.2%減)、経常利益は500百万円(前年同期比53.2%減)、当期純利益は183百万円(前年同期比80.8%減)となりました。
子会社別の事業の状況は以下のとおりであります。なお、子会社間で業態転換した場合において、連結上は店舗数に増減はありませんが、会社毎には店舗数に増減があるため、上記出店数と以下の会社毎の出店数の合計は一致しておりません。
㈱扇屋コーポレーションが展開する焼き鳥居酒屋「備長扇屋」では、当連結会計年度において、新たに19店の出店(うちFC3店)を行ったほか、採算の回復が困難と判断した店舗について7店(うちFC5店)を閉店することとなりました。既存店においては、焼き鳥をはじめとする串物の商品力の強化を図る一方で、メニューのカテゴリーを拡大する新たな商品開発を進めました。また、店舗オペレーションの強化とスキルアップによるお客様満足度の向上を目指した「焼師制度」や「真心師(まごころし)制度」を推進してまいりました。
新鮮和豚炭焼き専門店「日本橋紅とん」では、串焼き技術の向上を図るとともに、専門店としてのお値打ち商品の開発を進めました。新たに1店の出店を行い、期末店舗数は32店(うちFC7店)となりました。
お好み焼き「ぼちぼち」では、卓上の鉄板を活用したメニューの開発等を進め、鉄板お好み焼き屋としてのコンセプトの表現に努めてまいりました。新たに2店を出店し、区画整理に伴い2店が閉店し、期末店舗数は22店となりました。
その結果、㈱扇屋コーポレーションの当連結会計年度の売上高は14,727百万円(前年同期比2.4%増)、期末店舗数は407店(うちFC83店)となりました。
ショッピングセンターや商業施設内に様々なブランドによるインショップ型レストランを展開する㈱フードリームは、FLコスト(商品原価と人件費)のコントロールで安定的な収益を計上しております。多くの業態を有するなかで、洋風居酒屋「BELLA BELLA」はお客様の支持を受け続け、好調を維持しております。その結果、当連結会計年度の売上高は4,268百万円(前年同期比4.3%減)、期末店舗数は69店(出店4店、閉店6店)となりました。
㈱一丁が展開する刺身居酒屋「うおや一丁」では、原点である刺身の鮮度や品質、ボリュームにこだわる一方で、内装の居心地感を追求してリニューアルを実施してまいりました。また、オペレーションの効率化に積極的に取り組み、収益は大きく改善しました。新たに1店を出店するとともに、4店の閉店を行いました。この結果、当連結会計年度の売上高は3,307百万円(前年同期比8.0%減)、期末店舗数は21店(うちFC1店)となりました。
埼玉を中心に展開する㈱一源は、地域のマーケットに細やかに対応した業態開発を行う一方で、既存店での定期的なフェアメニューの実施やファミリー層をターゲットにしたメニューミックスを行ってまいりました。また、リニューアル実施店舗では大きく売上を伸ばすことができました。その結果、当連結会計年度の売上高は2,653百万円(前年同期比3.4%減)、期末店舗数は24店(出店2店、閉店7店)となりました。
これらにより、当社グループの期末店舗数は521店舗(うち、FC84店舗)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金収入1,653百万円 (前年同期比16.3%減)、投資活動による資金収入96百万円(同840百万円増)、財務活動による資金支出1,460百万円(同37.4%減)により、前年同期に比べ288百万円増加し、3,334百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1,653百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益901百万円、減 価償却費1,057百万円及びのれん償却額143百万円、減損損失111百万円、子会社株式売却益598百万円及び法人税等の支払額413百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は96百万円となりました。これは主に、子会社株式の売却による収入624百万円、貸付金の回収による収入が604百万円あった一方、既存店のリニューアルや新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出が1,164百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,460百万円となりました。これは主に、B種優先株式発行による収入1,000百万円と長期借入金の返済による支出1,994百万円、リース債務の返済による支出159百万円、長期未払金の返済による支出186百万円及び配当金の支払による支出120百万円等によるものであります。