内部統制報告書-第16期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2017/12/28 15:54
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

代表取締役社長此下竜矢は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である平成29年9月30日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行っております。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しました。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、連結ベースの売上高の概ね2/3に達している3事業拠点を「重要な事業拠点」としております。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく係わる勘定科目として売上高、売掛金及び営業貸付金に至る業務プロセスを評価の対象としております。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点を含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。

評価結果に関する事項

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。

当社グループの重要な連結子会社であるGroup Lease PCL.(以下「GL」という。)において、当連結会計年度末日後に、有価証券報告書経理の状況重要な後発事象に関する注記「1.タイ証券取引委員会(以下「タイSEC」という。)から公表された事項等について」に記載の事象が発生しており、当社では、これらの対応等のため、平成29年11月14日に予定していた平成29年9月度(第16期)の決算開示をすることができませんでした。
タイSECは、平成29年10月16日付で、タイ法務省特別捜査局(以下「タイDSI」という。)に対して調査を進めるよう、タイDSIに対し申し立てをしたことを公表いたしました。
調査の対象となった取引は、GLの連結子会社であるGroup Lease Holdings PTE.LTD.(以下「GLH」という。)が貸主となり、キプロス及びシンガポールの借主に対する54百万USドルの融資取引(以下「GLH融資取引」という。)が、此下益司氏の指示により貸主グループ会社間で送金され、最終的にGLHへの分割返済に充当されていること、また、そのGLH融資取引に係る年利14~25%の利息収入が過大に計上されることで、GLの連結財務諸表は適正な開示を行っていないというものです。
当該事案は、タイDSIの調査の結果、刑事告訴に繋がる可能性が含まれており、これにより、此下益司氏は、GLの取締役並びに経営者の資格を喪失し、同日付けでそれらの地位を退任することとなりました。
当社グループでは、これらの事象に対して、GLにおいて、問題となるGLH融資取引に関して、調査及び見直しを進めてまいりました。
当社は、GLH融資取引の実態、取引の適正性を調査するため、平成29年11月17日に、第三者委員会を設置することを決議し、第三者委員会の調査に全面的に協力してまいりました。
平成29年12月12日には、第三者委員会の中間報告書を受領しましたものの、タイSECの指摘の根拠を特定するには至りませんでした。
当社では、第三者委員会の調査結果や当社監査人の監査進捗等を踏まえ、平成29年12月14日に漸く平成29年9月期の年度決算に開示をすることとなりました。
当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。
上記のとおり、海外連結子会社GLHの特定の融資取引に対する疑義に関し、当社の財務報告は、親会社としてタイムリーに説明可能な状態となっておらず、平成29年9月度(第16期)の決算開示を遅延せざるを得ない状況でした。
これらのことから、GLHの特定の融資取引に関連して、親会社としての海外子会社管理・情報収集管理体制や決算財務プロセスには不備があると評価いたしました。
また、上記の事象が決算期後に発生したため、当事業年度の末日までに不備の是正を図ることができませんでした。
当社は,財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、上記の不備につきましては、適切な是正に向けた対応を検討中であり、今後、適切な内部統制を整備し運用する方針であります。