有価証券報告書-第21期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 17:07
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114項目

事業等のリスク

当社グループの「経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスク」について以下に記載します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。
(1) 経営成績の変動要因
当社グループは、三菱ケミカルホールディングスグループの協奏による、さらなる成長・創造と飛躍の実現を 目指し、体質強化、成長戦略の遂行(高機能・高付加価値化等)、将来を見据えた創造事業の育成・展開等の諸施策に取り組んでおりますが、想定を超えた大きな経済変動や事業環境の変化(地球温暖化対策等、環境に関する 社会からの要請等も含みます。)が生じた場合、当社グループの業績(以下「業績」といいます。)に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは、製品の輸出や海外における現地生産など、グローバルな事業活動を展開しておりますが、海外においては、自然災害、感染症、テロ・戦争、地政学的リスク、法規制、移転価格等の税制、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生、人材確保の困難、ユ-ティリティ供給不足等インフラの未整備、輸送の遅延等、国・地域固有のリスクが存在し、これらが業績に影響を与える可能性があります。
さらに、当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。「事業分野毎に想定されるリスク」は以下の通りです。
イ 基礎化学品セグメント、ポリマーセグメント及び炭素セグメント
基礎化学品セグメント、ポリマーセグメント及び炭素セグメントでは、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気、蒸気等を使用しています。
このため、原油価格、原燃料の需給バランス、為替等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合、又は製品価格の是正が遅れた場合、業績に影響を与える可能性があります。また、この他にも、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料について必要な原燃料を 適時に確保できない場合、世界的な景気の減退や他社による生産能力増強等に伴い各製品の需給バランスが崩れた場合、価格競争が激化した場合、設備投資に見合う収益や成果を上げられない場合、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業のように特定の供給先への依存度が高い製品についてその供給先における需要等が 変動した場合等には、業績に影響を与える可能性があります。
ロ 情報電子セグメント及び機能化学・電池セグメント
情報電子セグメント及び機能化学・電池セグメントの多くは、品質・性能面で絶えず高度化が求められて おり、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。
このため、市場ニーズが当社グループの想定を超えて大きく変化した場合、又は市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合、業績に影響を与える可能性があります。この他にも、特定の地域やサプライヤーに 依存している原材料について必要な原材料を適時に確保できない場合、海外の製造メ-カ-から購入している 原料・製品についてその生産拠点での災害その他の要因により生産が停滞する場合等には、業績に影響を与える可能性があります。
ハ その他
当社グループのエンジニアリングや物流等といったサービス業務を担う会社において、これらの事業は当社グループ外からの受注もあり、需要や市況等の大幅な変動が業績に影響を与える可能性があります。
(2) 有利子負債
当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めておりますが、有利子負債が増加した場合、今後の金利の上昇の場合、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(3) 買収、合弁、事業再編等に伴うリスク
事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業 展開が当初期待していたシナジー効果を得ることができなかった場合、買収等の後に予測しえなかった新たな負債その他が生じ又は発見された場合、事業の選択と集中に伴う不採算事業からの撤退やグループ会社の整理等の事業再編を行った場合、業績に影響を与える可能性があります。
(4) 繰延税金資産
当社グループは、税務上繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延 税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合、繰延税金資産の見直しが必要となり、業績に影響を与える可能性があります。
(5) 有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、顧客及び金融機関を中心に少数株主として有価証券を保有 しており、これらの市場価格の大幅な下落が業績に影響を与える可能性があります。
(6) 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。大幅な業績の悪化や不動産価格の下落等があった場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
(7) 退職給付関係
当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利の変動、退職金・年金制度の 変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動が業績に影響を与える可能性があります。
(8) 在庫評価の影響
当社グループは、棚卸資産の評価を主として総平均法による原価法で行っており、ナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因と なります。一方、原燃料価格が上昇した場合、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、 損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。
また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)を適用しており、収益性の低下に基づく 簿価切下げを行った場合、業績に影響を与える可能性があります。
(9) 為替レートの変動
当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を 通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートが大幅に変動した場合、業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における 価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替 レートの変動が業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(10)法規制
当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、医薬品の安全対策に係るもの、その他事業活動に関するもの等様々なものがあります。
当社グループは、法令の規定よりも厳しいレベルの自主規制を遵守しつつ、コンプライアンスの徹底を図りながら、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法規制の大幅な変更や規制強化が行われた場合、当社グループ事業の制約やコスト増加につながり、また、万一、これら法規制に違反して操業停止等の処分を受けた場合等 には、生産への影響、市場シェアの喪失、社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。
(11)製造物責任
当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市・品質改善時には、事前に製造物責任(PL)リスク検討を確実に実施し、PL問題の未然防止を 図っております。
しかしながら、すべての製品について、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任に つながるような製品の欠陥が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(12)事故・災害
当社グループは、設備事故、輸送事故等の発生防止に努めていますが、これらの事故や震災を含む様々な自然 災害等による影響を完全に防止することはできません。万一、事故等により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合、生産への影響や社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。
また、自然災害等による物的・人的被害又は社会インフラの重大な影響等が生じた場合、重要製品に関する事業継続計画の整備に努めていますが、事業活動が長期かつ広範囲に影響を受ける等、業績に影響を与える可能性が あります。
(13)情報管理
当社グループが保有する重要な企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、万一、重要な情報の流出により問題が発生した場合、競争力の低下や社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性が あります。
(14)研究開発
当社グループは、従来から強力に研究開発を推進しており、今後も長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合、業績に影響を 与える可能性があります。
(15)知的財産
当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害が起きないよう、十分留意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合、業績に影響を与える可能性があり ます。
(16)訴訟等
当社グループは、前記(1)に記載の通り、様々な事業を行っておりますが、事業活動の展開又は事業再編を実施していく中で、取引先等から知的財産権や当社グループの製品等について、訴訟提起等を受ける可能性があり ます。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性が あります。