有価証券報告書-第75期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/21 11:56
【資料】
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【項目】
124項目

研究開発活動

当社グループにおいては、主に高純度薬品事業およびメディカル事業において研究開発活動を行っています。研究開発活動の基本方針はフッ化物業界という特異な分野でありながら、多様化、高度化し、広範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究開発し提供することです。
この目的達成のため次の事項を主眼として開発のスピードアップを図り、顧客ニーズ、時期に合致するよう努力しています。
(1) 積極的な研究開発姿勢
(2) 高純度製品の開発
(3) 高品質製品の開発
(4) 機能性・高付加価値製品の開発
(5) 顧客ニーズに合致した製品の開発
(6) 低コスト製品の開発
(7) 高度先進技術への対応
研究開発スタッフは、グループ全員で66名にのぼり、これは総従業員の約8%に当たります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究内容および研究開発費は次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は14億84百万円です。
(1) 高純度薬品
主として半導体やLCDの製造に使われる薬液や材料、半導体製造装置に使われる材料、リチウムイオン電池などの蓄電デバイスに使われる材料などを中心とした研究開発活動を行っています。最近は、フッ素化合物のナノテクノロジーへの応用、自動車へ搭載されるリチウムイオン二次電池を高性能化する添加剤の開発、燃料電池を高性能化する材料の研究、高精細LCDやマイクロLEDディスプレイなどに用いられる演色性の高いLED用蛍光体の開発など、研究テーマ毎にグループを形成して研究開発活動に従事しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は5億18百万円です。
(2) メディカル
主として自社で保有するホウ素濃縮技術を活用した新たながん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で用いる医薬品の開発に取り組んでいます。グループ会社であるステラファーマ株式会社では、BNCT用ホウ素薬剤(開発コード:SPM-011)の治験が、再発悪性神経膠腫(悪性度の高い再発脳腫瘍)と頭頸部がんを対象として進行中です。同薬剤は、厚生労働省から「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定を受けています。
なお、その他研究開発テーマとして、陽電子放射断層撮影(PET)によるがんの検査技術の開発も開始しており、大阪府立大学により平成28年度から開始された、AMED次世代がん医療創生研究事業の採択課題「革新的PETプローブ分子18FBPAの効率的合成法の開発とがん特異的集積能の検証評価」にステラファーマ株式会社が参画しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は9億66百万円です。