訂正有価証券報告書-第79期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/10/16 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
118項目

業績等の概要

(1) 業績
① 事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善など緩やかな景気回復基調が続きました。一方で、円安による物価の上昇や将来の消費税増税による先行きの不透明感が未だ拭えない状況にあります。
外食を含む国内消費財分野においては、高級消費財を中心とするハイエンド分野において消費行動の改善や外国人旅行者による旺盛な消費行動が見られましたが、実質賃金は伸び悩み、全体的な消費マインドの大幅な改善には至っておりません。外食業界においては、消費税増税の影響は限定的であったものの、回復ペースはまだらであり、業界として本格的な需要回復には至っておりません。特にファストフード市場や居酒屋市場は他業種の代替やニーズの変化などにより、依然として熾烈な競争状態にあります。また、食の安全確保や食材価格の上昇、景気回復に伴う人員確保の難化など、厳しい経営環境が継続しております。
こうしたなか、当社グループにおいては、今後の大きな飛躍に向けた5ヵ年の中期経営計画『Dynamic Challenge500 ~新たな成長で、新たなステージへ~』を策定し、「既存業態のブラッシュアップと新規出店の加速化」「フランチャイズ店舗の積極展開」「M&Aによる経営資源の強化とドミナント形成の推進」を戦略方針に掲げ、それぞれの施策を進めてまいりました。
また、これらの戦略を支える財務基盤の強化と資本施策の選択肢を広げるとともに、社内体制の整備を進めております。
営業面では、既存店の客数を伸ばし続けることに重きをおき、それぞれの業態について、コンセプトを見直し、ブランド力の強化を図ってまいりました。なかでも、「うおや一丁」や「いちげん」については、リニュアルによる効果も相まって好調に推移しており、グループ全体として既存店売上高は前年を上回りました。
売上原価については、お客様によりバリューを感じていただける商品ラインナップとすることで、粗利高を確保する一方、売上原価率は前年に比べて0.3%上昇しました。販売管理費については、労働時間のコントロールを中心にコストの適正化を進めましたが、その他のコストアップ要因により売上販管費率は前年と同水準となりました。
このほか、投資有価証券の売却益や固定資産受贈益の発生等により特別利益を179百万円計上した一方で、リニュアルに伴う固定資産の除却や店舗の減損等により、181百万円の特別損失を計上することとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は25,634百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は771百万円(前年同期比5.1%減)、経常利益は524百万円(前年同期比4.9%増)、当期純利益は249百万円(前年同期比35.8%増)となりました。
② 子会社別の事業の状況
子会社別の事業の状況は以下のとおりであります。なお、会社ごとの売上高は、連結会社間取引相殺消去前の売上高であるため、連結損益計算書の売上高とは一致しておりません。
(a) ㈱扇屋コーポレーション
㈱扇屋コーポレーションが展開する焼き鳥居酒屋「備長扇屋」では、当連結会計年度において、新たに18店の出店(うちFC3店)を行ったほか、採算の回復が困難と判断した店舗について10店(うちFC6店)を閉店することとなり、期末店舗数は、357店(うちFC73店)となりました。既存店においては、銘柄鶏の導入など串物の商品力の強化を図る一方で、メニューのカテゴリーを拡大する新たな商品開発を進めました。また、店舗オペレーションの強化とスキルアップによるお客様満足度の向上を目指した「焼師制度」や「真心師(まごころし)制度」を推進してまいりました。
炭火串焼き専門店「日本橋紅とん」では、「働くお父さんのエネルギー源」をコンセプトとして、健康系のドリンクメニューの開発や串焼き技術を向上させ、コンセプトの浸透を図ってまいりました。新たに1店の出店を行い、FC1店が閉店し、期末店舗数は32店(うちFC6店)となりました。
お好み焼き「ぼちぼち」では、小ポーションのお好み焼きを用意し、複数の味を選べる楽しさを提供するなど、鉄板お好み焼き屋としてのコンセプトの表現に努めてまいりました。期末店舗数は22店であります。その結果、㈱扇屋コーポレーションの当連結会計年度の売上高は15,656百万円(前年同期比6.3%増)、期末店舗数は415店(うちFC79店)となりました。
(b) ㈱フードリーム
ショッピングセンターや商業施設内に様々なブランドによるインショップ型レストランを展開する㈱フードリームは、消費税増税によるショッピング客減少の影響を大きく受け、上期は厳しい状況が続きましたが、下期には主力の洋食レストランをステーキやデザートなどをラインナップに加えた新業態「ごちそうカフェカプチーナ」にリモデルを行い、リモデル後の売上高は大きく向上しました。また、洋風居酒屋「BELLA BELLA」はお客様の支持を得続け、好調を維持しております。その結果、当連結会計年度の売上高は3,962百万円(前年同期比7.1%減)、期末店舗数は67店(閉店2店)となりました。
(c) ㈱一丁
㈱一丁が展開する刺身居酒屋「うおや一丁」では、原点である刺身の鮮度や品質、ボリュームにこだわり、水槽の導入による活魚販売等を積極的に展開した結果、売上は好調を維持しております。また、あわせてオペレーションの効率化に積極的に取り組んだことで、収益は大きく改善しました。この結果、当連結会計年度の売上高は3,525百万円(前年同期比6.6%増)、期末店舗数は21店(うちFC1店)となりました。
(d) ㈱一源
埼玉を中心に食彩厨房「いちげん」等を展開する㈱一源は、ちょっとしたごちそう感やぜいたく感、こだわりを訴求するメニューや、シェアして楽しい驚きのメニューを導入するなど、ファミリー層をターゲットとして業態開発を進めてまいりました。また、リニュアル実施店舗では大きく売上を伸ばすことができました。平成27年3月には、新鎌ヶ谷(千葉県)に当社グループに加入後初の新規出店を行い、順調に推移しております。その結果、当連結会計年度の売上高は2,576百万円(前年同期比2.9%減)、期末店舗数は25店(出店1店)となりました。
(e) 以上により、当社グループの期末店舗数は528店(うち、FC80店)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し、2,072百万円減少の1,261百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,727百万円(前連結会計年度は1,653百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益による収入が522百万円、現金の支出が伴わない減価償却費が1,171百万円及びのれん償却額が150百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、673百万円(前連結会計年度は96百万円の収入)となりました。これは主に、新規出店や既存店のリニュアルに伴う固定資産の取得による支出が1,291百万円あった一方、投資有価証券の売却による収入が408百万円及び敷金・保証金の回収による収入が384百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、3,126百万円(前連結会計年度は1,460百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が1,904百万円、A種優先株式の取得による支出が800百万円、リース債務の返済による支出が158百万円、長期未払金の返済による支出が143百万円及び配当金の支払による支出が120百万円あったことによるものであります。